夏は、ぬか漬けを楽しむ季節
我が家の食卓に欠かせないものになったぬか漬け。色鮮やかで目にも涼しげなぬか漬けは夏のごちそうです。初夏に加えた山椒の実は、ぬか床に爽やかな風味を加え、我が家の味に馴染んでいます。夏野菜のぬか漬けを数種類、彩りよく器に盛れば、ごはんのおかずやお酒のおつまみとしても立派なひと皿になります。
ここでは、夏のぬか漬けにおすすめの野菜のおいしい漬け方から、旅行や帰省など、外出時のぬか床の管理方法について紹介します。
夏野菜のぬか漬けは、オリーブオイルをかけても美味
夏野菜のおいしい漬け方
夏に限ったことではありませんが、ぬか漬けをおいしく漬けるときに最も大切なのは、新鮮な野菜を使うこと。野菜はきれいに洗い、しっかりと水けを取り除いて、野菜ごとに最適な下処理をします。あとは自分好み、家族好みの漬かり具合を見極めるだけ。
夏におすすめの野菜と野菜別の下処理方法
夏におすすめのぬか漬けに合う野菜を厳選して紹介します。
- 新ショウガ:きれいに洗って適当な大きさにカットし、様子を見ながら2〜3日を目安に漬けます。
- オクラ:塩で板摺りし、水洗いしたものを半日から1日を目安に漬けます。
- みょうが:根元に、深めに十字の切り込みを入れて1日を目安に漬けます。
- ズッキーニ:両端を切り、縦半分にして、そのまま、または半分くらいにカットし、1日を目安に漬けます。
- パプリカ(ピーマン):縦半分に切り、ヘタと種を取り除き、そのまま、または適当な大きさにカットし、1日を目安に漬けます。
- プチトマト:爪楊枝で2〜3箇所つぶれない程度に穴をあけ、やさしくそっと埋めます。1〜2日を目安に漬けます。
ウリや青パパイヤもぬか漬けに
ウリや青パパイヤは皮は剥かずに両端を切り落とし、縦半分にし、種をスプーンでこそげ取り1日を目安に漬けます。
そのままでも、軽く天日干しにしても
ウリ科のきゅうりやズッキーニ、カボチャなどは、天日干しにするのもおすすめです。生野菜で漬けたときとは、ひと味違う食感や味わいが楽しめます。干す時間は数時間でOK。
水分の多いもの、香りの強いものは個別に
2〜3日から1週間以上の外出時のぬか床の管理方法
数日から1週間程度なら冷蔵庫
2〜3日程度であれば、そこまで神経質にならずに、そのまま冷蔵庫に入れて保存します。
1週間程度の外出は、ぬか床の表面をラップで覆い、空気にふれないようにして冷蔵庫で保存します。
1週間以上なら冷凍保存
1週間以上の外出時は、ぬか床を冷凍保存します。ぬか床内の野菜はすべて取り除き、よくかき混ぜたぬか床をフリーザーバッグや食品用のビニール袋に移し、空気をしっかり抜いて冷凍庫で保存します。再開するときは、常温で自然解凍し、保存容器に移してそのまま発酵を促します。外出するタイミングでぬか床容器をきれいに洗いましょう。ぬか床の大掃除になります。
ぬか漬け生活をちょっとお休みしたいときにも冷凍保存
以前は、ぬか床を冷凍保存するのに抵抗があったのですが、冷蔵保存でダメにしてしまったことが何度か続き、冷凍保存するようになりました。ぬか漬けをお休みしたいときにも冷凍保存がおすすめです。
夏に起こりやすいぬか床事情
ぬか床表面に白い膜
連日暑い日が続き、かき混ぜる回数が少なかったり、常温で保存しているとぬか床の表面にうっすらと白い膜が張ります。これは産膜酵母と呼ばれる酵母の一種。カビではありませんので、よく混ぜ合わせれば問題ありません。ただ香りもきつくなるので気になる場合は取り除いてもかまいません。
ぬか床が水っぽくなった時の対処法
1.乾燥野菜を加える
野菜の水分を吸ったぬかは水分量が増えて、ゆるくなってきます。水分が多めでも味自体がおいしければ、すぐに対処する必要はないと思います。ぬか床の水分が多いと感じたときは、まず乾燥野菜(切り干し大根など)を入れて様子をみます。
2.足しぬかをする
乾燥野菜を入れてもまだ水分が多ければ、足しぬかをします。足しぬかをしたら、2〜3日程度は、野菜を入れずに様子をみます。この間は、ぬか床をかき混ぜず、良い菌が増え、育つのをじっくり待ちます。
3.水抜きをする
ぬか床から出た水分の多くは、野菜から出たもので、野菜の栄養分が含まれています。できる限りこの水分は利用したいので、水取り器を使うのは最終手段。まずは乾燥野菜を加えて、次に足しぬかして水分調整をするようにしています。
逆に水が足りていないときは、ツンとしたシンナー臭がします。これは足しぬかの入れすぎなど、水分不足が考えられます。水分が多いキャベツなどの野菜を入れて対処します。
その他、夏場は発酵が進みすぎてぬか漬けが酸っぱくなる傾向があります。「酸っぱく感じる」「シンナー(アルコール)臭がする」「野菜がしゅわしゅわする」などの対処法については、以前の記事、『ぬか床に山椒の実を加えて、初夏の手しごと』を参考にしてみてください。