2023年8月18日(金)から20日(日)の3日間、東京ビックサイトにて開催された「WOOD COLLECTION 2023 JAPAN ReWOOD」。
国産木材の利用促進の重要性に着目し、全国の地域材の紹介と企業マッチングを目的とした商談型展示イベントとして昨年にスタートし、今回は2度目の開催となりました。
展示会は入場無料。商談型展示イベントとはいえ、一般の来場者が楽しめるコンテンツも盛りだくさん。
今年はより多くの人に木の魅力を知ってもらうべく、「触れて楽しむ!木のワンダーランド」をテーマに“木に触れる”“木の香りを楽しむ”など、五感で日本の木の魅力を体験できる様々な展示、ワークショップ、ステージイベントなどが行われました。
見る、聞く、触れる、味わう、嗅ぐ!五感で楽しむ木の魅力
前述のとおり、会場ではビジネス以外の一般来場者を意識し、五感で木の魅力を体験できる仕掛けを用意。
会場内を「見る」「聞く」「触れる」「味わう」「嗅ぐ」の5つのゾーンに分け、日本の木の魅力を知ってもらうだけでなく、体感できる様々なコンテンツは大人でも新鮮な学びを得られました。
そのため、初日の金曜日は平日でしたが、夏休みのおでかけ先として家族連れの来場者がオープン直後から訪れ、ワークショップも大人気に。
こだわりが詰まった「木のアウトドアサウナ」に注目!
アウトドアシーンで続くトレンドの1つが、サウナ。今回の出展でも国産木材を使ったアウトドアサウナを複数発見。各企業が、こだわりのサウナを展示していました。
どのアウトドアサウナもすぐに手が出せる金額ではありませんが、実際に中へ入って体験することで、リラックスしながら木のある生活を想像できました。
秀建「LOG SAUNA」
2023年6月に発表されて以来、展示会初出展となったのがこちら。
メーカーの秀建(千葉県)は「かるまる池袋」「COCOFURO かが浴場」「両国湯屋 江戸遊」など日本全国の温浴施設の設計や施工を担当してきた企業。
今回展示された「LOG SAUNA」はサウナルームになるログハウスをキットにして販売するというもの。国内工場でかが杉をプレカット加工し、購入した人が自分で組み立てる仕様です。
ログは丸ログまたは角ログ、ノッチはラウンドノッチまたはダブテイルノッチ、ベンチも標準はフラットベンチですが、オプションでウェーブベンチを選択できます。
価格は198万円(税込)、基礎工事・屋根杉などは別途となります。現在は関東・中部・近畿地域限定販売ですが、今後は対象地域を順次拡大予定だそうです。
LOG SAUNA
https://shuken-product.jp/logsauna/
フォレスト西川「バレルサウナ」
埼玉県飯能市のフォレスト西川が出展していたのは、大きな白木のバレルサウナ。
首都圏の2大林業地である埼玉県西部の西川材と東京都西部の多摩産材をふんだんに使用。サイズは直径1.8mと直径2.1mがあり、全長2.4mと2.7m、材種を杉または桧(ひのき)から選べます。
価格は杉製の直径1.8m×全長2.4mのもので89万2100円(税込)。
もともとは保育園の家具や遊具などを手掛けており、子どもたちに木と触れ合う機会を作る「木育」を提唱している企業です。木の温もりにこだわりを持つメーカーのバレルサウナは、庭に作る趣味の小屋や遊具としても使えるとのこと!
フォレスト西川
https://www.forest-nishikawa.com/
トーホー「爽快 森のサウナ」
岐阜県のトーホーが出展していたのは、バレルサウナ「爽快 森のサウナ」。
組み立てた状態での納品で、バレルサウナ本体に加えて天井遮熱板、背面遮熱板、ケイカル板、ベンチ2点、すのこ、ドア、ステンレスバンド、パレット、ガラリが付属。
オプションで板金屋根、オスモクリアまたはオスモブラックの外部塗装などを加えられます。素材は国産ひのきで、4人がけの「爽快 森のサウナ2000」と6人がけの「爽快 森のサウナ2700」があります。
価格はそれぞれ「爽快 森のサウナ2000」が110万円(税込)、「爽快 森のサウナ2700」が132万円(税込)だそうです。
トーホー「爽快 森のサウナ」
https://www.tohowood.co.jp/barrelsauna
この他、同じく国産ひのきで作られた「ひのきの水風呂」が展示されていました。
小池百合子都知事が林業の重要性をコメント
また、開会にあたり東京都の小池百合子都知事がビデオメッセージで登場。
「日本各地で自然災害が多発する中、社会発展の土台である治山治水のために、全国の林業を活性化させることが急務となっています。 国内外の木材需要が拡大傾向にあり、国内の森林資源が充実している今こそ、全国が連携し、国産木材の利活用に向けたムーブメントを起こすチャンスです。木材の大消費地である東京から国産木材の需要をより一層喚起し、地域経済の活性化にもつなげていきたいと思います」とコメントを寄せていました。
ちなみに開会のステージでは、定番のテープカットではなく、日本の伝統的な建築技法で木と木をつなぎ合わせる部品「千切り(ちぎり)」を使用。
日本各地の木材を使って作られた千切りを組み合わせることで、東京都と日本各地が連携し、国産木材の未来へとつなぐという意味を込めたそうです。
誰でも木材を身近に感じられる「JAPAN ReWOOD」
大型展示会というと、ビジネス向けのものが多いですが、こちらは一般来場者も存分に楽しめるイベントでした。五感で木の魅力に触れたり、木材でできたさまざまな商品を見てまわったり、貴重な体験ができました。
子ども向けの遊具やワークショップも充実しているので、夏休みのおでかけ先にもぴったり。大切な資源である木材について、親子で遊びながら理解を深められる機会にもなります。
これからも“屋内で楽しめる夏の一大イベント”として「JAPAN ReWOOD」が続いていくといいですね。
WOOD COLLECTION 2023 JAPAN ReWOOD
https://www.japan-rewood.com/2023/
取材・文/北本祐子