食品ロスというと食べ残しを思い浮かべることも多いですが、実は、調理中の過剰除去で食べられる部分が捨てられています。
そんな調理中の食品ロスについて学ぶ機会として、貝印が子どもたちと一緒に食品ロスの少ない切り方を循環型農場で学ぶ「畑で学ぶやさしい切りかた教室」を開催しました。
野菜の皮だけでなく、「ここも捨てていたかも!」と、大人も気づきの多い教室でした。
まずは「KURKKU FIELDS」で循環を学び、収穫を体験
貝印の調べによると、コロナ禍以降、子どもたちと料理をする頻度が増えたと回答した人は全体で71.5%という結果になりました。多くの家庭で、親子が一緒に料理をすることによる学びや、コミュニケーションを大切にしている様子が窺えます。
今回は、親子で過ごせる時間が増える夏休み特別企画として、14組の親子がイベントに参加。千葉県木更津市の循環型農場「KURKKU FIELDS(以下クルックフィールズ)」にて、管理栄養士でSDGs料理研究家のとぅぃんくる星美さんと、自然の循環について学び、収穫し、その夏野菜でお料理をする体験をしました。
まずは、バスで木更津市にある「クルックフィールズ」へ。
バスの中では、とぅぃんくる星美さんによる野菜やSDGsについてのクイズが行われました。子どもたちは、事前に勉強したり、お手伝いでお料理をしたりしているからか、クイズに正解する子が多く、今日のイベントを楽しみにしていたことが伝わってきます。
「クイックフィールズ」ってどんな場所?
今回、教室が開催されたクルックフィールズは、「農業」「食」「アート」を軸とした複合施設です。2019年に誕生し、宿泊施設も併設された循環型の農場です。
一次産業からいわゆる六次産業までを循環する取り組みが行われています。
説明をしながら見せてくれたのは、なんとイノシシの骨。実は、ジビエ料理も提供し、食べられない骨は、ラーメンなどのだしに使い、その後、粉砕して肥料にしたり、鶏のエサにしたりしています。命をいただくのだから、すべてを活用して、自然と共生し、サーキュラーエコノミーを実現しています。
施設の循環を見学して、野菜を収穫!
フィールド内のレストランの軒下には、ミミズのコンポストが設置されていました。コンポストとは、堆肥のこと。
ミミズがいることで、一般家庭に導入されているコンポストより早く土に還せるとのこと。子どもたちも興味津々で、手のひらにミミズをのせるなど興味深そうに見入っていました。
ほかにも、水は地下水を滅菌して使用し、排水はすべてバイオフィルターで浄化して流すことや、ソーラーパネルによる電力供給など、このフィールド内で循環していることを見学しました。
学んだあとは、お料理に使うハーブや夏野菜の収穫です。
ハーブや野菜は、どのような状態のものがいいのか、また、どのあたりから収穫するのかの説明を聞き、子どもたちは、これだと思った野菜を収穫していきます。収穫した野菜を使って、いよいよ調理です。
子どもたちと調理しながらSDGsを学ぶ
お料理タイムでは、まず、包丁について学びました。
包丁の部分ごとの名前と使い道。包丁の役割について学んだあとは、持ち方、野菜などの食材のおさえ方などを、とぅぃんくる星美さんが楽しくレクチャー。お話が楽しくて、子どもたちも集中して聞いていました。
今回のメニューは、「夏やさいたっぷり!イタリアンぎょうざ」と「カラフル★ツナおにぎり」です。
みんなでカットしたのは、収穫したピーマンとナス、プチトマト。
プチトマトは、4分の1にカットするので、過剰除去の心配はありませんが、ピーマンとナスは工夫が必要。
ピーマンは、縦半分に切った後、ワタと種の部分を大きく除去しがちです。指でヘタの部分を押して、固い部分だけを除去すればOK。
ナスも、ガクの部分を切り落とすのではなく、切れ目を1周入れてむきます。先端のヘタだけを切り落とし、残ったヘタをむくとむだがありません。
どちらも捨てる部分は、ほんのわずかであることを体験しました。
くわしい野菜の切り方は、貝印ホームページに「やさしい切りかた辞典」にも、動画と共に掲載されています。ここも食べられるのかと新たな発見がありますよ。ぜひ、参考にしてみてください。
また、貝印には「リトルシェフクラブ」という子どもの年齢に合わせた包丁がラインアップされています。今回参加した子どもたちも、子ども包丁を使用。
まな板には、スケールがあり、料理するときのサイズを測ることができます。裏側には、薄切りや乱切りなど、親子で学べる工夫もありました。
グループごとに料理をし、できあがったグループからの試食タイム。自分たちで収穫したこともあり、ピーマンやナスが苦手と話していた子どもも、しっかり食べていました。自分たちで収穫して作った料理は格別ですね。
親子で作りたいレシピを紹介
今回作ったレシピの一部を紹介。夏にぴったりの餃子は、親子で作ると楽しいですよ。
夏やさいたっぷり!イタリアンぎょうざ
材料(3~4人分)
- ぎょうざのかわ 25枚
- 豚ひき肉 140g
- プチトマト 5個
- ピーマン 1個
- ナス 2分の1本
- バジル 8枚
- スライスチーズ 1枚
- ★酒 小さじ2
- ★ケチャップ、オイスターソース、はちみつ、にんにく 各小さじ1と3分の1
- ★塩 ひとつまみ
- ★こしょう 少々
- ごま油(焼くとき用) 小さじ1
- 熱湯(焼くとき用) 50mL
作り方
1.ボウルにひき肉、★の材料を入れ、粘りが出るまでよく混ぜる。細かくちぎったバジルとチーズも入れてさらに混ぜる。
2.プチトマトは4個切って、ピーマンは四角に薄く切る。ナスは角切りにする。切った野菜を1に加え、さっと混ぜ合わせる。
3.ぎょうざの皮に2をのせ、皮のふちに水をつけて包む。
4.餃子同士がくっつかないよう間隔をあけ、フライパンに並べる。熱湯50mLとごま油小さじ1を合わせ、フライパンのふちからまわすようにして入れる。
5.アルミホイルの落し蓋と蓋をして強火で3分加熱する。
6.火を止め、蓋をしたまま3分蒸らす。
7.蓋と落し蓋をとり、強火で加熱し、いい焼き色がつくまで焼いたらでき上がり。
ピーマンやナスを餃子に入れたことがなかったのですが、たれをつけなくても野菜の味がしっかり感じられ、おいしくいただきました。
アウトドアでのもう一品としても、みんなでわいわい作れておすすめです。
包丁の使い方を知ることが食品ロスをなくす第一歩!
キャンプやBBQなどで、親子で料理をするとき、目は離せませんが、包丁の基本の使い方を知っていると安心ですね。
また、野菜を切るときに「ここも食べられるね」と話しながらカットすると、食品ロスについて考える機会になります。
自分も地球の循環の中にいることを感じて、むだのない調理を心がけてみませんか。
貝印 やさしい切りかた辞典
https://www.kai-group.com/products/special/hocho/yasashii/