日本最大の国際見本市「第96回東京インターナショナル・ギフト・ショー 秋2023 第14回LIFE×DESIGN」(東京ギフト・ショー)。
2023年秋は9月6日(水)~8日(金)の3日間開催で、総出展社数は2982社、来場者はなんと21万人以上!次なる流行を予感させる、幅広いジャンルのパーソナルギフトや生活雑貨が国内外から大集結しました。
トレンドが一目でわかる「東京ギフト・ショー」
見本市とは、その名のとおり商品の見本展示が行われ、バイヤーやビジネス関係者が商談を行う場のこと。
つまり「東京ギフト・ショー」で展示されるのは、各企業がイチ推ししたいアイテム!残念ながら一般来場はできないものの、流行を知るためのヒントが詰まった展示会です。
アウトドア関連のエリアもあり、人気ブランドをはじめとする多数の企業が出展。ソロキャンプやグランピング、サウナまで、アウトドアにまつわる商品やライフスタイルが、あらゆる角度から提案されていました。
キャンプ歴30年以上の3人が語る「アウトドアの新たな形」
また、会場では「アフターコロナのリアルアウトドア市場~新しいキャンプの楽しみ方」と題したトークショーも実施。Casokdo代表の五十嵐洋氏が司会を務め、アウトドアアドバイザーの田中翔氏と、BE-PAL編集長沢木が登壇しました。
人々が密を避けようと行動したコロナ禍をきっかけに、一大ブームとなったアウトドア。
一過性の盛り上がりは落ち着いてきたものの、その人気は衰えることなく、ライフスタイルのひとつとして“定番化”のフェーズに入ってきたといいます。
アウトドアの「ボーダレス化」がトレンドに!
「コロナ禍をきっかけに、アウトドアを楽しむ人が多層的になったことを実感しています。BE-PALの特集では、『おうちキャンプ』というテーマが非常にウケました。外には行かず、ベランダやガレージ、リビングでもキャンプのテイストやソトを感じられる遊び方をする人が増えたように思います」(BE-PAL編集長沢木)
「ベランピングという言葉も生まれたし、アウトドアとインドアの境目がなくなってきているように感じますよね。私の周囲では『どうせ買うならキャンプでも使えるイスがいい』なんて声も耳にします」(Casokdo代表 五十嵐氏)
コロナ禍でキャンプを新たにはじめる初心者が増えたほか、以前やっていた人も戻ってきて、その楽しみ方は自由かつ多様になりつつある昨今。アフターコロナへと移り変わり、見えてきたトレンドがアウトドアとインドアの“ボーダレス化”なのだとか。
アウトドアアドバイザーの田中氏も、実際にアウトドア用のテーブルを自宅のダイニングで使っているといいます。
「アウトドアギアを家の中で使ってみたら、まったく苦じゃない。移動しやすいから掃除がラクだし、使わないときは片隅に動かして部屋を広く使えます。普段家で使っているアイテムもキャンプに持っていきやすいものが増えたし、また逆も然りですよね」(アウトドアアドバイザー 田中氏)
ブームを通して、異業種が続々とアウトドア業界へ参入し、これまでにない視点でつくられるアウトドア用品も増えました。そんな流れも後押しして、ボーダレス化はいっそう進んでいるのかもしれません。
会場でも「ボーダレスなアウトドア用品」を発見!
たしかに会場をまわってみると、家と屋外の両方で使えるアウトドア用品を提案するブースが多くありました。
ビクトリノックスの“まな板”になるカッティングボード
まず会場で見つけたのは、マルチツールやナイフでおなじみの「ビクトリノックス」が発売しているカッティングボード。
カッティングボードといえば木製のものが一般的ですが、こちらはウッドファイバー素材を使用。これにより、なんと175℃までの耐熱性となり、食器洗い乾燥機にも対応しています。
また、食材から出た水分を受ける溝があるため、肉汁たっぷりのお肉やみずみずしい野菜を切るのに適しているのもポイント。カッティングボードらしいおしゃれで温かみのある見た目でありながら、まな板のような使い心地という良いとこどり!
家ではまな板として普段使いしながら、キャンプやBBQに持ち出しても様になる。まさにボーダレスに使えるアイテムです。
外にも持ち出せるNANGAの羽毛布団
続いて注目を集めていたのは、大人気アウトドアメーカー「NANGA」がつくる羽毛布団シリーズ。すでにBE-PALでも何度か紹介している話題の商品です。
新作は、3シーズンに対応した「ダウンブランケット シングル」。ダウン量1,200gの既存モデルに対し、こちらは300gのダウンを封入。デュベとコットンブランケットの中間的アイテムです。
コンパクトにたためる収納袋がついているので、もちろんアウトドアへの持ち出しが可能。
私たちが普段自宅で使っている羽毛布団との違いといえば、優れた洗濯速乾性。こうした扱いやすさは、アウトドア用品を家でも使うことのメリットかもしれません。
ちなみに、NANGAは1941年に布団メーカーとして創業したブランド。80年の歳月をめぐって原点回帰したところ、このようにボーダレスな寝具が誕生したというわけです。
ボーダレスって良いこと尽くしかも!
「これは自宅用」「これはアウトドア用」と私たちはつい区切りを設けてしまいがち。それらがアウトドアとインドアでボーダレスに使えるなら、場所を取らないし、コスパも良く、メリットだらけです。
また、アウトドア用品に囲まれた家での生活は、キャンプフリークにとってはたまらないワクワク感がありますよね。
次は一体どんなアイデアで、2つの垣根を越える商品がでてくるのか。既存の枠にとらわれず、無限の広がりを見せるアウトドアシーンにますます期待です!
取材・文/井田愛莉寿(ビーパル編集部)