アウトドアウェアのメンテナンス、みなさん、どうされていますか?
カナダ生まれのアウトドアブランド「ARC’TERYX(アークテリクス)」が2023年10月28日~29日の期間限定で「GORE-TEX CAMPAIGN 2023』を開催。そのイベントの一環として設けられたGORE-TEX(ゴアテックス)専用のランドリー「LAUNDRY SERVICE by ARC’TERYX+GORE-TEX」にて、GORE-TEX製品を長く使うための洗濯のポイントなどを聞いてきました。
アウトドアウェアは洗うと機能性も性能も長持ちする!
アークテリクスの三原淳也さんによれば、アウトドアウェアはこまめに洗うことで長く使えるとのこと。修理に持ち込まれるウェアは、きれいに保たれていないものが多いと感じてきたそうです。
「GORE-TEX製ウェアは防水性があり、防風でいながら透湿性もありながらも、表面には水をはじく撥水性があります。綺麗な状態を保つことがその機能性を維持させ、長く愛用できることをぜひ知ってもらいたいです。 またウェアを洗うことで付属品やパーツ類の状態を確認することもできます」(三原さん)
このイベントで修復が困難な例として披露されたのが、 アークテリクス 東京丸の内ブランドストア内にある「ReBIRD (TM)サービスカウンター」に持ち込まれたウェア。背中の部分の生地が浮いてしまっています。これは汗をかいたウェアをそのままにしてしまったことが原因と考えられ、圧着している生地の剥離が起きてしまっています。ここまで劣化させえてしまったウェアは本来の耐久性も防水性もなくなってしまいます。
自宅で洗うポイントは洗剤選びと5つのステップ
では、自宅で洗う場合どういうところに気を付ければいいのでしょうか?
「まずは、しっかりと洗濯して、きっちりすすぐこと。汚れもそうですが、十分な水で洗剤を落とし切れていない場合も剥離の原因にはなります。しっかりと洗濯してすすいでいただくってことがすごく重要です 」(三原さん)
順序は5つのステップ。
1.準備
着用時に絞ったドローコードを緩める。袖口のベルクロ部分を伸ばす。ポケットは水抜けを良くするために開ける。
逆に閉めるのはフロントジッパー。これは開いて洗うことによって生じるからまりを防ぐため。
2.洗濯
洗剤は液体のものを選びましょう。これは必須だそうです。その理由は、洗濯石鹸や粉の洗剤は溶けにくく、脱水したときにも残りやすいためです。
3.しっかりとすすぐ
洗剤の表示にすすぎの回数が書かれていると思いますが、それに従ってしっかりとすすぎます。ここで洗剤が残っていないことが大切。。
4.乾かす
乾燥機にかけるか、干すならば陰干しで。
5.アイロンをかける
最後の仕上げには、アイロンを。これはシワをなくすというよりも、生地自体の性能を呼び起こすためのステップになります。汚れがついて寝てしまっていた生地の表面を当て布をしながら熱を加えることで、撥水性が甦るのです。
持参したGORE-TEX製のウェアを洗ってみた
さて、今回の「LAUNDRY SERVICE by ARC’TERYX+GORE-TEX」では、アークテリクスのバード会員であれば持参したGORE-TEX製のアークテリクス製品を2点まで無料で洗ってもらえました。
そこで1枚ジャケットを持参して洗ってもらいました。
<洗濯前>
友人から借りてきたジャケットは、購入後1度洗ったものの、その後2年洗っていないそうです。
<洗濯後>
今回は乾燥機仕上げ。生地は確かにパリっと、生地の質感が変わっています。袖口の汚れもとくにこすったりしていませんが、きれいに落ちていました。
なんとなくのイメージでは、生地の表面加工は洗うと性能が徐々に落ちてしまうと誤解していました。しかし、三原さんによると、10年着ている方など、メンテナンスの持ち込みでもシンプルなケアを心がけている人の修理は可能なものが多い一方、購入後わずか1年でもまったく洗っていないウェアは圧着が外れてしまうなど修復が不可能なこともあるそうです
高機能ゆえに高価なGORE-TEX製ウェア。せっかく手にれたのですから、不本意な買い換えをすることにならないためにも、メンテナンスを怠らないように心掛けましょう。
取材・文/北本祐子