登山が趣味という方の中には、「いつか子どもと一緒に山登りをしたい!」と思われている方も多くいらっしゃることでしょう。
かく言う筆者も、夫婦で登山していたころを懐かしみつつ、いつか子どもたちとテントを背に山々を巡る日を夢見ていました。
しかし子どもと登山となると、不安は山積みだと思います。体力的に最後まで登りきれるか、途中で飽きたり嫌がったりしないか、とてつもなく時間がかかるのではないか…などなど。
そこで今回は、3人の子連れ登山を経験した筆者が、子どもと登山をする際に最も大切だと考えている「山選び」について解説します。子どもと一緒に登るのにおすすめの山もあわせて紹介するので、親子登山を成功させるためのヒントにしてくださいね。
子どもと登る山を選ぶときのポイントとは?
ここでは、幼児~小学校低学年くらいの子どもとの登山を想定し、山やルートの選定時に注意したいポイントを3つお伝えします。
子どもの体力に見合ったレベルの山か
当然のことですが、子どもの年齢によって登れる山のレベルは変わってきます。
ベビーキャリアでおんぶして登れる年齢でしたら親の体力を基準にしても構いませんが、子どもが自分の足で歩くとなると、本人の体力をしっかり見極めたうえで山やルートを選定する必要があります。
コースタイムはどのくらいか、急な斜面はないかなど、ルートの状態をあらかじめよく調べ、体力に見合った山かどうかの判断を慎重に行いましょう。
子どもにとっての「お楽しみ」があるか
頑張って登ったあとにお楽しみが待っていると、それだけで子どもは意欲的に歩いてくれます。
たとえば、「山頂についたら広場で遊ぼう」「景色を観ながらアイスを食べよう」など。
登る前から約束しておくと、疲れてやる気がなくなりそうなときも、その約束が励みとなって歩いてくれるはずです。
何より目標に向かって頑張るということは、子どもの心の成長にも一役買ってくれるでしょう。
エスケープルートが確保できるか
エスケープルートとは、山行中にトラブルが発生した際、予定を変更し安全に下山できるルートのこと。
万が一、子どもが歩いてくれなくなったときのことを考え、エスケープルートを確保できる山やコースを選びましょう。
他にも、ロープウェイやケーブルカーがあるとさらに安心です。徒歩以外の下山手段があるかどうかも、事前に調べておきましょう。
親子登山におすすめの関西の山3選
これらのポイントを踏まえ、子どもと一緒に登るのにおすすめしたい関西の山を3つ紹介していきます。
(1)五月山
大阪府池田市の北に位置する五月山(さつきやま)。
標高は315メートルほどの低山ですが、ハイキングコースはバリエーションに富み、子どもも大人も満足なハイクができる山です。
この山を親子登山におすすめしたい何よりの理由は、麓にある「五月山動物園」。
小さな動物園ですが、ふれあいコーナーも用意されており、楽しめること間違いなし!山登りのあとのお楽しみにしてもいいですね。
五月山のおすすめルート
初めての子連れハイキングにおすすめなのは「大文字コース」です。
30分ほどで往復できますが、展望台からの見晴らしがとても良いので、しっかり山登り気分を味わえます。
もう少し歩けるという家族は、足をのばして五月台まで登ってみたり、ぐるっと周遊するコースにチャレンジしてみたりするといいでしょう。
五月山の情報
- 標高:314.9メートル
- 所在地:大阪府池田市綾羽
- アクセス:電車の場合の最寄り駅は、阪急宝塚線「池田駅」。周辺に有料駐車場有り。
(2)生駒山
大阪と奈良の境目にある生駒山(いこまやま)。標高は642メートルほどありますが、登山道は整備されており子どもでも歩きやすいでしょう。
生駒山の場合は、山頂に「生駒山上遊園地」があります。ゴールが遊園地だなんて、子どもたちは俄然やる気満々です!
山の上の遊園地には、子ども用の乗り物やお化け屋敷などたくさんのアトラクションがあります。山頂にあるとは思えない、本格的な遊園地。乗り物からの眺めも最高です。
遊園地で遊び疲れて歩けない…ということにもなりかねませんが、ケーブルカーで下山ができるので安心。かわいいケーブルカーに乗ることを目標として、登山をするのもいいですね。
生駒山のおすすめルート
おすすめルートは枚岡駅から登る「神津嶽コース」。
眺めが良く、途中「なるかわ園地」という広場やレストハウスもあります。できるだけ早く遊園地を目指したい方は、奈良側から宝山寺を経由して登る「生駒山上コース」がおすすめです。
生駒山の情報
- 標高:642メートル
- 所在地:奈良県生駒市菜畑町/大阪府東大阪市山手町
- アクセス:奈良側から登る際は、近鉄奈良線「生駒駅」(ケーブルカーは生駒駅から徒歩3分の鳥居前駅より発着)、大阪側は同線「石切駅」「枚岡駅」など各所に登山口あり。枚岡駅には無料駐車場も。
(3)葛城山
「親子でもっと本格的な登山を楽しみたい」という場合におすすめなのが、この葛城山(かつらぎさん)。
標高は959.2メートル。大阪と奈良の間を縦走する長距離自然歩道、ダイヤモンドトレールの一角を成します。
四季折々に表情を変えてくれるのも、この山の魅力です。春~初夏にかけてのツツジが満開の景色は、まさに圧巻!秋のススキの季節もおすすめです。
山頂は広々としており、見晴らし抜群。広場でお弁当を広げるのもいいですし、食堂や売店もあるのでそちらでゆっくり食事をするのもいいでしょう。
筆者は山頂でアイスを買って食べることを、子どもたちへのごほうびにしています。
コースによっては階段が続いたり急坂があったりと、そこそこの体力も求められます。時間も、大人の足で2時間ほど。
麓から山頂との間をロープウェイが走っているので、下山はこちらを利用してもいいかもしれません。
葛城山のおすすめルート
よく登られているのが北尾根コース。登山道が整備され歩きやすく、見晴らしがよいポイントも所々あるので飽きずに歩けます。
櫛羅の滝コースも、名前の通り随所で滝を見ることができるので、子どもが飽きずに歩けるでしょう。
*2024年1月31日まで、櫛羅の滝コースは登山道補修のため通行止めとなっているのでご注意ください。
葛城山の情報
- 標高:959.2メートル
- 所在地:奈良県御所市/大阪府南河内郡千早赤阪村
- アクセス:近鉄御所線「御所駅」よりバスにてロープウェイ駅へ。周辺に有料駐車場有り。
この秋は親子で楽しく登山デビュー!
子どもと登山を楽しむのに大切なのは、無理のないコースを選ぶことです。
そして、頑張ったあとのお楽しみが待っていることは、子どもにとって何よりの原動力になるはず!子どもにピッタリの山を見つけたら、この秋はぜひ親子で山に登ってみてくださいね。