日本の約75%を占める山地。
富士山を始めとして、多くの山々が私たちの身近にはあり、そのどれもが日本には欠かせない存在です。
しかし、登山となれば「本格的な山登りはしたことがない」「友人・知人がよく行っているので興味はあるけれど、詳しくはよく分からない」という人も多いのではないでしょうか。
かく言う私も、少し前まで登山には全く興味がなかったのですが、知人に連れられて行ったのが最後、登頂した時の達成感や雄大な自然に魅せられて、気がついたら自ら登山をするようになっていました。
そこで今回は、登山を始めようか迷っている人や、最近始めたという初心者の人に向けて「日本百名山とは何か」を解説!さらに、日本百名山の中でも初心者におすすめしたい、長野県と岐阜県にまたがる恵那山のおすすめルート紹介もします。
憧れの日本百名山に登ってみましょう!
日本百名山とは?
日本百名山とは、小説家かつ登山家でもある深田久弥氏による著書『日本百名山』に記載されている100座の山のことです。
品格・歴史・個性を基準に、おおよそ標高1,500m以上の山が選ばれており(一部例外もあります)、多くの登山者の憧れともいえる存在です。
なお、日本百名山とは異なり、花の百名山や東北百名山など、人物や地域独自で選ばれている百名山もあります。
制覇やバッジのコレクションが楽しい!
日本百名山の魅力は、その山の歴史や成り立ち、景観などが挙げられますが、日本百名山を制覇したいという「目標」も多くの登山者を惹きつけます。
また、私が個人的に魅力に感じていることのひとつが「バッジ」のコレクション。
日本百名山の各山では、ピンバッジが販売されていることがあります。
それを日本百名山の名前が書かれた暖簾やオリジナルのタペストリーなどに飾っていくことで、長い年月をかけて少しずつコンプリートを目指していく楽しみ方が私のお気に入りです。
私は、登山の途中にある売店で販売されていた暖簾に、登った山のバッジをコレクションしています。
エリアごとに日本百名山を紹介
お住まいの地域の近くにも、日本百名山の山があるかもしれません。
そこで、地域ごとに日本百名山をまとめました(山のため、エリアや県境を跨いでいることもあります)。近くの百名山をぜひチェックしてみてください。
※名称や地域の分け方は複数の資料や、私が所有している暖簾を参考にしています。一部現地での名称などと相違があるかもしれませんのでご了承ください。
北海道(9座)
- 利尻山
- 羅臼岳
- 斜里岳
- 阿寒岳
- 大雪山(旭岳)
- トムラウシ山
- 十勝岳
- 幌尻岳
- 後方羊蹄山
東北(14座)
- 岩木山
- 八甲田山
- 八幡平
- 岩手山
- 早池峰山
- 鳥海山
- 月山
- 朝日岳
- 蔵王山
- 飯豊山
- 吾妻山
- 安達太良山
- 磐梯山
- 会津駒ケ岳
北関東・尾瀬・日光(9座)
- 那須岳
- 筑波山
- 燧ケ岳
- 至仏山
- 武尊山
- 赤城山
- 男体山
- 日光白根山
- 皇海山
上信越(12座)
- 越後駒ケ岳
- 平ケ岳
- 巻機山
- 谷川岳
- 苗場山
- 雨飾山
- 妙高山
- 火打山
- 高妻山
- 草津白根山
- 四阿山
- 浅間山
秩父・多摩・南関東(9座)
- 両神山
- 甲武信岳
- 金峰山
- 瑞牆山
- 雲取山
- 大菩薩嶺
- 丹沢山
- 富士山
- 天城山
北アルプス(15座)
- 白馬岳
- 五竜岳
- 鹿島槍ヶ岳
- 剱岳
- 立山
- 薬師岳
- 黒部五郎岳
- 水晶岳
- 鷲羽岳
- 槍ヶ岳
- 穂高岳
- 常念岳
- 笠ヶ岳
- 焼岳
- 乗鞍岳
美ヶ原・八ヶ岳・中央アルプス(8座)
- 美ヶ原
- 霧ヶ峰
- 蓼科山
- 八ヶ岳
- 御嶽山
- 木曽駒ヶ岳
- 空木岳
- 恵那山
南アルプス(10座)
- 甲斐駒ヶ岳
- 仙丈ヶ岳
- 鳳凰山
- 北岳
- 間ノ岳
- 塩見岳
- 悪沢岳
- 赤石岳
- 聖岳
- 光岳
北陸・近畿・中国・四国(8座)
- 白山
- 荒島岳
- 伊吹山
- 大台ヶ原山
- 大峰山
- 大山
- 剣山
- 石鎚山
九州(6座)
- 九重山
- 祖母山
- 阿蘇山
- 霧島山
- 開聞岳
- 宮之浦岳
初心者でも登れる日本百名山の恵那山とは?
日本百名山というだけあって、これだけ多くの山があると全てを調べるのは難しいと思います。
また各山、登山口・ルートによって難易度がガラッと変わります。そして宿泊を伴うルートも数多く存在します。
そこで、初心者におすすめの山として、筆者が日本百名山の中で初めて登った恵那山を紹介します。
恵那山は、長野県阿智村と岐阜県中津川市にまたがる山。日帰りで登ることができる上、穏やかなルートなのでスポーツ経験のある筆者は初めてでも難なく登頂できました。
ただし、初心者と言っても体力には個人差があるので、過去の運動経験や登山経験を踏まえたうえで、登る前には自身の体力もきちんと考慮しましょう。
また、どんな山を登る際にも共通することですが、万全な装備や、飲用水・食料の用意を怠らないよう心がけてください。
日本百名山の中には、他にも初心者向けの山はありますが、一例として筆者が登った恵那山のルートを参考にしてみてください。
距離が最も短い広河原ルートを紹介
恵那山へは東京から高速道路を利用すると、車で約4時間程度で登山口駐車場に到着します。
駐車場は無料で利用できます。早く着いて駐車場に空きが多い場合は、後から来る登山者のことも考慮しながら駐車しましょう。
まずは装備の確認や着替え、準備運動などを済ませて登山口に向かいます。
初心者におすすめな広河原ルートの所要時間は、往復で約6~7時間。
危険箇所や急登(急な勾配の登山道)などはあまりなく、比較的単調で平坦な道が多いルートです。
登山を開始するとすぐに渓流が流れており、夏場はとても涼しく感じられます。
登山道に入ると足元がゴロッとした岩や木の根、少し滑りやすい箇所などもあるので注意が必要です。少し傾斜もあるので、気をつけながら進みましょう。
1時間半ほど登っていくと、視界が開けて景色が見えるようになり、アルプスの山々を楽しむことができます。
2,191mの山頂に到着!
景色を眺めながらもう少し登っていくと、2,191mの山頂に到着します。
難易度が高くないとはいえ、初めての日本百名山の登山だったので当時はとても疲れましたが、途中で見ることができた綺麗な植生や素晴らしい景色、何より登頂した時の達成感は言葉では表現できないものがありました。
雄大な自然を全身で感じることができるのも登山の魅力ですね。
山の魅力は登ってみないとわからない
今回は、日本百名山の由来やその魅力、初心者におすすめしたい恵那山を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
登山に興味のある方には、ぜひ知ってもらいたい日本百名山。
ハイレベルな山も数多く存在するので一筋縄ではいきませんが、全制覇を目指して、ぜひチャレンジしてみてください。
これからデビューする方は、怪我のないよう安全な登山ライフを楽しんでくださいね!