日本では、聞き馴染みがないランブリング。ただ、ランブリングという言葉を使っていないだけで、日本でも多くの人が行っています。そんなランブリングをより楽しく、快適にするためにと誕生したブランドが「Caledoor(カレドアー)」です。そのこだわりと、アウトドアにおすすめのアイテムをご紹介します。
そもそもランブリングとは
ランブリングとは、ひと言でいうと歩く旅のことです。歩くことが目的のウオーキングとは違い、何かを目的に歩いて出かける旅のことを意味します。例えば、自然観察や撮影、史跡めぐりのほか、お遍路さんもランブリングです。近所の公園に散歩に行って、季節のお花を愛でるのもランブリング。みなさん日常的に行っていますよね。この歩く旅の文化は、18世紀末ごろからイギリスで広まりました。産業革命で郊外から都市に人が集まり、休日にリフレッシュするためにきれいな空気を求め、郊外などへ散歩感覚で出かけていたことから広まったといわれています。ランブラーと呼ばれ、50万人もの人々が歩く旅を楽しんでいたそう。
そんなランブラーのための道もあります。それがフットパスです。フットパスとは、風景を楽しみながら歩くことができる小径のことで、イギリスには、フットパスが網の目のように存在します。
「毛細血管のように広がっていますよね。フットパスを歩けばすべてロンドンにたどりつくと言われているんですよ」と、Caledoorを取り扱う渡辺産業の吉村健太さん。
フットパスのマップはウェブで見ることができます。確認すると、ロンドンの中心地に入るとフットパスが少なくなっています。休日に郊外へきれいな空気を求めて歩いたということが想像できますね。村ごとに、フットパスのマップなども作られていて、ここがフットパスであるということは、それぞれの小径に矢印のマークで表示されています。しかも、公道はもちろん、私道であっても、フットパスは誰が歩いてもいいそうです。住んでいる人々に、しっかり根付いた歩く文化であることがわかります。
ランブラーに向けたブランドとして「Caledoor」が誕生
ランブリングが昔から愛されているにもかかわらず、それに特化したブランドがなかったことから誕生したのが「Caledoor」です。アルパインやトレイルランなどのハードなアクティビティではなく、都心と郊外での歩くツーリズム「ランブリング」に合った機能性をもつディテールや素材が選ばれています。その思いは、ブランドのロゴに表されています。よく見ると、フットパスの標識と同じ矢印です。郊外へ向かうことをイメージして大きな矢印が外向きに、ロンドンへ戻るイメージで小さい矢印が内側を向いています。また、昔の人は星で方位を確認して旅をしていたことから、矢印5つを組み合わせて星を表現しているそうです。
「Caledoor」では、オーバースペックやテック素材になりすぎないけれど、屋外を歩くために必要な機能を備え、日常使いでき、世代を超えて長く愛用してエイジングを楽しめるものづくりを行っています。
歩くためのこだわりがさりげなく詰まったコレクション
ランブリングには、近所を散策するショートランブリングと、遠くまで出かける旅のロングランブリングがあります。今回は、どちらにもレイヤード次第で活用できるおすすめアイテムをピックアップしました。
ランブリングから通勤まで大活躍のバッグとハーフジップニット
歩いて出かけるための最低限のグッズがコンパクトに収納できるランブリングバッグです。写真のようにチェストバッグのように持てるほか、ショルダー、ウエスト、ボディバッグと4WAYで使えます。
撥水生地に止水ファスナー、外側にはメッシュポケットがあり、濡れたアイテムを入れられます。ドリンクボトルや折り畳み傘を入れられて便利。反対側にもメッシュのポケットがあり、サイドにもちょっとした小物が入るポケットがあります。
内側もポケットがあるため、ポーチを多用することなく、小物が収納できます。
実物を見てコンパクトに感じましたが、吉村さんは、ランブリングバッグで通勤やデイハイクを楽しんでいるとのこと。デイハイクに行くときの中身を拝見。こんなに入るそうです。
中身を見たときは詰め込み過ぎでは?と思ってしまいましたが、持ってみるとそんなに詰め込んだ感がありません。見た目以上の収納力です。
4WAYのバックル部分は、見た目がスタイリッシュというだけでなく、ワンタッチでチェストからショルダーへと変えられるのも快適です。3WAYや4WAYでも、最初に使い始めた形で使い続ける人が多いため、ワンタッチで変更できる仕様にしているとのこと。これはうれしいですね。
着用しているニットは、イギリスニットブランドのマカラスターに完全別注したという希少なブリティッシュウールを使用したハーフジップニットです。本家のマカラスターでは見かけないハーフジップ。しかも、2本の違う色を撚ったオリジナルの糸で編み上げられています。
寒いアウトドアでは首元を温めたいですが、歩いていると汗をかくこともあります。そんなときに、ハーフジップにすることで涼をとることができます。製造過程では、かなりの手間がかかりますが、心地よく歩くために妥協せず作られたニットです。
リバーシブルを楽しみたいフリースベスト
季節の変わり目や寒い日にアウターの上にも着られる便利なアイテムが、リバーシブルナイロンリサイクルフリースベストです。フリースに柄をプリントするとオリジナルの柄が引き立たないことからジャガード織りにしたというこだわりぶり。
リバーシブルの片面には、リップストップナイロンが使用され、キャンプのときは、こちらを外側にして着るのもいいですね。リバーシブルを最大限に楽しめるフリースベストです。
フリースジャケットもリバーシブル
ベストだけでは足りないくらい寒い日には、リバーシブルナイロンリサイクルフリースジャケットがおすすめです。ハーフジップで、こちらも首元の開閉が手軽で、歩いているときの気候によって調整ができます。
リバーシブルでカラーが変わるだけでなく、ファスナーからスタッドになることで、かなり印象が変わります。
「Caledoorのアイテムは、大人が着られるアウトドアウエアです。2023年の秋冬コレクションはリバーシブルアイテムが多いですが、すべて両A面です。」と、片面がサブ扱いのB面になりがちなリバーシブルウエアで、両方が主役であると、吉村さんは話します。
オールシーズン活用したいビッグシルエットのウールシャツコーデ
羽織物としても活躍してくれるウールチェックシャツは、なんだか懐かしく感じるチェックですが、色、柄共にオリジナルです。スーパー120という高級スーツに使用される糸を贅沢に使用し、織った後に水洗いして古着っぽく仕上げられています。ウールは、歩いているときの体温調整に優れた素材であることや、襟が風よけのほか、紫外線から首元を守ってくれます。シャツジャケットとしても着用できるため、オールシーズン活躍します。
これからの季節なら、メリノウールハーフジップセーターの上に羽織るのがおすすめだそう。ハーフジップは、歩く人にとってかなりおすすめアイテムなのですね。ジップの素材にもこだわっているので、首元のアクセサリー代わりにもなります。ベースレイヤーのメリノウールのカットソーと重ね着すれば、真冬もあったかです。
ボトムスに合わせたのがモールスキントラウザーです。モールスキンといえばブリスベイン・モス製といわれるほど有名な会社がありますが、あえて日本製を選んでいるとのこと。より良い素材を追求した結果、日本製になったそうです。デザインは、英国のオーバーパンツがベースになっています。6ポケットにミニのポケットもあり、ショートランブリングなら、バッグなしでも出かけられそうです。
オーバースペックではなく、国内の低山ハイクなら十分なスペックをもっている「Caledoor」。天然素材の力を十分に発揮させたものづくりを行い、日常使いもしやすいようロゴも控えめです。メンズと表記されていますが、ほとんどのアイテムがユニセックスです。こだわりのものづくりで、価格だけを見ると高いかなと思うかもしれませんが、長く愛用でき、エイジングも楽しめます。親子2代、3代と受け継いでいってもらいたいとの思いが込められていて、自分が愛用していたアイテムをわが子に譲って、一緒にランブリングするというのもすてきだなと感じました。
Caledoor
https://caledoor.jp/