広島県江田島市に「Hawk Nest Family Village」というキャンプ場を個人でオープンしたコージさん。キャンパーが心地よい時間を過ごすため、キャンプ場オーナーは日々どんなことを考え、どのような活動を行っているのか。キャンプ場運営の裏側の1週間をお届けします。最終回となる第7回の日曜日は、キャンパーのお客さんが楽しく過ごされる陰で行うデスクワークです。
第1回目・キャンパーが快適な時間を過ごすための日々の準備とは【キャンプ場オーナーの1週間[月曜日]】
第2回目・猛暑の中で草刈りと熱中症対策を【キャンプ場オーナーの1週間[火曜日]】
第3回目・キャンプ場の敷地外も整備を行う理由とは【キャンプ場オーナーの1週間[水曜日]】
第4回目・取材を通じてキャンプ場の魅力を発信する意義【キャンプ場オーナーの1週間[木曜日]】
第5回目・週末に備え、木々と向き合う1日にする【キャンプ場オーナーの1週間[金曜日]】
第6回目・キャンプ場が一番活況を呈す1日【キャンプ場オーナーの1週間[土曜日]】
目まぐるしい1週間に思うこと
日曜日は、昨日からのお客さんが徐々に帰って行かれます。チェックアウトの手続きは特にない旨は、案内にも記載しています。スッとお帰りの方もいらっしゃるし、チャイムを鳴らしてご挨拶下さる方、あるいは事務棟ロッジのドア横のメッセージボードにお礼を記入くださる方もいらっしゃいます。
みなさんに笑顔で帰っていただき、また来ていただくこと。これが目指す姿です。
お客さんがいらっしゃる時間は 外での作業は基本的に出来ないので、日曜日は朝からロッジの中で主にデスクワークを行います。
- ご来場者データ更新
日々のご来場データを、カテゴリー(ソロ・ペア・ファミリー・グループ・デイキャン)、および性別・子供の分類、オプション販売数で入力し、日々の売上も計算されるようにEXCELで組んでいます。もちろん月別やカテゴリー別のグラフも自動生成されます。
単純に「これをやったから売上が伸びる」ということはないですが、データがきちんと分析できるように積み重ねておけば、数値やグラフは経営側が何をすれば良いかを語ってくれます。会社勤務時代もそうでしたが、今のこのちっぽけな個人事業でも同じだな、と感じています。 - 会計管理
事業側と、生活側両方ともカテゴリー別に分類し、日々の会計を入力しています。月別の比較や前年比もわかるようにし、かつ、抑制できる部分も見えるようにしています。
今はまだこの小さな事業を立ち上げて日が浅いので、今後の持続的な規模の確保のため、広告宣伝費と、消耗品(実際は施設拡充のための経費)を強めにかけており、損益上は苦しい数値に見えるが、いざとなれば抑えるべき部分はここだ、というのも見えています。 - 決算用データ蓄積
この事業は青色申告にしており、帳票も8種での管理が必要となり、事業規模の割には手間の掛かる管理になっています。独力でやっており、当初はいろいろ調べながら手探りで管理形式を積み上げてきました。決算として正しい計上になっているのか、これも税務署に直接確認。当初は税務署に行って相談をしようとしていましたが、ちょうどコロナ禍の時期でもあったので、いったん入力してください、とのアドバイスもらい、e-Taxに入力。それを税務署でチェックしてもらい、のちに修正点など連絡頂きながら決算確定させていきました。 各帳票は、ひとつのEXCELファイルの中で各シートにし、必要な個所はデータ連携させるなど、独力でデータを構築していったもの。以前の職務は経理関連ではなかったし、個人事業としてもドシロウトだったため、ほんとうに難しかったのですが、なんとかデータ管理運用も構築できたかな、と思っています。各シートは年一回の決算時に入力すれば良い箇所もあれば、毎月であったり、都度入力が望ましい箇所もあります。なお、各口座については、ネットで見れる状態にしておくと、常に今の状態が見られるので良いです。
こんなデスクワークも、このちっぽけなキャンプ事業を存続させるためには必要な業務なのです。
さて、こうして1週間の中でいろいろなことをやってきました。もちろん、ある1週間、として記載したので、週によっては内容が違う部分もあります。
キャンパーの方々に楽しんでいただけるよう、キャンプ場側での運営・管理・整備がこのように行われていることも、知っておいて下さると、キャンプ場を愛していただける側面になりうるかな、と思っています。また、ただ漫然と毎週1週間の仕事をこなすだけでなく、長い目で考えて、キャンパーのみなさんが当地でくつろいでいただくために更にどんな手を打つべきか、などの視点を持って、改善や進化させる部分を今後も考えていきたいと思っています。
今日も瀬戸内海が夕陽に輝き、遠く対岸の広島港が美しくきらめき始めました。日々平穏に、夕刻のビールがおいしいひとときが今後も続きますように!