国内でも有数の積雪量を誇る雪国・山形県。筆者はそんな雪深い地に移住をして、四季を体験しました。
「雪国」と聞くとどうしても雪や冬のイメージが先行しますが、真逆の季節である夏はどうなっているのか気になりませんか?
今回は、雪国における“夏のリアルな日常”をお伝えしていきたいと思います。
特徴1:涼しいと思いきや…しっかり暑い!
「雪国は、暑い時期になると涼しくて過ごしやすい避暑地のようになるのでは?」と想像する方もいるはずです。でも、実際のところは違いました。
実は超暑い山形県の夏
私が住んでいる雪国・山形県の平地は、気温が上がりとても暑くなります。8月は最高気温が36℃以上の日もありました!
中でも、県庁所在地である山形市は、過去に40.8℃を記録したこともある“あついまち”として知られています。これは、かつての国内最高気温でもありました。
山形県は「山形盆地」と呼ばれる細長い形をした盆地が広がっており、四方を山で囲まれている特徴があります。そのため、実はあたたかい空気がたまりやすいのです。
個人的な感想は「暑いけどカラッとしている」
気温自体は高いですが、体感温度は都心部と少し違うようにも思います。
あくまで私の主観ですが、都心部では肌にまとわりつくような「じっとりとした暑さ」を感じていたのに対し、山形県では「カラッとした暑さ」を感じます。
私の住んでいる地域は高いビルなどがないため、太陽光が直接降り注ぐことも関係しているのかもしれません。直射日光はとても暑いですが、過ごしていて不快感が少なく、個人的には心地の良い暑さ。もちろん、日焼け対策は必須です。
特徴2:山形県に根付く独自の「冷やし文化」がある!
“あついまち”では、昔から暑さを乗り切るための工夫が考えられてきたそうで、山形県独特の文化が色濃く浸透しています。
特に「冷やし文化」と呼ばれるものが発展しており、地元の人々の中では定番に。“冷やし”を取り入れた名物がいくつかあります。
(1)冷たい肉そば
山形県で特にメジャーなのが「冷たい肉そば」!少し甘めの出汁が効いた冷たい汁に、太めのそばと鶏肉がトッピングされたメニューです。
県内には有名店もたくさん!観光客が訪れたり、お土産として購入されたりと人気です。
(2)冷やしラーメン
令和4年の総務省「家計調査」における中華そば外食費のデータによると、山形県の消費量は日本一!
全国でも屈指のラーメン大国である山形県では、「冷たいそばがあるなら、ラーメンも」ということで、冷やしラーメンが誕生しました。
出汁の効いた冷たいスープにもちもちの中華麺が入っており、お店によっては氷が入っているところもあります。
食欲がなくなりがちな夏でもサッと食べられるので、昼食などでよく食べられています。私も多い時で週に3〜4回食べていた時期がありました。
(3)冷やしシャンプー
県内の美容室や理容室では、夏限定で清涼感のあるシャンプーを冷蔵庫や氷などで冷やして提供しています。
その名も「冷やしシャンプー」。ご当地冷やしアイテムとして知られ、シャンプーをすると頭がスースーしてとてもスッキリしますよ。
特徴3:川や海など水辺のアクティビティを楽しめる
山形県の良いところは、自然が身近にあること。私の住んでいる地域は山間なので近くに川が流れており、気軽に遊びに行くことができます。
暑い夏は水のあるところに行くと、景色も相まってとても涼しい気持ちに。少し山奥の方に行けば気温はグッと下がり、水も冷たいので避暑地として楽しんでいます。
同じ場所でも冬の景色との差は歴然。夏にしか見られない山の景色も良いものです。
特徴4:野菜や果物が美味しい
夏になると、野菜や果物の収穫も本格化してきます。ナスやトマトなどの夏野菜や、スイカや桃などのフルーツは旬を迎え、地域の販売所などにたくさん並び始めます。
やはり食べ物は新鮮さが一番。採れたての野菜をすぐに食べられるのは、産地ならではの特権です。
雪国・山形県には季節ごとに違った魅力があった!
どうしても冬のイメージが先行してしまいがちな雪国・山形県ですが、夏はまた違った魅力があり、良いところもたくさんあります。
暑さの質の違いや、自然が多くてアウトドアを存分に楽しめるところ、また独自の文化があることなど、実際に住んでみると新しい発見がありました。
移住を検討する際は、その地域が持つ季節ごとの特色をぜひ調べてみてください。想像の枠に収まらない意外な魅力が見えてくるかもしれませんよ。