ギア好きなら知っておきたい!ランタン&ストーブ130年の歴史をまとめて紹介
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    2023.12.04

    ギア好きなら知っておきたい!ランタン&ストーブ130年の歴史をまとめて紹介

    ストーブStoveの歴史

    ’90年代までは欧米製が全盛。21世紀は日本製が大躍進!

    アウトドア用ストーブの歴史を語るうえで欠かせないのは、やはりプリムスのパラフィンストーブ。北極探検家フリチョフ・ナンセン、人類初の南極点到達を果たしたロアルド・アムンゼン、そしてエベレスト初登頂を果たしたエドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイ──。これら冒険家たちの偉業達成に貢献したのは、プリムス製のストーブだった。その完成度の高い構造とデザインは、ホエーブスやマナスルなどにも模倣されるほど優れていた。
     
    時代は飛んで、’73年、米国MSRによる分離型ストーブの登場も、センセーショナルなできごとだった。それは、燃料とバーナーが別体になっていて、低重心で安定性が良く、雪を素早く溶かせるほどの火力を発揮。のちに登場してくるガスの分離型ストーブのヒントにもなった。
     
    そして、日本人として声を大にしてアピールしたいのが、’98年に登場したスノーピークの「ギガパワーストーブ〝地〟」の誕生である。シャツの胸ポケットにも入るコンパクトさで、90gを切る軽さを実現し、翌年からは米国市場にも進出。
     
    さらにはSOTOが、連続使用や低温時に起こるガス缶の内圧低下に影響されにくく、マイナス5度Cでも常温時と同様に高火力で燃焼するマイクロレギュレーターという機構を開発。米国開催のショーで発表したときには、他社の開発担当者が見学のためにブースを訪れたという。それほど画期的だったのだ。
     
    いまや欧米のアウトドアショップにも日本のストーブが売られるようになったことは、とても誇らしいことだ。

    1849
    世界初のポータブルストーブ誕生!

    世界初のポータブルストーブ

    フランスの料理家、アレクシス・ソイヤーが発明し、長年にわたり英国軍で使われていた。

    1880’s後半
    パラフィンストーブ開発

    煤の出ないストーブ

    スウェーデンの発明家、ヴィルヘルム・リンドクヴィストが開発した煤の出ないストーブ。

    1892
    プリムス創設

    1899
    オプティマス創設

    1918ごろ
    ホエーブス・ストーブ誕生

    ホエーブス・ストーブ

    オーストリア軍の要請で生産開始。かつては日本でも多くの山岳部や登山隊に使われた。

    1938
    プリムスがLPGストーブの開発に着手

    プリムスのLPGストーブ

    プリムスがLPガス器具の開発を開始。写真は’60年に日本に紹介されたガスストーブ。

    1942
    コールマン、米軍にG.I.ポケットストーブを納入

    G.I.ポケットストーブ

    第二次世界大戦中、連合軍の北アフリカ侵攻に向けて製造された小型ストーブ。

    1953
    プリムス製ストーブを携行したヒラリー&テンジンがエベレスト初登頂に成功!

    image

    氷点下の高所や極地でも機能することが証明され、世界中の冒険家に愛用された。

    1973
    MSRが、世界初の分離型ストーブ「Model9」を開発

    MSR、世界初の分離型ストーブ「Model9」

    少しでも早く雪を溶かして飲料水を作り、登山者の安全を守るために開発された。

    1994
    世界初のチタンバーナー誕生(プリムス)

    世界初のチタンバーナー

    本体重量わずか95g。たたむと厚さが25㎜! 燃焼器具メーカーの古豪、面目躍如の一作だ。

    1996
    世界初の触媒燃焼ストーブ発売(キャンピングガス)

    世界初の触媒燃焼ストーブ

    強風下でも影響をほとんど受けることなく、安定して燃焼する触媒燃焼構造を採用。

    1998
    世界初のメタルファイバー採用ストーブ「P-121」登場(プリムス)

    世界初のメタルファイバー採用ストーブ

    多孔性のあるメッシュ状のバーナー孔を持ち、ガスと空気がよくミックスされる構造を採用。

    1998
    (当時)世界最軽量コンパクトなガスストーブ誕生(スノーピーク)

    image

    90gを切る軽さで超コンパクト。翌年には米・バックパッカー誌の賞を授与されたモデル。

    2003
    パーソナルクッキングシステム「ジェットボイル」誕生!

    ジェットボイル

    バーナーの熱を素早くクッカーに伝えることで、超高速ボイルを可能にした画期的システム。

    2009
    SOTOがマイクロレギュレーターストーブを発表

    マイクロレギュレーターストーブ

    外気温に左右されにくく、マイナス5度Cでも火力が低下しない機能を独自技術で搭載。

    2011
    SOTOがプレヒート不要のガソリンストーブを発売

    SOTOのガソリンストーブ

    ガソリンストーブのマスト儀式であったプレヒートを必要としない革新的モデル。

    ※構成/坂本りえ

    (BE-PAL 2023年12月号より)

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