登録者数30万人超とYouTubeも人気の自衛隊出身芸人・トッカグン小野寺さん。そんな小野寺さんが、初心者にはややハードルが高く、「うまく使いこなせない…」という人も多い“飯盒”の活用法をレクチャー。飯盒を使った簡単でうまい!サバイバル飯を紹介します。第1回は、飯盒の基本である「炊飯」です。
1膳目「ご飯と味噌汁」
どーもこんにちは!
元自衛隊芸人のトッカグン小野寺耕平と申します。
皆さん、キャンプ・アウトドアとの最初の出会いは、もしかして小学校などで体験した『飯盒炊爨』(はんごうすいさん)という方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?
あのとき使った、そら豆型の調理器具。そう、飯盒!
実は、飯盒はとても魅力的なアウトドアギアなんです。
調理器具、食器、バケツ、保存容器と、様々な用途に使えてシンプルかつ機能的ということもあり、近年アウトドア界隈で改めて注目を集めているアイテム。そこで、今回からトッカグン小野寺が飯盒を使用して作る極上サバイバル飯を紹介していきます!!
そもそも飯盒って?
まずは基本スペックについて簡単にご紹介します。飯盒の構成は、本体、掛子(=かけこ・かけご。中子・中蓋とも)、蓋という3つのパーツ。種類は大きくわけて2つあり、『兵式飯盒』と『戦闘飯盒』です。
私が愛用しているのは兵式飯盒。この違いは何かと言うと、内容量。兵式飯盒は4合炊き、戦闘飯盒は2合炊きです。ソロキャンプにもピッタリな戦闘飯盒が特に人気で、ふるさと納税の返礼品になっているところもありますね。
また、戦闘飯盒は掛子に蒸気が通る穴があるため、掛子を使って蒸し料理をしたり、本体で汁物、掛子で炊飯というように同時調理がしやすい特徴もあります。
そんな飯盒の誕生秘話。
実はいたってシンプルで、かつての日本軍の兵士たちの「戦場でもコメが食いたい!」という思いから考案されました(当時の兵士の主食は西洋を真似してクラッカーだった)。深さもあって汁物も調理できるので、当時の兵士たちは米担当と汁物担当というように、それぞれの飯盒で役割分担して皆の食事の支度をしました。
そして、あの独特のそら豆型。
炊飯を目的に開発されたなら、何故お釜のように丸型じゃないのか?それは野外での炊飯のため、兵士たちが携行するという前提があったから。背嚢に入れる際、丸型と比べてそら豆型は凹みが腰にフィットするのでデッドスペースができにくく、携帯性が高まります。
また、調理の際に複数の飯盒を並べて火に焚べる時にも同じくデッドスペースができにくいので最低限のスペースで済みます。更に、四角いと炊飯時に対流がうまくいかず美味しく炊けないため、米を均一に炊ける形を求めた結果、そら豆型に行き着きました。
こうした試行錯誤の末に完成した日本軍の飯盒は、現代の私達のアウトドアライフにもピッタリな特徴をもったギアとして愛され続けているわけです。
前置きが長くなりましたが、今回は飯盒の基本のキ。
米を炊いてみよう!!米のとぎ汁は捨てずに味噌汁に使いましょう。
飯盒でうまいご飯の炊き方を伝授!
材料(2人分)
味噌汁用
作り方
1:米を計る(飯盒の掛子擦り切れ1杯が2合、外蓋擦り切れ1杯が3合なので、計量カップがなくてもOK)
2:2〜3回米を研ぎ、掛子で抑えて水を切る。その際に研ぎ汁を味噌汁用に取っておく
※昔の研ぎ方は、飯盒に蓋をしてシャカシャカ振っていた
3:飯盒本体にある水計り筋(ハカリスジ)の2合の線まで水を入れる
4:30分程度浸水させる
5:弱火〜中火で18分加熱
6:中の水分が沸く音が収まって湯気が止まり、パチパチ音がしてきたら火から下ろし7分蒸らす
7:蒸らす時間を活用して味噌汁を作る
8:取っておいた研ぎ汁に鰹節、かぼちゃを入れて火にかけ、かぼちゃに火が通ったら味噌を入れて沸騰させないように混ぜたら完成
さぁ、飯盒の蓋を開くとホワワワ〜ンと蒸気が上がりホカホカごはんが炊けています。箸が止まらない!
研ぎ汁を活用した味噌汁も米の甘みが足されて旨味になり、抜群!!
直火で炊く米の醍醐味であるお焦げが好きな人は、パチパチ音がしてからも1分程度火にかけ続けてください。逆に、焦げ付きがない状態で炊きたい人は、パチパチ音に変わった瞬間に蒸らしに入るのがポイントです。
皆さんも是非お試しあれ。
本日はこれまで、それじゃーまた!!
今回紹介したレシピは、動画でもご覧いただけます。