人は(少なくともぼく=堀田貴之の場合は)、人生を素敵に踏みはずしたいがために旅へ出る。そんな旅には、小さなタープがひとつほしい。
20数年前のある日、オリジナルタープを作った。焚き火のすぐ横に小さなタープを張り、その下にごろりと寝ころび、そのまま眠りにつく。そうした旅の夜を過ごしたいと思ったからだ。
立体裁断で美しいシェイプにすれば、風にも強い。ぼくはティッシュペーパー(普通紙だと布地のように伸びないので)を糊で貼りあわせ、小さなサンプルをいくつも作った。
こうして生まれてきたのが、五角形のタープ。滑空しているようなフォルムから、『ムササビウイング』と名づけた。
2012年、その『ムササビウイング』が20年ぶりに復刻。
そして今夏、ビーパルとのコラボレーションで、簡素で優雅な“オールコットン”のバージョンができた。
自然素材のタープを張ると、その下を吹き抜ける風のにおいが変わる。温度が違う。音も違う。コットンタープの下には、このままどこまでも漂っていきたい、と思える空気が流れてくるのだ。
そう。タープやテントは、転がりつづけるためにある。
「ムササビウイング13ft」開発者
堀田貴之日本を代表するシーカヤック/カヌーイスト。タープで風に吹かれながら眠るキャンプをこよなく愛する。著書に『ホットサンド 54のレシピと物語』など。
BE-PAL別注 ムササビウイング13ft コットン・焚き火バージョン
23,544円(税込)