山登りで一瞬の思い出を切り取るのに必要なカメラは、できれば登山に持っていきたいアイテムです。
現在、登山時の撮影として主流なのはデジタルカメラとスマートフォンで、山の種類や登山スタイル、好みによって使い分けをするのがポイント。
例えば、荷物をできるだけ軽くしたい場合はスマートフォンを、貴重な瞬間や多彩なシーンで撮影したい場合はアウトドアに対応したデジタルカメラを、といった具合に使い分けることで効率良く、かつ満足のいく撮影ができるようになります。
今回は、登山におけるデジタルカメラとスマートフォンの特徴を紹介しながら、どのように使い分けるといいかについて解説していきます。
デジタルカメラとスマートフォンの特徴を比較!
スマートフォン:総合的な軽量化に貢献
GPS機能、計画・記録の作成など、登山に関わるあらゆることが1台でできるスマートフォン。
中でもカメラ機能は、登山者がよく使うスマートフォンの機能かもしれません。
メリット
昨今ではデジタルカメラと遜色のない高画質な写真を、スマートフォンでサッと撮影できる夢のような時代になりました。
最大のメリットは、豊富な機能が詰まった万能カメラをわずか150~200g前後で持ち歩けるという点。
最近のスマートフォンで撮影できる写真は申し分ないほど高画質で、特にこだわりがなければこれだけで事足ります。
撮影後の編集もアプリを使用して簡単にできたり、下山してからネットワークに接続すればクラウド上に写真をすぐに保存できたり、撮影に関わる作業が効率良く行える点も魅力です。
また、スマートフォンを使えば撮影機材を別途購入する必要がないので、初心者の方にとっても扱いやすいでしょう。
デメリット
とはいえ、耐久性や機能には限界があり、撮影できるシーンが限られるというデメリットも。
より高度な撮影を行いたい際にはデジタルカメラの方が優れている場合が多いので、撮影できるシチュエーションは限定的となってしまいます。
デジタルカメラ:登山のあらゆるシーンに対応!
モデルによって個性があり、スマートフォンよりも被写体を繊細で美しく撮影できるのが、デジタルカメラです。
メリット
撮影に関する性能もさることながら、アウトドアに対応したデジタルカメラであれば、水中撮影が可能なほど高い防水性、耐衝撃性や防塵性などに優れています。厳しい自然環境でも撮影が可能でしょう。
デジタルカメラといっても様々で、スマートフォンに近い感覚で高画質な撮影が可能なコンパクトデジタルカメラほか、芸術的な写真が撮影できる一眼レフなどがあります。後者の場合は取り扱いに注意が必要なため、デジタルカメラは目的に特化したモデルを選ぶことが重要。適切なカメラ選びができれば、理想の写真を撮影することが可能です。
また、一度バッテリーが切れると複数の機能が使えなくなるスマートフォンと比較して、デジタルカメラは予備バッテリーを携行すれば残量を気にすることなく撮影できるでしょう。バックパックに取り付けられるホルスター(カメラを収めるケース)を活用すれば、起動から撮影までを素早く一連の動作で行える、といった利点もあります。
デメリット
ただし撮影に特化し、登山者の希望に合わせた機能を選べるデジタルカメラにもデメリットが。それは、導入にコストがかかること。
作業には別途パソコンが必要になる場合もあり、スマートフォンよりハードルが高く感じられるかもしれません。
デジタルカメラを持っていない人はまずスマートフォンを活用し、より満足のいく撮影がしたくなったらデジタルカメラを使ってみる、というのが筆者のおすすめです。
こんな時はスマートフォンorデジタルカメラ、どっちがおすすめ?
ここからは、具体的に登山においてどのような時にそれぞれを使い分けると良いのか、紹介していきます。
スマートフォン:天候が良い低山や整った登山道
明瞭な登山道がある山や気温変化の少ない低山では、スマートフォンの機能や耐久性でも十分に撮影できます。
天候や気温変化などの要因でスマートフォンが使えなくなるリスクが低く、かつ軽量で動けるので日帰りの登山とは相性が良く、気軽に撮影を楽しめるでしょう。
筆者も慣れ親しんだ低山を登る時はスマートフォンを使うことがあり、モデルにもよりますが満充電かつカメラ機能を使うだけなら、バッテリーに対して神経質になることなく撮影できています。
ちなみに、筆者が使用しているスマートフォンはOPPO Reno5 A。カメラは最大6,400万画素で解像度が高く、手軽に鮮やかな写真が撮れます。
デジタルカメラ:高所や沢登りといった過酷な環境下や特別な山行
筆者は、沢登りや登山道のない山が好きなので、こういった場面では防水性や耐衝撃性の高いアウトドア用のデジタルカメラを頻繁に使っています。
筆者が使用しているカメラはしっかりとした防水防塵機能がついており、水中でも撮影できるのが特徴。過酷な環境下でも良質な画像の撮影が可能です。
過酷な状況では、スマートフォンだと水没や故障の不安があります(実際、筆者は沢登りでスマートフォンを水没させてしまった経験があり、現実を受け止めるのに時間がかかりました)。
また滅多に登らない山に行く時や、一度の山行でより良い写真を撮りたい時も、デジタルカメラの出番。
筆者が使っているのはオリンパスのTough TG-6で、耐水性、耐荷重100kgf、耐低温-10℃、耐衝撃、耐結露と、どのような環境下でも臆することなく使えることが特徴のモデルです。
水中やマクロ撮影など、多彩な写真を撮って楽しんでいます。
カメラを使い分けて山での撮影を楽しもう
一生に何度見られるかわからない絶景、山で偶然出会う生き物たち、そして仲間との一時。
登山時の撮影で使用するデジタルカメラやスマートフォンは、それぞれの特徴を押さえておけば、効率良く、かつ満足のいく写真を撮影できます。
故障リスクの少ない場所や軽量化目的ではスマートフォンを、過酷な登山や特別な登山ならアウトドア用のデジタルカメラを使うのがおすすめ。安心して撮影を楽しめます。
山で撮影を続けていけば、両方持っていてもシチュエーションに合わせて使い分けられるようになるはずです。自分のスタイルに合わせて、山での撮影をぜひ楽しんでください。