日本各地に存在する郷土料理。その土地に合った調理方法や味付けで、文化や食生活に根付いています。
その中でも、私が住んでいる山形県では「芋煮」という屋外で食べる郷土料理があります。秋から冬の芋煮シーズンになると河原や庭先などでアウトドアの一環として、家族や友人と楽しんでいる姿をよく見かけます。
なぜ芋煮はアウトドアにマッチするのでしょうか。
作り方を紹介するので、ぜひキャンプ飯のレパートリーのひとつに入れてみてください。
そもそも芋煮とは?
芋煮とは、里芋・ネギ・牛肉あるいは豚肉などの食材を大鍋で調理する東北地方の郷土料理。
これを囲んで食べる行事は「芋煮会」の愛称でも親しまれており、屋外でわいわいと楽しみながら食べられているソウルフードです。
宮城や山形ではアウトドアの定番!
宮城県や山形県ではよく食べられており、その味付けは地域ごとに異なります。
宮城県では味噌味がベースで豚肉を使用するのが一般的。対して、山形県では醤油味がベースで牛肉を使用します。山形県でも一部地域では味噌で味付けをしているところもあるようです。
同じ芋煮でも、地域によって全く違う味になるのがまた面白いところです。
その魅力は「手軽さ」と「おいしさ」
そして、芋煮の魅力といえば、まずはその手軽さ。
実は、芋煮はとても簡単に作れる上に、難しい調理技術が必要ありません。初心者の方でも気楽に作ることができますよ。
調理器具も鍋があればOKなので、少ない荷物で楽しみたいキャンプにもおすすめなわけです。
作り方が簡単とはいえ、芋煮の味は抜群!「手軽に作れるのにおいしい」というところがキャンプ飯にピッタリで、みんなで楽しめる料理です。
キャンプで作る芋煮の作り方
今回は私が好きな山形芋煮のレシピを、冷凍里芋を使った手軽なキャンプ飯バージョンで紹介していきます。
材料(2名分)
- 里芋 150g(一口大にカット)
- ねぎ 1本(ななめ切り)
- 牛肉 100g
- しめじ 50g
- 水 400ml
- 砂糖 20g
- 醤油 25ml
- 料理酒 10ml
里芋は一口大に、ねぎはななめ切りにカットしておきましょう。牛肉は切り落としだと、そのまま鍋に入れられるのでおすすめ。
山形芋煮は醤油ベースで甘めの味付けになります。お好みで砂糖を増減したり、みりんを入れたりしても良いでしょう。
キャンプ飯として作る時になるべく荷物を減らしたい場合は、料理を用意しなくてもOK。使わなくても十分おいしくできあがります。
大人数用で本格的に作りたい場合は、こんにゃくや舞茸などのキノコ類を追加で入れると、グッと旨味が増すのでぜひお試しください。
ちなみに、今回は時短のために皮を剥いて冷凍された里芋を使用しました。クーラーボックスに入れて持っていくとちょっとした保冷剤代わりにもなり、料理を始める頃には解凍されているので便利です。
作り方
1.水と里芋を火にかけて沸騰させる
食材の準備ができたら、水を入れて火にかけます。その時に里芋を一緒に入れておくと、しっかりと火が通り時短になります。
2.牛肉、しめじ、ねぎを入れる
沸騰したら残りの食材を全て入れ、火を通します。シャキシャキのネギが好きな方は、最後に入れると食感が残ります。
この時、アクが気になるようであれば取り除いてください。
3.調味料を入れる
調味料を全て入れ、軽く混ぜ合わせて全体的に煮込みます。
山形には芋煮によく使用され、絶大な人気を誇る「味マルジュウ」というだし醤油があります。今回はせっかくなのでこちらを使用してみました。
4.完成!
食材に味が馴染んだら完成です。できあがりまでの所要時間はざっと15分ほど。
あとは器に盛り付けるのもよし、そのまま鍋で食べるもよし、キャンプ芋煮の楽しみ方は自由で無限大です。
さて、そのお味は…!?ダシの効いた汁に、ねっとりとした里芋と牛肉やキノコの旨みが絡み合う、絶品の味わいでした。
汁物が嬉しいこれからの季節にぴったり
9月に入ってくると、芋煮に欠かせない里芋の収穫が少しずつ始まります。
今回はキャンプ飯ということで手軽さを考慮して冷凍の里芋を使用しましたが、秋頃になるとスーパーなどに並ぶ旬の里芋を使えばもっとおいしくなるはずです。
だんだんと寒くなる秋キャンプや、あったかいものが欲しくなる冬キャンプにも相性が良い芋煮。地方の郷土料理とキャンプ飯の組み合わせ、これからの季節にぜひお試しください。