キャンプの利用も大歓迎! 八ヶ岳『チームシェルパ』でワイン樽サウナに入ろう
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    2023.08.06

    キャンプの利用も大歓迎! 八ヶ岳『チームシェルパ』でワイン樽サウナに入ろう

    ワイン樽を再利用した小屋、ワイン樽ハウスを手に入れたシェルパ斉藤。さらなる活用法を考えた末に行きついたのが、パーソナルサウナとして楽しむこと。「ワイン樽で広がるアウトドアライフ! シェルパ斉藤の「パーソナルサウナ」計画」に続き、アナログな魅力にあふれたサウナ生活をレポート!

     サウナのある暮らしを手に入れて

     ワイン樽ハウス改め、ワイン樽サウナが完成してからはサウナが日常になった。なんせ、家でお風呂を沸かすよりも早くて簡単にサウナを体験できるのだ。その理由は、設置した薪ストーブと燃料の薪が関係している。

     ワイン樽サウナの薪ストーブは、一枚板の亜鉛メッキ鋼板製だ。じんわりと温まって遠赤外線効果が長く持続する鋳物製の薪ストーブと違って、熱しやすく冷めやすい。着火すると薪ストーブ本体がすぐに熱くなって放熱をはじめる。

     使っている薪も建材の木っ端を燃やしているため、火付きがよくて燃えやすく、すぐに高温になる。暖房用の薪ストーブで燃やす広葉樹の薪のように火持ちはよくないが、サウナに長時間入浴することはないから早く燃え尽きても支障ない。着火して10分も経たないうちに、ワイン樽サウナは汗が滴る温度に上昇する。

    ワイン樽サウナの内部はこんな感じ。着火後すぐに高温になる。ちなみに壁にコンセントがあるけど、電気が通ってないダミーです。

    わが家の庭には五右衛門風呂がある。重厚な鋳物製ということもあるけど、薪を焚いてから適温になるまで30分以上かかるし、薪もかなり消費する。水よりも空気を温めるほうがエネルギー効率的に楽なことを、ワイン樽サウナで実感した。

    燃料に使う建材の木っ端は友人の大工Oくんからタダでもらっている。木造建築で出る大量の木っ端は、建築業者にとっては処理費用がかかる産廃だけれど、僕にとってはありがたい燃料だ。Oくんが大工仕事を続けるかぎり、サウナの燃料に困ることはない。お互いがウインウインの良好な関係が保たれている。

    Oくんの工房では常に大量の木っ端が出る。この袋一つで約1tの木っ端が入っている。

    ユニック車を所有しているOくんは、わが家まで燃料(彼にとってはゴミ)を運んでくれる。

    これだけあれば、100回以上サウナに入れると思う。燃料がタダという点でも、ワイン樽サウナは優れている。

     薪ストーブのサウナならではのアナログ的な楽しみ

     スイッチひとつで室温を一定に保つことができる電気式のサウナとは異なり、薪ストーブのサウナは常に自分で温度調整をしなくてはならない。温度が高すぎたら吸気口を閉じ気味にして炎を小さくしたり、温度が低いと感じたら適量の薪を追加したりするなど、すべて自分で操作して温度をコントロールする。そこにアナログ的なおもしろみを感じているから、一般的なサウナにある温度計やタイマーなど、数値を計測できる器具は置いてない。自分の感覚で「もう少し暑くしよう」とか「もう出よう」と判断して、自由にサウナ時間を楽しんでいる。

    百均ショップで買った霧吹きでサウナストーンに水をかけてウエットサウナを楽しむ。被っている帽子はBE-PAL2022年10月号の付録、MOSSの「ととのうサウナハット」だ。

    サウナで汗をかくことよりも、水風呂に浸かってクールダウンしてのんびり寛ぐ時間、いわゆる「ととのう」時間にサウナの魅力がある。サウナは水風呂に浸かるための準備体操だと僕は思っている。

     わが家は市から供給される水道ではなく、数十m掘った井戸の水で生活している。いわば、八ヶ岳山麓天然水だ。サウナで汗をかいたあと天然水に浸かると、一瞬で身も心も清められる気がする(思い込みですが……)。

     庭に五右衛門風呂があるからそれを水風呂に使っていたが、五右衛門風呂は形状の関係で足が伸ばせられない。全身を伸ばした状態でのびのびと天然水に浸かろうと思い、インフレータブルカヌーを膨らませ、そこに水を溜めてみた。

     最高の水風呂だ。空気で膨らんだ船体は適度なクッション性があるし、寝そべった状態で水浴びできる。川を下るだけではない、インフレータブルカヌーの底力を実感した。

    かれこれ25年以上愛用しているグラブナーのインフレータブルカヌー。ポンプで空気を入れるだけで組み立てられる。

    気持ちよさ抜群のウオータープールだ。2人乗りのインフレータブルカヌーは、水浴びの定員も大人2名まで対応できる。

    水風呂から出たら、風を浴びてのんびりと寛ぐ。わが家は緑に囲まれているから、森林浴を兼ねたととのう時間を満喫できる。身を委ねるのに使っているイスは、ニーモのスターゲイズ・リクライニングキャンプチェアだ。サウナ後に自然の中でリラックスできる最強のチェアだと思う。

    僕が所有しているチェアは初期モデルなので、現行モデルに比べてデザインが少し異なる。メッシュ素材で水はけがいいから、水浴び後のリラックスチェアに最適だ。

    腰掛けた場合はこんな感じ。ハンモックチェアの心地よさがある。

    体を預けることで背もたれが自在の角度で倒れるオートリクライニング機構。気持ちいい!

    ワイン樽サウナの前でととのっていると、たまに猫のハチが「何してんの?」という感じで遊びに来る。この場所が大好きだ。

    『チームシェルパ』なら非日常のサウナキャンプが楽しめます!

     さて、ここまでコラムを読んで、自分もワイン樽サウナ体験をしたいと思った人へ。

     入れます。入れるんです!

     わが敷地には妻が営むカフェ『チームシェルパ』があり、カフェに来たゲストなら誰でもひとり¥1,000でワイン樽サウナに入浴できます。

     カフェの庭で昼間から裸になってサウナに入るのは抵抗ある。あるいはサウナのあとはビールを飲んでゆっくり寛ぎたい。そう思っている人へ。

     泊まれます。泊まれるんです!

     カフェ『チームシェルパ』には旅人小屋もあるし、11組限定のプライベートキャンプ場もあります。犬連れバックパッカーでもある僕がプロデュースしたキャンプ場だから、ノーリードの犬連れキャンプができて、しかもファイヤープレイスがあって直火の焚き火もできちゃいます。

     キャンプ料金は、弱者の旅人優遇制度により、徒歩や自転車で来たキャンパーは無料。エンジンの場合は排気量×¥10となってます。たとえば、50ccのスーパーカブなら¥500で利用可能(上限は¥2,500。ハーレーとかの大型バイクで来たら1万円を超えてしまうので……)。クルマの場合は¥2,500に駐車料金としてプラス¥1,000。つまり、¥3,500になります。

     夏休みに入ってキャンプ場は混雑してますが、カフェ『チームシェルパ』のキャンプ場はまだ空きがあります。泊まりたい方はこちらのホームページから予約申し込みを。

     https://team-sherpa.wixsite.com/sherpa/blank-13

     非日常のサウナキャンプが楽しめますよ。

    ドッグランであり、キャンプ場であり、子供が自由に遊べる場である「シェルパーク」はワイン樽サウナの裏側にある。面積は約200坪。周囲を目立たない柵で囲っているので犬をノーリードで自由に放せる。

    直火の焚き火ができるファイヤープレイス。森の倒木や川の流木を燃やすワイルドな焚き火ができる。

     

    シェルパ斉藤
    私が書きました!
    紀行作家・バックパッカー
    シェルパ斉藤
    1961年生まれ。揚子江の川旅を掲載してもらおうと編集長へ送った手紙がきっかけで『BE-PAL』誌上でデビュー。その後、1990年に東海自然歩道を踏破する紀行文を連載して人気作家に。1995年に八ヶ岳の麓に移住 し、自らの手で家を作り、火を中心とした自己完結型の田舎暮らしを楽しむ。『BE-PAL』で「シェルパ斉藤の旅の自由型」を連載中。『シェルパ斉藤の行きあたりばっ旅』ほか著書多数。歩く旅を1冊にまとめた『シェルパ斉藤の遊歩見聞録』(小学館)には、山、島、村、東海自然歩道などの旅や、犬と歩いたロングトレイルの旅を収録。

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