登山やキャンプをはじめ、アウトドアでは欠かせない防寒ウェア。
しかし、防寒ウェアと一口に言っても肌寒い時期に羽織るものから氷点下の世界に対応するもの、速乾性や軽量性など用途に応じてたくさんのモデルが存在します。
中でもダウンジャケットと化繊ジャケットは、見た目は似ていても異なる特徴を備えた防寒ウェアです。
今回は、防寒ウェアの代表ともいえるダウンジャケットと化繊ジャケット、どちらを着るべきなのか、その選び方を紹介します。
ダウンジャケットと化繊ジャケットの特徴
まずは、それぞれの特徴を比較していきましょう。
ダウンジャケット:軽量コンパクトなのに高い保温力で包み込む!
ダウンジャケットは、アヒルやガチョウなどの水鳥の羽毛をウェア内に封入して作られています。
軽い着心地と優しく包み込むような暖かさが特徴で、晩秋から雪解けの時期まで対応できる豊富なモデルが展開されています。
ダウンジャケットの大きなメリットは高い保温性を備えながらも軽く、コンパクトに収納できるという点です。よって夏に比べてたくさんの道具を持っていく必要がある冬の登山では、防寒ウェアとしてダウンジャケットがよく選ばれます。
筆者は真冬の時期には好んでダウンジャケットを使っており、登山ではテント場で過ごす時や早朝から行動を開始する時に着用。収納袋から広げた時の大きなダウンジャケットを見ると、いつも「これで暖かく休める」と安心を感じ、一度着たら脱ぎたくなくなります。
キャンプでも、椅子に座ってのんびり過ごす時にはいつもダウンジャケットを着ています。キャンプは登山と比べて運動量は少ないため、その場にいるだけで冷えることも。ダウンジャケットの高い保温性のおかげで、億劫になることなく過ごせます。
ただし、雨や雪といった水濡れには弱く、一度濡れると元の状態に戻るのに時間を要するのがデメリット。モデルによっては多少の雪や水を弾く撥水加工が表面生地に施されているので、そのあたりに注目して選ぶと良いでしょう。
化繊ジャケット:保温力に速乾性を備えてメンテナンスがしやすい!
天然素材であるダウンと異なり、化繊ジャケットはポリエステルやナイロンなどの化学繊維を封入しています。ダウンジャケットにない速乾性とメンテナンスのしやすさを備えているのが、大きな特徴です。
化繊ジャケットは水に濡れてもダウンに比べて短時間で乾くため、運動量が多い場面で好まれて着用されます。筆者は化繊ジャケットを登山時のアウターや、中間着にすることがあります。
また化繊ジャケットは基本的に洗濯機に入れて洗えるので、天然素材のため洗濯機で洗えないことが多いダウンジャケットよりもメンテナンスが簡単(自身の化繊ジャケットを洗濯する際は、念のため洗濯表示を確認してください)。
筆者は、軽量の化繊ジャケットを真冬の行動時に着用しています。行動して多少の汗が出ても休憩時には乾くので、汗冷えに弱くドライな着心地を保ちたい筆者にとっては、化繊ジャケットもなくてはならない存在です。
このようにアクティブな活動をする時は化繊ジャケットがおすすめですが、ダウンと比較すると重量感があり収納もかさばるのがデメリットです。とはいえ、最近では化繊の進歩によって収納性も向上されてきました。着心地が良いものも増えてきているので、それらの点に注目して選ぶと良いでしょう。
具体的にはどうやって使い分けるといい?
それぞれの特徴を押さえたところで、使い分け方を整理していきます。
ダウンジャケット:真冬のテント泊やコンパクトなキャンプにおすすめ
軽量で高い保温性が売りのダウンジャケットは、日数が長い真冬の登山や移動を楽にしたいキャンプにおすすめです。
荷物を軽量にすることはバックパックの容量を下げてくれるとともに、より長距離の移動を可能にしてくれます。
キャンプでも移動手段が公共交通機関だったり、マイカーでも積載スペースが限られていたりする場合、冬のウェアだけでもスペースが結構とられてしまうので、コンパクトにまとまるダウンジャケットを選ぶと良いでしょう。
化繊ジャケット:真夏の高所登山や荷物に余裕があるキャンプに
ダウンジャケットに比べてかさばる化繊ジャケットも、保温力を抑えた軽量コンパクトなモデルを選べば、アウトドアの防寒着として活躍します。
冬のキャンプよりも、荷物や他のウェアのボリュームが少なめの真夏の高所キャンプであれば、化繊ジャケットでも十分に対応可能です。
またマイカー移動でスペースに余裕があるキャンプでも、ストレスなく持ち込めます。車両をキャンプサイトまで移動できるオートキャンプにもおすすめです。
荷物の持ち運びに余裕があり、アクティブに動こうと思っている日は、化繊ジャケットを活用しましょう。
ダウンと化繊で暖かなアウトドアライフを
多様なアウトドアアクティビティに対応できる、ダウンジャケットと化繊ジャケット。
それぞれのメリットとデメリットがあるため、登る山、移動手段、日帰りか宿泊かなど、シチュエーションを想定して選ぶことで寒さに悩むことなく自然の中で充実した時間を過ごすことができます。
素材、着心地、防水加工やコンパクトに収納できるかどうかに注目して、ぜひ自分に合った一着を探してみてください。