筑波山(つくばさん)は、茨城県にそびえる日本百名山の一つです。
つくばエクスプレスのつくば駅や常磐線の土浦駅からバスでアクセスでき、都心からも行きやすいのが特長。
さらに、標高877mと日本百名山の中ではもっとも低いということもあり、登山初心者や子どもなど、老若男女を問わず楽しめる山なのです。今回は、魅力たっぷりの筑波山の楽しみ方を紹介していきます。
筑波山とは?
筑波山は、標高877mの女体山と標高871mの男体山の二峰から構成される山です。
古来より信仰の対象とされてきた御山であり、2箇所の登山口の中央には筑波山神社が位置しています。
日本百名山の中ではもっとも標高が低いため、前述のとおり比較的登りやすいのが大きな魅力です。
今回はケーブルカーを利用するコースに挑戦
今回は、山頂連絡路を通ってトレッキング感覚で気軽に山頂まで登れるハイキングコースを紹介します。
女体山と男体山とを結ぶコースで、ケーブルカーを利用しつつ山頂へと登っていきます。具体的には、ふもとの宮脇駅から筑波山頂駅までケーブルカーで向かい、筑波山頂駅から山頂連絡路を歩いて、女体山山頂(標高877m)を目指します。
また、筑波山には「自然研究路」という、男体山山頂付近を一周するハイキングコースもあります。こちらはその名の通り自然観察に向いているコースなので、子連れの方や写真を楽しみたい方、植物に興味がある方におすすめです。
筑波山には、ほかにもいくつか登山コースがあります。距離が長い白雲橋コースや、標高差が大きい御幸ヶ原コースなどです。これらは、筑波山の中では険しいコースと言えるでしょう。
初心者必見!筑波山の登山に必要な装備
「登山用の服や道具を持っていなくて、なかなか登山にチャレンジできない」という人も少なくないでしょう。
とはいえ、筑波山は標高が低くて登りやすいため、手持ちの持ち物を活用しながら挑戦できます。ここからは、筆者が実際に筑波山へ登山をした際の服装や持ち物を紹介していきます。
服装
ケーブルカーに乗るとはいえ山頂まで岩場を歩くため、筆者は登山靴・登山用ズボン・ベースレイヤー・ミドルレイヤーと一般的な登山スタイルで向かいました。
低山とはいえ、かかとのないサンダルはおすすめしません。登りやすい山でも万が一のことがあるため、動きやすい服装・歩きやすい靴を揃えておきましょう。
持ち物
筆者が登山をした日は気温35℃に近い日だったので、飲み物だけでなく塩分をチャージできるタブレットも持って行きました。
そのほか、日焼け止めやタオル、モバイルバッテリー、行動食など、外を歩くのに必要なものをリュックに入れました。
実際に筑波山に登ってみた!
1.まずは筑波山神社にお参り
筑波山は、駐車場や最寄りのバス停からすぐに筑波山神社に入ることができます。
階段を上ると、広い境内と厳かなたたずまいの拝殿が見えてきます。
賽銭箱の横には、お祓いなどで使われる大麻(おおぬさ)が立てかけてあります。神社でよく見る木の棒に白い紙(紙垂)がついているものです。
大麻を使って登山の安全祈願ができるようになっているため、はじめて入山する際はお参りしてみるといいでしょう。
筑波山神社の左手には、ケーブルカーの駅の案内があります。境内から階段を5分ほど上ると、ケーブルカーの駅に到着です。
2.快適なケーブルカーの旅
ケーブルカーに乗るまでに汗だくになってしまった筆者でしたが、ケーブルカーの車窓からは心地よい風が吹いてきて、すぐに涼しくなりました。
山の中を走るケーブルカーの速度は約12.6kmだそうです。
走行距離は約1.6km、走行時間は約8分間とあっという間に到着します。
道中ではケーブルカー同士がすれ違ったり、トンネルを通ったりするので、変化する景色を楽しみながら山頂駅を目指せます。
3.あっという間に山頂駅到着
筑波山についての車内アナウンスに聞き入っていると、すぐに筑波山頂駅に到着します。
出発地点からの標高差は約500mのため、筑波山頂駅は出発地点よりもずっと涼しい気温です。まさに避暑に最適。
筑波山頂駅からは、筑波山の北と南の景色が見渡せます。
広大な関東平野を一望でき、コンディションがよければ富士山まで見えるそうです。筑波山頂駅についた瞬間に最高の眺望が楽しめますよ。
4.筑波山頂駅から女体山へ
景色を堪能したら、いよいよ標高877mの女体山の山頂を目指します。
筑波山頂駅からは約15分程度で山頂までたどりつけます。
距離は短いものの岩場や木の根っこが多い道を進んでいくので、動きやすい服装や登山靴だと安心です。頑張って山頂を目指しましょう。
筑波山全体を通して、このような岩場を上り下りする道が多くあります。特に雨が降った後で濡れている場合はよく滑るため、注意して進みましょう。
また、筑波山にはいわゆる「奇岩」と呼ばれる巨石が多く存在します。
巨石にはどんなご利益があるかも書かれています。チェックしてみるのも楽しいですよ。
5.山頂到着!
歩くこと15分、最後の階段を上ると山頂に到着です。
山頂はゴツゴツした岩場で足元が悪いため、最後まで気を抜かないように気を付けて進みましょう。
女体山の山頂からも、関東平野を一望できます。
山頂からは筑波山ふもとの田園風景、都心の高層ビルの面影、さらには霞ケ浦まで見ることができます。
霞ケ浦は琵琶湖に次ぐ全国2位の大きさを誇る湖であり、筑波山から眺めるとまるで海が広がっているかのようです。
6.女体山山頂を楽しんだら帰り道へ
女体山山頂の景色を楽しんだあとは、ケーブルカーの駅まで来た道を戻ります。
筑波山は四季折々の植物も見どころの一つで、夏の時期はヤマユリが見られました。筆者が登った時、山頂駅ではユリの強い香りが漂っていましたよ。
そのほかにも、コバギボウシも見られました。植物観察をしながら帰り道を楽しむのもいいですね。
7.筑波山頂駅で休息
筑波山頂駅のあたりは広場のようになっており、休憩用のベンチや景色を眺められる望遠鏡、そして多くの売店・食事処があります。
食事処ではうどんやラーメン、丼ものなど、さまざまなメニューを楽しめます。加えてスイーツも充実!ソフトクリームにアイス、夏季限定のかき氷なども販売されており、どれにするか迷ってしまうほどです。
さつまいもの産地の茨城らしい「おいもパラダイス」というスイーツもありました。
筆者は、夏季限定ということで、かき氷を注文してみました。
なお、生ビールなども販売されています。「山での1杯!は相当おいしく感じられるんだろうな…」と思いつつ、車で来た筆者は諦めました。
老若男女みんなが楽しめる筑波山
筑波山は、ケーブルカーのほかロープウェイもあるため、様々な手段で気軽に山を楽しめます。
もちろんケーブルカーを使わずにふもとから歩きで山頂を目指すコースもあり、初心者でもチャレンジは可能です。
「登山に挑戦したいけれど、なかなか踏み出せない」という方に、筑波山はぴったり。はじめの一歩として、日本百名山の一つである筑波山に挑戦してみてはいかがでしょうか?