ファイヤースターターと聞くと、「なんだか扱いにくそう」「火おこしはマッチやライターで十分でしょう」と敬遠する方もいると思います。
確かに、一般的なファイヤースターターは慣れるまでは扱いにくいアイテムです。
しかし、今回ご紹介するMAAGZ(マーグズ)の「BLACK MAGIC」というファイヤースターターは別。ビギナーの方にこそ使ってほしいギアです。
今回は、筆者が愛用している「BLACK MAGIC」がなぜ初心でも使いやすいのかを解説します。
そもそもファイヤースターターとは?
ファイヤースターターとは、言わば“現代の火打石”です。
マグネシウムやフェロセリウムなどを使用した「ロッド」と呼ばれる道具と、ナイフのような見た目の金属片「ストライカー」という道具で構成されています。
ロッド部分をストライカーで擦ることにより、火花を生み出し、燃えやすい火口(麻紐をほぐしたものなど)に引火させて火をおこします。
マッチやライターなどの着火道具と異なる特徴は、以下の2つです。
1.ファイヤースターターは水濡れに強く、濡れても表面の水を拭き取れば使用できる
2.ライターのように燃料を使わないため、ロッドが完全にすり減らない限り使用できる
他の着火道具に比べ、様々な環境に対応できるのが良いところ。ブッシュクラフトスタイルのキャンパーから愛されているアイテムです。
扱いには少々コツがいりますが、使いこなせるといざという時に頼りになるはず。また、少しの不便を楽しみながら原始的な火おこしを体験できるのが魅力でもあります。
MAAGZ「BLACK MAGIC」の魅力3つ
実際に使ってみて感じた「BLACK MAGIC」の良さは、こんなポイントにあります。
(1)初心者でも着火が簡単
先に触れたように、一般的なファイヤースターターはビギナーにとっては取り扱いが難しく、ハードルの高い道具と言えるでしょう。
しかし、MAAGZの「BLACK MAGIC」は誰でも簡単に扱えるファイヤースターターなのです。
なぜなら、一度に大量の火花を散らすことができるから。火花を多く散らせる理由は、ロッド部分の作りにあります。
筆者が実測したところ、「BLACK MAGIC」のロッドは直径約1.3cmの極太仕様。長さは約13cmと一般的なものよりも長めになっています。
ロッドが太く長いことから、いちどに擦れる距離も長くなり、削り出す金属の量が一般的なファイヤースターターよりも多くなります。その結果、ワンアクションで大量の火花を生み出し、簡単に着火ができるのです。
また、ロッドに使われている素材はフェロセリウム。マグネシウムに比べ発火点が低く、より火をおこしやすくなっています。
(2)グリップが握りやすい
「BLACK MAGIC」のロッドのグリップ部分は、国内の工場でアルミの塊から削り出した特注品なのだそう。
一般的なファイヤースターターよりもサイズが大きめで、片手で握ると手のひらにフィットする形状にデザインされています。
そのため、ストライカーでロッドを擦る際にも握り手に安定感が出て、手から抜けてしまうことがありません。ビギナーにも握りやすく、扱いやすいグリップです。
(3)ロッドの交換ができる
ファイヤースターターのロッド部分は使用するたびに削れて、いつかは使えなくなる消耗品です。
一般的なファイヤースターターはグリップとロッドが一体化しているため、ロッド部分が消耗し次第、グリップ部分もゴミになってしまいます。
しかし、一般的なファイヤースターターと違い、「BLACK MAGIC」のロッド部分は交換が可能。長く愛用できるサスティナブルなギアです。
そして、交換方法も簡単。グリップの先端部分にあるねじを緩めると、グリップからロッドが外れます。交換の際は新しいロッドをつなぎ、ねじをしめれば完了です。
グリップ部分が壊れない限り、繰り返し使用できるのは嬉しいポイント。「BLACK MAGIC」は一生もののファイヤースターターと言っても過言ではありません!
「BLACK MAGIC」の使い方
ここからは、「BLACK MAGIC」の使い方を解説します。
(1)火おこしに必要な道具を用意する
ファイヤースターターを使った火おこしに必要な道具は、以下になります。
- 焚き火台
- 焚き火シート
- 火口
- 着火剤
- 小さい薪
- 大きい薪
火口は、麻ひもをほぐしたものやティッシュペーパーでOK。
火口に着火した後に徐々に火を大きくしていくため、着火剤、小さい薪、大きい薪をそれぞれ用意しましょう。
(2)道具をセットする
まずは、焚き火シートの上に焚き火台をセットし、焚き火台の上に着火剤をのせます。
今回、着火剤にはセリアで購入したシェービングウッドチップ(油分を含んだ細かいウッドチップ)を使用しました。シェービングウッドチップの周りに細かい薪をちりばめます。
最後に火口として着火剤の上に、ティッシュペーパーを丸めたものをのせました。
(3)「BLACK MAGIC」で着火
ここまできたら「BLACK MAGIC」で着火していきますが、ファイヤースターターの基本的な使い方もあわせて解説します。
ファイヤースターターの持ち方
右利きの方は左手でグリップを握り、右手でストライカーを持ちます。
ロッドを安定させる
ロッドの先を焚き火台の底に当てましょう。
そうすることでロッドが固定されて安定し、手元が狂いにくくなります。
ストライカーをロッドに当てる
ロッドの根元にストライカーを当てましょう。この時、ストライカーの表裏に注意。
ストライカーの先端に「UP」と文字があるほうが上になります。また、ストライカーをロッドに当てる角度は45度ほどを意識しましょう。
ストライカーでロッドを擦る
まずは、ロッドを削ってフェロセリウムをふりかけます。
そしてストライカーをロッドに押し付けつつ、ロッドの根元から先端に向けて勢いよく滑らせましょう。
大量の火花が散って、見事火口のティッシュペーパーに着火しました!
(4)火を育てる
火口のティッシュペーパーから着火剤に火が移ったら、細かい薪を少しずつくべながら火を育てましょう。
火が大きくなって安定してきたら、大きめの薪をくべていきます。
大きめの薪に火が移り、炎が安定して燃え始めたら、火おこしは完了です!
MAAGZの「BLACK MAGIC」はビギナーにおすすめ
扱いにコツがいるため、キャンプ上級者向けのアイテムと思われがちなファイヤースターターですが、MAAGZの「BLACK MAGIC」は違います。
ロッドのサイズ、そしてグリップの握りやすさにこだわって作られているため、非常に扱いやすいです。誰でもストレスなく着火ができるはずですよ。
ファイヤースターターに興味がある方は、ぜひ“はじめての1本”として検討してみてください!
今回紹介したギアはこちら
MAAGZ「BLACK MAGIC」/Firestarter
価格:5,610円
素材:ロッド;フェロセリウム合金 グリップ;アルミ ストライカー;スチール、牛革
サイズ:全長193mm、直径26mm
重量:198g
製造:日本