「ゴミ0生活を目指すには、生ゴミを減らすことも重要な課題のひとつ」と清掃団・団長のマシンガンズ・滝沢。今回は野菜くずの再生栽培に挑戦。夏休みの自由研究にぜひ!
お笑い清掃団のリボベジ・チャレンジ
清掃団・ハンドメイド部
こじらせハスキー・橋爪ヨウコ
サッカー歴27年のスポーツ芸人。ぐんま特使。愛車ハーレーダビッドソンで旅に出かけるバイクYouTube《ようこそ!づめちゃんねる》を定期アップ中。
清掃団・自給自足部 まりんか
サーカスで数年ピエロをやっていた経験を活かし大道芸ネタで人気に。登山やキャンプ、絵画好きで、自給自足暮らしを目指すピン芸人。
清掃団・団長
マシンガンズ・滝沢秀一さん
芸人活動の傍らゴミ収集員としても活動。プロの目でゴミ問題を発信し続け人気に。環境省のSDGs関連の広報大使に就任。著書に「ゴミ清掃員の日常」など多数。
リボーンベジタブルとはなんぞや
最近、SNSで話題の再生野菜「リボーンベジタブル(リボベジ)」。ゴミとして捨てがちな野菜の切れ端を利用し、庭やベランダがなくても手軽に楽しめる再生栽培だ。
栽培方法はじつに簡単。用意するのはスーパーで売られている野菜の芯や、普段捨てている根っこの部分。これを水につけたり土に埋めるだけで、びっくりするほどよく育つ。
「本当に野菜くずが再生できるの?」と半信半疑の本誌編集スタッフ。ならば、「私たちが実証してみましょう!」と、清掃団きっての倹約家〝こじらせハスキー・橋爪ヨウコ〟と、自給自足生活を目指す"まりんか〟がリボベジにチャレンジした。
今回使用したのは、キャベツ、コマツナ、ニンジン、ダイコン、セロリの野菜くず。キャベツとセロリの芯はプランターの土に埋めて観察。コマツナ、ダイコンは水につけて、ある程度葉っぱが伸びてきたらプランターで育成。ニンジンは水耕栽培で葉の部分を育ててみた。
すると2日後「葉っぱが出てきた!」 1週間後「ひ~っ! 根っこが生えてる!」とみんなのテンションはMAX!
野菜はほかにもネギやチンゲンサイ、サニーレタスなどが再生可能。その一方で、暗室・殺菌室で育てるカイワレダイコンなどのスプラウト系植物は、衛生面でリボベジには向かないので注意したい。
「再生栽培のコツは水やり。水耕栽培の場合は毎日水を替えることが重要です。水質が悪くなると野菜が傷んで再生できません。プランター菜園は水が多すぎると根が腐ってしまうので、土が乾燥してきたら適度に水を与えましょう」(滝沢さん)
また野菜くずの再生は基本的に1回のみ。食べられる量が少ないので、収穫ごとに冷凍保存してストックしておくと、料理に使いやすい。
水耕栽培は生長が悪いので、観賞用のキッチンインテリアにしたり、子供と植物の生育を観察したりすると楽しい。
「リボベジは家計の節約になって、生ゴミも減らせる無駄のないSDGs。何よりも楽しいってことが一番ね」(橋爪ヨウコ)
「植物の生長を間近で見れて、驚きの連続。夏休みに挑戦してみてください!」(まりんか)
リボベジ・チャレンジドキュメント
キャベツ、コマツナ、ニンジン、ダイコン、セロリの野菜くずを育ててみたら、1~2週間で再生! やっぱり植物は、恐るべしです。
キャベツ
キャベツで普段捨てている固い芯を、葉の部分を上にして土に埋める(埋める深さは芯の1/3程度)。2~3日は毎日多めに水やりを。
↓
土に埋めて1週間ぐらいで根が出て芯の隙間から葉が生えてくる。あとは土が乾いたら水をまく。2週間もするとご覧のとおり!
コマツナ
コマツナの根の部分を水に浸け(2~3日程度)、中心部から新葉が出てきたら、プランターに植え替える。
植えて1週間ほどで根がつき、立派なコマツナに再生! 古い葉は傷んでくるので取り除く。
ニンジン
ニンジンのへた部分を水に浸け、日当たりの良い場所で栽培。葉は大きくならないので料理の飾りや観賞用に◎。
ダイコン
ダイコンのヘタ部分を水につけて水耕栽培すると、2~3日で新葉が生育。土に植えると葉の生長も向上。
セロリ
セロリの根の部分を土に植えると1週間ほどで新葉が生長。気象や水分条件が良いと約2週間で根がつき再生。
野菜くずでスローフード
リボベジ・ストック
収穫した野菜を塩で漬けておにぎりの具材に。
リボベジで栽培した野菜を収穫したら細かく刻んで冷凍庫で保管。量が増えたら料理の具材として利用すると便利。
リボベジ以外の野菜くずの利用方法
栄養満点! 野菜くずスープ
植物の根や芯などは栄養価が高いので捨てずに利用。色々な種類の野菜くずをスープにしてミキサーで攪拌しポタージュに。
※構成/松浦裕子 撮影/茶山 浩
(BE-PAL 2023年8月号より)