2023年9月23日、岩手県陸前高田市で「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」がオープンしました。運営するのは、国内の有力なアウトドアメーカーのスノーピーク(Snow Peak)。全国で9拠点目の直営キャンプ場です。
もともとは、1999年に開業した「陸前高田オートキャンプ場モビリア」でした。東日本大震災がおきた際は、多くの仮設住宅が設置され、約10年にわたって被災者を受け入れていました。復興が進み、避難所としての役割を終えた今、その場所が「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」として生まれ変わりました。
今回の記事では、オープンの式典に実際に参加した筆者による式典の様子レポートや、施設の概要を紹介します。ここでしか見られない景色や入手できないアイテムがあるので、気になる人はぜひチェックしてくださいね。
オープン初日には式典を開催。初日から全国のファンが殺到!
オープン初日には、岩手県知事の達増拓也(たっそたくや)氏や、陸前高田市長の佐々木拓氏ほか、県議会議員など数多くの来賓が訪問。会場は、キャンプ場のオープンを祝福するムード一色に染まっていました。
達増氏は、「岩手県全体を盛り上げる拠点のひとつにしたい」との思いを述べていました。
オープン初日のキャンプ場は大盛況。危うく国道にはみ出ようかというところまで、車が長い列をつくっていました。岩手はもちろん、秋田・山形・新潟など、近隣の県からのナンバープレートが目立つ印象。なかには千葉や大阪といったものも見られ、遠方からやってくる人がいるくらい人気である様子をうかがい知れました。
キャンプサイトのあちこちにテントが張られており、その多くがスノーピークの商品でした。スノーピークの広報担当者によると、「直営キャンプ場をすべてめぐってくださっているスノーピークユーザーの方も大変多いです」とのことです。
施設の概要を簡単にご紹介!
そんな「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」の大きな魅力は、宿泊スペースが広い点。まずはキャンプ場の施設の概要を、簡単にご紹介します。
最大で1日158組の宿泊が可能
宿泊のタイプは全部で8種類。フリーサイト・電源付き区画サイト・電源なし区画サイト・グループサイト・ドッグランサイト・モバイルハウス(住箱-JYUBAKO-)・キャビン・ドッグラン付きキャビンから、好きな場所を予約できます。
これらのなかでも、ドッグランサイトは、近年の需要の高まりにこたえたイチオシポイントとのこと。広々としたサイトで、愛犬と走り回って楽しめるでしょう。
小高い丘の上にあるキャンプサイトからは、広田湾を一望できます。
世界的に有名な建築家の隈研吾氏がデザインした「住箱」にも宿泊可能。外にせりだした部分に座って、広々とした自然の風景を楽しめます。
ナチュラルな色合いに癒される室内。エアコン・洗面所・トイレ・シャワーなどが完備されており、不自由なく過ごせるでしょう。
ランドリーやシャワーを完備
キャンプサイトには、洗濯ができるランドリーが完備されています。洗濯機だけでなく、乾燥機も備えられているのが魅力ですね。
ランドリーのほか、シャワー室も完備していますよ。家族や友達同士で遊んだあとは、汗を流してさっぱりできます。
直営ショップでは限定Tシャツが購入できる
場内には直営ショップがあり、アパレルやキャンプギアなど、スノーピークの商品を購入できます。
数ある商品のなかでも、「奇跡の一本松」をデザインしたTシャツは要チェック。ここでしか入手できない限定Tシャツです。写真の色のほか、白地に黒いデザインのものもあるので、お好みで選んでくださいね。
「奇跡の一本松」にも立ち寄ろう
東日本大震災の震災遺構のひとつである「奇跡の一本松」は、キャンプ場から車で約20分の場所にあります。「奇跡の一本松」とは、震災による津波で約7万本もの松がなぎ倒されるなか、荒波に耐えて唯一立ち残った松です。しかし、海水の影響で根が腐り、後に枯死してしまいました。
その後、震災の象徴として後世に残したいという想いから「奇跡の一本松保存プロジェクト」が立ち上がり、保存整備されました。
また、「奇跡の一本松」の近くには、宿泊施設だった建物も震災遺構として残されています。
さらに同じエリアには、東日本大震災の資料館である「東日本大震災津波伝承館」があります。ここでは、震災当時の現場の状況や復興の歴史、教訓を深く学べます。
そして東日本大震災の被災者のために、献花台が設けられています。訪問者のなかには、献花をする人の姿も見られました。献花台からは、青松と白砂で知られる名勝「高田松原」や、陸前高田の市街地が望めます。キャンプをしに訪れた際は、ぜひ立ち寄ってもらいたい場所です。
自然の魅力を満喫できるキャンプ場へ遊びに行こう!
東日本大震災後に約10年にわたり、仮設住宅エリアとして活用されてきた、スノーピーク陸前高田キャンプフィールド。その役目を終え、今年から新たなキャンプ場として再始動します。視界におさまりきらないほどの海と山の景色を目の前に、コーヒーを飲んでゆっくりしたり、子どもたちと走り回ったり……。
自然の魅力があふれるキャンプ場で、それぞれの楽しみ方でゆったりと過ごしてくださいね。