車載はいい加減にもできるけど、きれいにレイアウトができると積みおろしが格段に円滑に。荷室をフル活用して安全・迅速・コンパクトにトランスポート!
きれいに積むと、おろすのも簡単!
#01 コンテナ選びは堅牢&連結&ペア!
荷物の整頓と運搬に欠かせないコンテナボックス。家庭でのギアの収納やサイトでの使い勝手を考えると、重ねても壊れない強さと上下がぴったりはまる構造であることが重要だ。複数を同一規格でそろえると積載をよりスムーズに行なえる。
ピッタリ!
強い!
#02 ガスカートリッジは直射日光と衝撃の届かない場所へ
内部が高圧かつ可燃性のガスカートリッジやライターは取り扱いを注意したい。外部からの衝撃を遮る丈夫なケースに収納し、万が一の事故に備えて積載時はできるだけクルマの中央部近くに保管したい。内圧を高めるので、直射日光に当てたり高温の車内に放置するのも厳禁だ。
#03 刃物類は箱に収めて手の届かない後部へ収納
銃刀法に違反するかどうかの判断は現場の警察官のさじ加減ひとつ。職務質問からの思わぬ検挙を避けるために、刃物類はケースにしまって荷室の簡単には取り出せない場所へと収納する。すぐに取り出せる場所への保管はキャンプ場への往復でもご法度!
#04 壊れ物はコンテナに収めてスペーサーを入れる
食器やランタンなど衝撃に弱いものを壊すのは、使用時よりも運搬中のことが多い。壊れ物は堅牢な箱に収納し、隙間にはラグやタープなどの柔らかなものを詰めてスペーサーにする。
#05 軽いもの&サイトですぐ出すものは上側に収納
マットやタープなどの軽い小物はついつい適当に押し込みがちだが、現地に着いたあとに困るのがそれらの運搬だ。サイトの設営を見越して大型のトートバッグを一緒に積んでおくと、積みおろしと荷運びがスムーズに!
#06 駐車中は目隠しして盗難のリスクを下げる
出先で気をつけたいのが車上荒らし。高価なギアを丸見えにしては泥棒に盗んでくださいといっているようなもの。ラグなどで視線を遮ることで盗難の誘発を防ぎつつ、直射日光も遮れる。
#07 重たいものはクルマの中央部に寄せ、左右の重量バランスも考える
重いものを下に、軽いものを上に積むのは車載の大原則。これに加えて、とくに重たいものはクルマの中央部に収納したり、乗員と反対の場所に置くことを意識したい。クルマ全体の重量のバランスが取れていると、移動中のふらつきやハンドリングの悪化を防げる。
#08 濡れものはフネや防水バッグに入れる
水遊びや釣りなど、濡れ物や泥汚れが出るときには床への水の染み出しに注意したい。あらかじめ大きなプラスチック製のフネを荷室に敷いておいたり、防水素材のソフトバケツやドライバッグを積んでおくと水漏れを防げる。
#09 ヘビーキャンパー御用達!「イレクター」と「棚板」で収納力&整理力をUP!
荷室の収納力と使い勝手を飛躍的に高めるアイテムが「イレクター」。パイプとそれをつなぐジョイントで構成され、自分でパイプを切断&接続することで任意の大きさの枠を組める。パイプの素材にはプラスチック製と金属製のものがあるが、接着剤なしでも堅固に組めて分解もできる金属製がおすすめ。
#10 大きなものを積むときは板をはずしてスケルトンモードに
イレクターで枠をつくってそこに棚板をわたせば荷室が二階建てになり(右写真)、荷室を上下に分割して活用できる。背が高い大きな荷物を積むときは棚板を撤去するだけでOK(上写真)。
#11 ルーフ下のスペースに長尺ものを収納
ルーフ直下に枠を設けると、頭上の空間に釣り竿のような長尺の道具を収納できる。市販の釣り竿ホルダーやゴムを駆使して簡単に積み下ろしができるようにしたい。
#12 棚板があると下段の荷物の積みおろしがスムーズ
棚板で荷室を上下に分割すると上段に積んだ荷物の荷重が下側にかからないから下段に積んだ荷物を簡単に引き出せる。背の低い箱を複数積むときに便利。
#13 滑り止めシートとネットで荷崩れ防止
棚板に載せた荷物が暴れてしまうときは、荷物と板の間に滑り止めシートを挿入しておく。荷崩れの防止には、伸縮性のあるネットで覆うのも効果的。
#14 コンテナ×コンパネで荷物の上を就寝スペースに!
フルフラットを謳う荷室でも、実際には微妙な段差があってそのままでは車中泊しにくいもの。そんな段差を解消して、積載力を高めてくれるのがコンパネとコンテナの組み合わせ。コンパネの下側を荷物の収納スペースにして、上側を就寝スペースにすれば、体をまっすぐ伸ばして眠れる!
#15 段違いコンテナと「束」を組み合わせて床の段差を解消
段差解消の簡単な方法が「高さの違う箱を複数組用意して、置いたときにちょうど箱の天端の高さがそろう」ようにすること。箱だけで解消できないときは束をスペーサーに!
敢えての段違い!
建築用の束で段差調整!
#16 コンパネの下を荷物の収納スペースに
載せてるだけだからレイアウト自由自在!
両サイドの箱にあまり使わないものを収納し、その間に頻繁に出し入れするものを収納。
コンパネは1枚より2枚に分割しておくのが便利。板の下の荷物にアクセスしやすい。
#17 ルーフキャリアに重くて長いものを積む!
シーカヤックや木材など数mの長さのギアを運ぶときに活躍するのがルーフキャリア。現在の道路交通法では車体の1.2倍の長さ(前後のはみ出しはそれぞれ車体長さの0.1倍に収まる長さ)のものまで載せられる。走行中に落としたりしないよう固定はしっかりと!
前後のキャリアのサイドのはみ出し部分に荷締めベルトをかけてテンションをかける。固定金具は下側や隅のほうに動かしておく。
荷物の積載時にぶつけてミラーを折ってしまわぬようルーフキャリアにものを積むときは必ずたたんでおく。
荷締めベルトに積みたいギアを立てかけ、上側に押し込むようにして滑らせて載せる。ベルトが支えになるので車体が傷つかない。
キャリアにギアを固定したら、積んだギアの突起にロープをかけて後部キャリアに固定する。ブレーキをかけた際の飛び出しを防ぐ。
※構成/藤原祥弘、宮原 悠 撮影/矢島慎一
(BE-PAL 2023年10月号より)