見晴らしのよい小高い丘に建つ『清澄の里 粟』。遠くに奈良市街を望む。
この秋から、MC FOREST×BE-PALで1年間、畑をやることになりました。その名も「MC FOREST FARMプロジェクト」。現在、「農作業体験をやりたい」という、参加者募集中です!!(詳細は10月号P114にて)どんな野菜を育てたら面白いかな、と考えたときに浮かんできたキーワードが”エアルーム野菜”です。エアルーム野菜とは、「先祖伝来の家財・家宝」という意味を持つ野菜で、アメリカやヨーロッパをはじめ、世界各地でその土地に根ざし、昔から脈々と受け継がれてきたもの。日本で言えば、京野菜、大和野菜、加賀野菜などといった、あまり市場に出回っていない在来種・固定種に当たるものです。
赤い大根や白い人参などがあり、なんといってもその魅力は、味、形、色の多様性の面白さ。調理方法によってもさまざまなニュアンスを楽しめ、一般的なスーパーの野菜に見慣れたわたしたちにとって、とても新鮮に映るものです。
そこで、今回は奈良県で大和伝統野菜のお店『清澄の里 粟(あわ)』を経営しながら、大和伝統野菜のほかに世界のエアルーム野菜も育てる三浦雅之さんにお話を伺ってきました。
店内には見たことのない野菜がたくさんディスプレイされていて、眺めるのも楽しい。
-こんにちは! 早速ですが、エアルーム野菜というものは、具体的にはどういったものなんでしょう?
定義はなかなか難しくて、「50年以上種を採り続けてきたもの」という人もいて、育種家、プランツコレクター、研究者によっても少しずつ見解は異なっています。でもエアルーム野菜イコール在来種・固定種であることは間違いありません。そして、在来種・固定種やエアルームという大きな括りの中に、地域で育まれてきたものや、家族で守られてきたものがあるんです。
-海外と日本との違いなどはあるのでしょうか?
日本で在来種というと”地域で育まれたもの”という意味合いが強いのですが、海外だとトマトや唐辛子などの育種を個人で趣味として作っている人が多いので、その個人から”家族単位で繋いできたもの”という意味合いが強いですね。
-日本人と外国人の性格の違いが現れているようで面白いですね。
文化の違いですよね。そのせいか日本の場合、今のように各地の伝統野菜が注目されるようになってきても、個人の名前を全面に出した野菜ってほとんど無いのですが、イタリアやフランスといったヨーロッパなどではまだ個人での育種の文化が残っているので、「パッチソン・パナッシュ・ジャンヌ・エ・ベルテ(Patisson Panache Jaune Et Vert)」なんておかしな名前のズッキーニがあったりします。これなどはおそらく育種家が自分の名前をつけているんです。
-海外では会社名などでも自分の名前をつけていることが多いですよね。
日本人はそのへん少し奥ゆかしいのかもしれませんね(笑)。
-ところで、三浦さんがエアルーム野菜を育て始めたきっかけはなんだったんでしょうか?
きっかけのひとつになったのは、あるとき、オーストラリアで世界の伝統品種を守っている『シードセイバーズネットワーク』という団体を主宰されているミシェルさん夫妻が日本に来てくださることになり、そのコーディネートをしたのですが、そのときにいくつか種を譲り受けたことです。
-一番最初にもらった野菜の種はなんでしたか?
4種類のトマトだったのですが、そのトマトたちは今も種を繋いで育てています。
日本での一般的なイメージではトマトと言えば赤くてまんまるいものですが、彼らに見せてもらったのは、白くて小さいものとか、黄色くてひょうたん型のものとかで、「なんだろうこれは?」といった、今まで見たことのなかったものでした。
-育ててみてどうでしたか?
ひとことで言えば、バラエティに富んでいるっていうことに尽きるでしょうね。色、形、食感、風味。
日本人は普通生食で糖度が高いものをおいしいと感じる傾向がありますが、ペーストにするとコクがあっておいしいブラックプラムという品種があったり、食べ方もセットなんですよね。
-その国々の食文化も併せて理解することで、野菜の長所が生きてくるというのは大事なことですね。今はトマトで何種類育てていますか?
一時はエアルームのトマトだけで220種類くらいを育てていたこともありますが、その中から、この土地に合って育ちやすく、作りやすくておいしいものだけを残していき、今は22種類。その中から毎年バランスを見て栽培していく感じです。でも、絶対毎年育てているのは、マッツワイルドチェリーと、ホワイトカラントと、ブラックチェリーですね。これらはおいしくておいしくてたまらないので!
(後編に続く)
在来種・固定種を繋いでいくこととエアルーム野菜の魅力についてお話してくれた三浦さん。その語り口からも、エアルーム野菜が土地に根付いていくことの面白さと、純粋においしいものを食べることの豊かさが伝わりました。
インタビュー後編では、エアルーム野菜を育てる意味や楽しみ方について伺っていきます!
<文=磯木淳寛>
第1回 ~エアルーム野菜について学ぼう~
種まき体験&バーベキューランチ
日程 2014年10月25日(土)
場所:農園リゾート「THE FARM」
千葉県香取市西田部1309-29
TEL:0478-70-5551
*MC FOREST(東京都千代田区丸の内)から農地(千葉県香取市)まではバスで送迎。
(8時頃集合、17時解散予定)
定員 40名(ひとりでも、グループ、家族でも参加できます)
参加費:大人(中学生以上)3,000円
子供(小学生)1,500円
●申し込み方法
E-mail,FAX又はハガキに以下の項目をご記入いただき、事務局までお申し込みください。
◆記入項目
E-mail、FAX、ハガキともに件名に「10月25日 MC FOREST FARM申し込み」と記入のうえ、①代表者氏名(ふりがな)/性別/年齢 ②郵便番号/住所 ③電話番号/FAX番号 ④E-mailアドレス ⑤同行参加者全員の氏名(ふりがな)、性別、年齢を記載し、ご応募ください。*件名含め、必要事項をすべて記入していない場合は、受付できない場合があります。
◆申し込み締め切り
E-mail、FAX、ハガキともに10月7日(火)必着有効。抽選の上、10月14日(火)ごろまでに当落通知と当選者には詳しいインフォメーションをお送りします。
*携帯電話のメールなどでお申し込みの方は、事務局メールアドレスの受信を許可・登録をしておいてください。事務局より送信できない場合は参加不可とさせていただきます。
●申し込み先
〒150-0011 東京都渋谷区東1-13-4 MATビル102
有限会社ビーネイチャー内 ビーパルイベント事務局あて
FAX 03(6450)6482 (平日10:30~17:30)
メールアドレス:be-pal@be-nature.jp
*お申し込みの際の個人情報は、今回の企画に関するご連絡をはじめ実施運営に必要な範囲で利用し、その他の目的では利用いたしません。お客様のハガキ、FAX、データは本企画終了後速やかに断裁、消去し、6か月を超えて保有することはありません。*参加申込書にて今後のお知らせ送付を希望した方を除く。
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