愛犬の身体を整えよう!「犬の整体」を体験してみた【災害救助犬コアと家族の日記 Vol.6】
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    2023.09.26

    愛犬の身体を整えよう!「犬の整体」を体験してみた【災害救助犬コアと家族の日記 Vol.6】

    犬の整体・マッサージってどうなの? 

    やっと秋の気配を感じられるようになりました。BE-PALファンのみなさんの愛犬は、アクティブな生活を楽しんでいることでしょう。でも、この夏をめいっぱい楽しんだ犬たちは身体に疲れがたまっているかもしれません。

    災害救助犬のコアも、トレッキングや水遊び、キャンプも楽しみました。そんなコアの体重は40kg近くあります。プライベートでアクティブに動くだけでなく、救助犬の訓練は足場の悪い場所で行うことが多いので、私はコアの身体のことが気がかりです。

    そこで今回は、犬の整体師で飼い主向けのマッサージ講座も主宰している中田美穂子先生をお訪ねしました。インタビューを織り交ぜながら、実際にコアが受けた「犬の整体」のレポートをお伝えします。

    「最近うちの子の調子が良くなさそうだけれど、犬の整体で改善するのかな?」と興味を持っていても、躊躇している飼い主さんたちの参考になれば幸いです。

    これまでの「災害救助犬コア」の記事はこちら

    災害救助犬として運動量の多いコアが実際に整体マッサージを体験してみました!

    中田先生は、報酬ベースのドッグトレーナー※であるとともに、犬の気持ちに寄り添った整体とマッサージを行なう専門家。「私が大事にしているのは、犬に気持ちよく感じてもらえることなのです」と穏やかに話す先生に、飼い主である私は安心してコアをお任せできると感じました。

    ※報酬ベーストレーニング/犬が望ましい行動をした時にトリーツ(ご褒美)を提供して、犬が「この行動をすると良いことがある」と学習することで、望ましい行動を強化していくトレーニング法。

    まずは、施術をしていただく前に、犬の整体・マッサージ全般について訊いてみました。

    犬の整体師・中田美穂子先生に質問!

    Q.  整体やマッサージで何が改善するのでしょうか?

    「整体やマッサージで筋肉のコリをほぐすことで、犬が体を動かしやすくするお手伝いができます。犬の背中の皮をつまんでみて、固かったりつまみにくかったりしたら、筋肉が固まっていて、体を動かしにくくなっているかもしれません」

    Q.施術を受ける前に飼い主がしておくことはありますか?

    「犬の歩き方や体調で気になることがあったら、整体やマッサージを試みる前に、病院での診察をおすすめします。病気や怪我ではないことを確認することが大切です」

    Q. 犬の整体・マッサージのメリットは?

    「病院で特に問題がないとは言われたけれど、例えば、片方の足をかばって歩くなど心配事が解消されないケースがあります。そのような場合に整体を受けることで、動きやすい身体に導くことができます。

    また、整体やマッサージにより、関節の可動域が広がって体重が支えやすくなったり、柔軟性がアップすることで怪我のリスクが低くなります。自分の足で歩ける期間が延び、それにより、愛犬の生活の質の維持向上にも役立つでしょう」

    家族以外に触られるのが特に好きではないコアもリラックスできています。

    コアの身体の整体、スタート!

    コアの身体の様子を診てもらい、筋肉のコリがあった箇所を約1時間ほど整体・マッサージをしてもらいました。

    ここでは、コアが受けた整体・マッサージの“ビフォア/アフター”を、写真と動画でお見せします。

    Before→After!

    ●コアの筋肉のコリの箇所は‥‥

    1.首のあたり(肩甲横突筋・上腕頭筋など)。主に、前肢を前に出す時に使われる筋肉。

     2. もも裏のあたり(薄筋、腓腹筋=ふくらはぎ、など)。主に、後ろ肢を蹴り出す時に使われる筋肉。

    ↓ コアの歩様、整体・マッサージのビフォア&アフターの動画はこちら

    ●中田先生の解説   

    <前肢>

    ビフォアでは、前肢を出す際、わずかに首が上がっていました。肩甲横突筋や上腕頭筋など、前肢を前に出す際に使われる筋肉にコリが生じていたことが原因といえます。触った時も、該当箇所にコリを確認しました。

    アフターでは、頭を低い位置でキープしたまま、肢を前に出すことができているので、該当箇所のコリが解消されたと評価できます。

    <後肢>

    ビフォアとアフターを比べると、お尻の傾斜が緩やかになっているのがわかります。もも裏やふくらは ぎなど、肢を後ろに蹴り出すための筋肉がほぐれたことで、骨盤の傾きが改善。 かつ、股関節の可動域が広がり、より効果的に後ろ肢を動かせるようになったと評価できます。

    <全体>

    肩甲骨の可動域、骨盤の傾斜が改善したことで、全体の胴の長さが長く見えます。

    コアのようなケースで飼い主にもできるケアも紹介

    中田先生の解説はとても分かりやすく、勉強になりました。飼い主の私にもトライしやすいマッサージとエクササイズも教えてくださいました。

    ●マッサージ

    飼い主でもトライしやすいのは、浅指屈筋と腓腹筋のマッサージ。 本当は肩甲骨へのマッサージが大事なのですが、その施術をするにはもっと勉強が必要になるとのこと。ここでは「浅指屈筋のマッサージ法」を動画で紹介します。

    ●エクササイズ

    コアはオスワリの時に後ろ右足先が開いてしまいがち。身体のバランスを良くするために、正しい姿勢でオスワリ、タッテを繰り返すエクササイズを薦められました。

    おやつを使いながら誘導するなどして、犬がまっすぐに歪みなく動くことを意識して行います。

    オスワリ→タッテをできるだけ正しい姿勢で繰り返すエクササイズ。

    犬の身体のバランスを崩さないための注意点として、中田先生は次のようにおしゃっています。

    「同じ姿勢ばかり犬に要求していないか、考えてみてください。例えばいつも脚側で左につけて歩いていたり、オテやスピン(マワレ)などのトリックで同じ方向にばかり身体を動かしていませんか?

    いつも左を歩いている犬には、右側を歩いてもらったり、トリックを教える時は左右教えて、バランスよく身体を使えるようにすると良いと思います。小型犬なら抱っこの仕方も気をつけたいところです」

    犬の全身の写真(立っている状態と座っている状態、前、真横、後ろ等)を定期的に撮影しておき、見比べることでも、身体の変化がわかります。

    最後に、犬の身体のために飼い主が日頃からできるおすすめの運動を教えていただきました。

    「お散歩中にトロットを1~2分を組み入れることをおすすめします。トロットは速足とも言われ、 身体の対角の足が一緒に接地する 効率的な歩き方です。正しいフォームでジョギングをするイメージです。」

    中田さんの愛犬、チャナちゃんにトロットのお手本動画を参考にしてください。↓

    トロットは必ず安全な場所で行ってください。狭くてトロットするような場所の無い場合は10秒間まっすぐ前にトロットし、U ターンして、また10 秒間トロット、を繰り返すなどしてみてください。

     犬がトロットをしたがらない場合は身体に痛みがあるのかもしれません。そのような時は無理強い はせず、動物病院を受診することをおすすめします。

    愛犬が末永く健やかに暮らせるように

    今回、ご紹介したマッサージ例はあくまで「コアのケース」になります。「自分の愛犬の身体はどうなんだろう?」「もっと しっかり犬の身体のこと、整体のこと知りたい」とお思いの飼い主さんは、自己流やネットの情報だけではなく、専門家に相談されることをおすすめします。

    整体施術は、犬が健康的に歩ける日々をできるだけ長く続かせる手助けになります。歩けなくなる日はいつか来るかもしれないけれど、その日ができるだけ遠くになるように。

    コアもシニア期に入り、やはり若い頃に比べると、ちょっと足の動きがおかしかった?と思うことが出てきました。活動的なコアがずっと元気に動けるよう、整体・マッサージを取り入れてみたいと思います。

    いつまでも、犬達が健やかに生きることを楽しめますように。

    姉ジャスティンと遊ぶコア。シニアになってもできるだけ健やかに動ける身体をキープしてあげたい。

    中田先生に身体をゆだねるコア。

    教えてもらったのは…犬の整体師 中田 美穂子先生

    ドッグトレーナーとして犬に行動を教える中で、犬の身体のアンバランスさが気になることが度々あったことから、犬の身体のケアに興味をもつ。そんな中、解剖学の見地から整体を学べる先生と出会い、犬の身体を良くする施術に魅力を感じ、本格的に犬の整体やマッサージを学び始める。
    解剖学、 生理学、行動分析学を学ぶとともに、「愛犬の心身のケア」に関しての確かな知識と技術を身につける。 身体が動く仕組みと、行動が起こる仕組みを合わせて考え、それぞれの犬にとっての適切な運動、適切なマッサージを提案している。

    米国 CCPDT 認定ドッグトレーナー,ドッグアドバイザー(A級)、愛玩動物飼養管理士(1級)

    https://mosh.jp/306396/home
    https://www.instagram.com/d_wellnessafe_dogtraining/

    私が書きました!
    救助犬ハンドラー
    かとう まさみ

    子供の頃から動物とアウトドアが大好き。ロサンゼルスのアニマル・シェルターでボランティア・スタッフをしながら犬のことを学ぶ。コアとお互いに良いバディでありたいと日々奮闘中。コアのHPはこちら。https://white-search-and-rescue-dog.jimdosite.com

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