千葉県・勝浦を大きく一周!電車で行って「駅からハイキング」してみた
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  • 日本の旅

    2023.11.16

    千葉県・勝浦を大きく一周!電車で行って「駅からハイキング」してみた

    JR勝浦駅

    ハイキングイベント「駅からハイキング」はJR勝浦駅からスタート。今回は11歳のボストンテリアの豊と10歳の長男と周りました。

    東京から2時間弱の関東の避暑地

    千葉県勝浦市へは東京駅から電車で約90分、クルマでも都心から2時間かからずに行ける外房に面した漁港町です。夏涼しく冬暖かい海洋性気候で、35度Cを超す「猛暑日」が観測史上一度もなく、「もっとも都心から近い避暑地」としても有名です。

    先日(2023年11月4日)、JR東日本が企画する、駅をスタート&ゴール地点としたハイキングイベント、「駅からハイキング」が勝浦で開催されると聞いて参加してきました。その催しは約10kmほどのハイキングコースを地図を見ながら歩き、その地域の自然や風景に出会ったり、歴史や文化に触れたりできる人気のイベントです。

    わたくしごとですが、勝浦には親の仕事の都合で1989年から通っていて、毎年2ヶ月近くこの町に滞在します。だいぶ「勝手知ったる」土地ではあるのですが、今回のイベントでは一度も足を踏み入れたことがない場所にも行くようで楽しみです!

    スタートはなんと駅の改札口!?

    イベントの受付

    ●9:15● JR勝浦駅の改札前で受付して、地図をもらいます。※旅の参考のため今回も通過時間(一番左)を表記します。

    イベントマップ

    コースが記されたイベントマップ。

    約10km、4時間ほどのコース。地図には寄り道スポットの解説、イベント限定の特典や告知、勝浦の特色なども詳しく記載。この地図1枚に勝浦の魅力が凝縮されていました。

    このイベントはみんなでゾロゾロ歩く団体ツアーではなく、8時30分から12時の間に各自が受付を済ませ、その後は、マイペースで歩いて16時半までに再び勝浦駅に戻ってゴールする個人参加型イベント。自由度が高くていいですね。

    立ち寄りスポットその1「勝浦朝市」

    勝浦朝市

    ●9:36● 石川県の輪島、岐阜県の飛騨高山、そしてここ勝浦も「日本三大朝市」のひとつ。勝浦の朝市は430年以上続いているそう。

    朝採りの魚介や干物、農作物、蜂蜜、漬け物やおこわなどがずらりと並びます。連休中日だったので、たくさんの観光客でにぎわっていました。

    街を歩く子供

    朝市の喧噪を離れ、魚の加工工場を通過。次のスポットに向けて歩きます。

    立ち寄りスポットその2「八幡岬」

    八幡岬からの眺望

    ●10:17● 八幡岬は「はちまんみさき」と読みます。雄大な太平洋を見下ろして。

    勝浦湾の東側に突き出た八幡岬には、かつて室町時代より3代続いた正木氏の居城、勝浦城があったそう。そんな歴史を語る「お万の像」が展望広場にあります。ここに上がると一気に景色が開けます。いまから向かう勝浦灯台も見えますよ。

    遠見岬(とみさき)神社の「海の鳥居」

    勝浦湾に浮かぶ遠見岬(とみさき)神社の「海の鳥居」も見えました。

    立ち寄りスポットその3「勝浦灯台」

    勝浦灯台

    ●10:27● 1917年に建設された高さ21mの白亜の八角形灯台。キッチンカーが出ていたりライブ演奏していたりとお祭り騒ぎ。

    豊の散歩で灯台までよく来ます。普段は門が固く閉ざされていますが、この日は敷地に入れるどころか無料で灯台に上れるとあり、多くの人々でにぎわっていました。

    人数制限しながら少人数で上りました。順番待ちの間、後ろの陽気な女性たちと仲良くなりました。彼女たちは地元の方だそうで、「あなたたち海上保安庁の服着て写真撮ってきなさいよ、なかなかない機会よ。ワンちゃん見ててあげる!」。お言葉に甘え長男と写真撮影したり、私たちが 灯台に上っている間、柵に繋いでいる豊を見守ってもらったりと大変助かりました。

    狭い灯台の階段

    狭く急な灯台の階段。

    灯台の上で記念撮影

    海抜約50mの丘にそびえ立つ高さ21mの灯台の上はビックリするくらいの強風。

    立ち寄りスポットその4「官軍塚」

    尾根道

    私たちにとっては馴染みの尾根伝いの道を通り、官軍塚へ向かいます。

    官軍塚からの展望

    ●11:00● 官軍塚の展望台。

    「官軍」、そして「塚」という場所です。「1869年1月3日夜、熊本藩士の乗る米国汽船ハーマン号が暴風雨に遭い勝浦川津沖で難破、200人以上の犠牲者を出した事故現場」なのです。山の上にあり、太平洋を見渡せるここには、地元の川津の人々が遭難者を供養、埋葬したとか。このあたりは当時漁師たちの間で、「関東の鬼ヶ島」と呼ばれていた難所だったそう。

    地元ボランティアの説明を聞く

    イベントをサポートする地元ボランティアの方いわく、この石碑の台座は「海軍が構築したレーダー用の円形台座」だそう。

    海が広く見渡せるので、太平洋戦争直前に日本初のレーダー基地が設置された場所でもあります。ということを地元ボランティアさんが説明していました。えー、知らなかったです(笑)。 このあとも行ったことない未知のスポット続出でした。

    立ち寄りスポットその5「津慶寺」

    川津の津慶寺

    ●11:15● 官軍塚から急な坂を下り川津の津慶寺(しんけいじ)へ。

    座礁した「ハーマン号」の犠牲者を供養する石碑と、汽船の揚錨機と思われる部品が境内に設置してありました。ハイ、ここもお初。

    佛足石

    さらに階段を上がったところには、釈迦の足跡を石に刻み信仰の対象とした「佛足石」が。

    津慶寺

    • 所在地:千葉県勝浦市川津1655

    立ち寄りスポットその6「妙海寺の寺カフェ」

    妙海寺から海を望む

    ●11:54● 室町時代初期に開創された妙海寺。豊浜港と太平洋を眼下に望む。

    小さな漁港が点在する海辺をひた歩き、妙海寺に到着。少し高台にあり、潮の香りが漂う気持ちのいいお寺です。ここではお茶がいただける「寺カフェ」を開催。だるくなった足を休ませつつ海風に吹かれながらコーヒーブレイク。

    チーバくんのサブレ

    千葉県のマスコットキャラクター「チーバくん」のピーナッツバターサブレをサービスでいただきました。

    初めてお邪魔しましたが、妙海寺は開けた雰囲気のお寺でした。事前予約が必要ですが、瞑想体験、ヨガ、テンプルステイなども体験できるそう。ヨガをやってみたい。今度勝浦に来たときの楽しみができました。

    正榮山 妙海寺

    • 所在地:千葉県勝浦市新官174
    • ホームページ:https://myokaiji.jp

    ランチ休憩はご当地グルメの「勝浦タンタンメン」で

    勝浦タンタンメン

    ●12:59● 本格中華屋「あまからや」の勝浦タンタンメン。

    担々麺というと胡麻ベースな感じですが、「勝浦タンタンメン」は醤油出汁にラー油が浮かんだ真っ赤なスープが特徴。具材は、炒めたみじん切りタマネギと挽肉。そして、白髪ネギが上に載っているのが一般的です。海女さんや漁師さんが寒い海仕事後に冷えた身体を温めるメニューとして定着したそう。ご当地グルメの全国大会「B-1グランプリ」で優勝したこともあり、いまや多くの店が特色を生かしたメニューを提供しています。

    初めてお邪魔した、あまからやの勝タン。他店に比べて辛みがマイルドで食べやすい感じでした。とろとろの玉ねぎが甘くておいしかった。私はこれまで4軒の勝タンをいただきましたが、店によってテイストが違うんだなー。いろいろ食べ歩いてみたくなりました。

    あまからや店内

    大人は勝タンをシェア、子どもたちは五目チャーハンをいただきました。

    長男と私がハイキング中、ほかの用事を済ませていた夫と次男も合流。そして、ちょっとお疲れ気味の豊は家に置いてきました。

    あまからや

    • 所在地:千葉県勝浦市勝浦37-6
    • 電話:0470-73-1450
    • 営業時間:11時~14時30分、17時~22時
    • 定休日:火曜日

    立ち寄りスポットその7「スリラービーチブルワリーで醸造所見学」

    ブルワリー外観

    ●13:36● 「あまからや」からすぐのスリラービーチブルワリー。

    今回のイベントの目玉のひとつが、ブルワリーの醸造所見学です。行ってみるとすでに何組かの見学者が熱心にマスターの話に耳を傾けていました。

    購入した大漁エール

    シトラスがほのかに香る「大漁エール」を購入。苦みやクセが無く美味。

    スリラービーチブルワリー

    • 所在地:千葉県勝浦市勝浦11-1
    • 電話番号:0470-64-4560
    • 営業時間:15時30分~19時(木、金曜)、14時30分~19時(土曜)
    • ホームページ:https://tbbrew.net
    • その他:毎月第2、第4日曜は、「勝浦マルシェ」に出店。詳細はHPをご覧ください。

    立ち寄りスポットその8「遠見岬神社の宮司による特別ツアー」

    遠見岬神社の階段

    ●14:06● 階段を覆うようにひな人形が並べられる「かつうらビッグひな祭り」でも有名な遠見岬(とみさき)神社。

    さてさてイベント最後のアクティビティです。14時からは遠見岬(とみさき)神社で、宮司による普段は入れない社殿、展望広場の特別案内がありました。毎年私たち家族の年越しは勝浦。初詣はこの神社です。私にとって世田谷の八幡宮と同じくらいゆかりのある場所かもしれません。

    御神輿

    御神輿を見せていただきました。

    勝浦は自然が美しい半面、厳しい場所でもあります。何百年か前の大津波ではすべて流されたことがあるそうで、山の上に神様を移したこと。一見、木のように見える灯籠ですが、強い海風によって折れてしまう可能性があるため、より強度と耐用年数のある強化コンクリート製にしてあること。いろんな裏話が聞けて楽しかったです。

    特別展望広場からの眺望

    遠見岬神社の上にある特別展望広場。

    この広場は普段クローズ。こんな場所があることを知らなかったです。

    勝浦港の夕景

    ここから見る傾き始めた太陽、穏やかな海はまさに絶景でした。

    勝浦は山あり海ありなアップダウンが、いい景色を作り出しているんです。

    遠見岬神社

    再び勝浦駅へ、そして、ゴール!

    ゴールの勝浦駅へ到着

    ●15:44● たくさん歩いたー。おつかれー。楽しかったね。

    1日たっぷりどこにいても青い海が見える勝浦を歩き回りました。34年間通っていても知らなかったこと、行ったことの無い場所もあり、勝浦は想像以上に奥深い土地だなと。新たな楽しい学びがたくさんあった「駅からハイキング」に感謝です。皆さんもぜひ勝浦に遊びに来て、今回紹介したルートを周ってみてください!

    勝浦市観光協会

    • URL:https://www.katsuura-kankou.net
      ~勝浦の楽しみ方や、旅しながら働ける「ワーケーション」情報などが掲載されています。旅の参考にチェックしてくださいね!
    私が書きました!
    旅のエッセイスト
    国井律子
    1975年東京生まれ。大学卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌でエッセイスト・デビュー。現在は、オートバイのほか、旅、クルマ(キャンピングカー所有)、自転車、サーフィン(ショートもロングも)、スノーボード、ファミリートレッキングなど多趣味をいかしたエッセイを執筆中。旅が好きなのと同時に、おうちも大好き。家での一番の趣味は収納(整理収納アドバイザー1級資格取得)。いかにラクするか考えること、「時短」という言葉も大好き。嫌いな言葉は「二度手間」。インテリア、ネットショッピング、お取り寄せグルメ・酒、手抜きおつまみ作りに熱心。「痩せたい」というのが口癖。直近は苦手な掃除をがんばっている。飼い犬はボストンテリア。ふたりの男児の母でもある。https://ameblo.jp/kuniritsu/

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