アメリカに拠点を置くフットウェアブランド「HOKA(ホカ)」は、ランニングからトレラン、トレッキングまで幅広いシューズを販売し、いま勢いのあるブランドのひとつだ。筆者は同ブランドの愛用者のひとりで、昨年4月にレビューしたアナカパ ロー GTXは年間を通して履き続けている。
この度、こちらのバージョンアップ版「アナカパ 2 ロー GTX」が新登場。ちょうど前作がボロボロになったので買い替えようと思いこちらを購入したので、前作との比較や履いた感想などを紹介する。
前作よりスマートに進化したニューモデル
今回紹介するアナカパ 2 ロー GTXは、ハイキング向けに開発した、軽さと防水性を備えたローカットシューズ。サトウキビ由来の素材を30%取り入れたEVAミッドソールやリサイクル素材を採用したメッシュ生地など、いたる箇所に環境に配慮した部品を使っているのが特徴だ。
しかも、いま業界的に話題となっているPFC問題にも前向きで、こちらにはPFCフリーの撥水加工を施している。
360度商品を見てみよう。バックステー(アキレス腱を覆う履き口の後ろ部分)はシュータンとほぼ同じくらいに設定され、運動しても脱げにくく設定されている。
アウトソールが分厚いのはホカの魅力だが、オフセット(シューズのフロントとバックの高さの差)は8mmとなっている。この数字が高いほど重心移動がしやすく前への推進力が上がり、これはほかのシリーズを見ても高い数字である。
そのほかの機能を見てみると、ゴアテックスはインビジブル フィットというテクノロジーを採用しており、従来品と比べて防水透湿性はそのままにアッパーとの密着度を高めることで、足への圧迫を減らして快適性が上がる。
実際にアナカパ 2 ロー GTXを履いてみた感想
ディテールを見たところで、次にアナカパ 2 ロー GTXを実際に履いた感想を紹介する。ボリュームのあるソールが印象的で、足元に強いインパクトを与えてくれる。
とはいえ、こちらのデューン / オックスフォード タンは地面に馴染む色なので、土の上では自然な佇まいでインパクトを和らげてくれる。アウトドアシーンにはちょうどいい。
同商品のかかとには、拡張ヒールジオメトリーという二分したデザインが採用されており、地形があまり良くなくても安定走行が可能。キャンプでも登山でも、これのおかげで足をくじにくくなる。
アウトドアシーンなら安定感とスムーズな足運びに注目したいが、街中ならクッション性を実感してもらいたい。かかとから着地してつま先で地面を蹴るところまで、膝への負担はほぼなかった。ウォーキングをする人にもおすすめしたい。
前作と今作を比べてみた
最後に、ディテールを見たところで、次に前作の1と今作の2の違いを比べてみよう。1は履き潰してしまいボロボロであることをご了承いただきたい。
細かく見るとデザインに多少変更点はあるが、アウトソールやクッション部などは前作を踏襲しており、1を使っていた人が2をそのまま引き継いで履いても問題なさそうだ。
アナカパ 2 ロー GTXで気になったこと
個人的には前作と比べて引けを取らない上質な履き心地ちだが、気になるところもあった。おもに3点。
1点目はアッパーの空間。ゴアテックス ファブリックとアッパー生地の密着度を高めたことで圧迫感はたしかになかったが、靴下の生地が薄いとその空間が結構空いてしまい、歩いた際にペコペコと音がしてしまう。ソックス選びは大事だろう。
2点目はフィット感。前作はプルタブが付いている箇所がしっかりと足首を固定していたが、今作は一体化している。もちろんしっかり靴紐を結べば問題ないが、このパーツののあるなしでフィット感が変わるのは意外だった。個人的には、激しい運動場面ではこれがあったほうがいい。
3点目はメッシュ生地がやや多いこと。前作はレザー部が多くトレッキングシューズ感がはっきり出ていたが、今作はトレッキングというよりランニングシューズに近い印象を与える。メッシュ生地にしたことで軽くなったわけではないので、見た目重視の人は前作と今作とで好みが分かれそうだ。
前作のDNAを引き継いだ名作シューズの誕生!
気になったところはあれど、履き心地の良さは申し分なく、なおかつ悪天候だった「BE-PALアワード」の収録でも中に雨が入ることなく快適に履けたのは好印象だった。前作を履いたことがない人でも、アナカパ 2 ロー GTXを履けばきっと気に入るだろう。
ホカ「アナカパ 2 ロー GTX」
価格:¥35,200
サイズ:25.0〜30.0cm
重量:435g
カラー:3色展開
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