国産車ベースの質の高いキャンピングカーを数多く製造
群馬県に拠を構えるフィールドライフは1991年創業のキャンピングカービルダー。2000年にフルコンバージョン「プラッツ」を発売し、2010年には三菱ふそうの「ローザ」をベースにしたセミフルコンバージョン「シリウス」を発表。マイクロバスのフロント部とシャシーを残して高断熱ボディのシェルを搭載したモーターホームは輸入車ではなく国産車ベースという新たな価値を生み出し大きな話題となりました。
そんな同社は「コング」や「ココ」シリーズといった軽バンコンをはじめ、タウンエースバンベースのバンコン「ロビー」、さらにはシリウスと同様に高断熱のパネルボディを採用した超豪華軽キャブコン「バロッコ」など、豊富なオリジナルモデルを製作・販売しています。
今回は発売されたばかりのダイハツ・アトレーをベースした新型軽バンコン「ヴィータ」を紹介したいと思います。
個性的なレイアウトにより軽バンベースとは思えない空間
ヴィータの車名の由来はラテン語で「暮らし、生活、人生」から。新しいカーライフを送ってもらいとの想いから命名されたとのこと。車両の開発コンセプトは「フロアに足を下ろしてくつろげる軽バンコン」からスタート。ベッド展開をリビング代わりにするのではなく、しっかりと足を下ろせることに注力したそう。そのために、セカンドシートの片側をあえて廃して乗車定員を3人にし、横座りの大型サイドソファを右側に搭載するという斬新なレイアウトを実現しました。
さらにポップアップルーフも標準装備し、ルーフを上げれば軽自動車とは思えない開放的な室内空間を実現。これなら就寝定員である3人でもリビングのソファで3人並んでゆったりとすることができます。
装備面・快適性も妥協なしの作り
荷室左側にはキャビネットと上部収納庫を搭載。キャビネットにはシャワーヘッド付きとコンパクトなシンクを搭載しており、洗面やちょっとした洗い物ができるほか、脱着式テーブルを連結させれば食事や仕事などにも使える設計。さらにキャビネット下部にはLED間接照明があり、足下をさりげなくムーディーに照らしてくれるのも高ポイント。
取材車両にはオプションの19インチテレビモニターとスタンドも装着されていて、ソファに座りながらテレビも楽しめる設定でした。収納はこのキャビネットや収納庫以外にもソファ下が大型スペースになっており、電装システムのほかに車中泊の荷物もきちんと整理整頓できるようになっています。
このように細かい部分を見てもユーザーの視点でしっかりと作られており、質感の高さも相まって軽キャンパーとは思えないほど。ほかにも、FFヒーターや引き出し式冷蔵庫、断熱インナーテントなどのオプションも充実。旅のスタイルに合わせてシステムの拡張ができるのもうれしいところ。
フロア部のベッド展開はソファ部分の背もたれをキャビネットにあるフレームに載せるだけと楽々。こちらもマットの組み合わせによりベッド長を160cmもしくは180cmでセットができるようになっていて、160cmならフロントシートをスライドさせる必要もなし。
もちろんポップアップルーフ内には2人就寝ができるようになっています。
ベース車のアトレーはターボエンジンを搭載しているので、架装によるパワー不足はほぼ感じません。通勤や買い物などファーストカーとしても使え、旅でも活躍する軽キャンピングカーを探している人にはお薦めの1台といえるでしょう。
価格は378万4000円〜。
(問)フィールドライフ