日本RV協会がキャンピングカー業界の動向とユーザーの現状の調査を行なったところ、キャンピングカーの総保有数は10万台を超え、業界全体の売り上げは約365億円に達したことがわかりました!
日本のキャンピングカー総保有数は、10万400台
日本RV協会に所属するキャンピングカー事業者が2016年に出荷および輸入したキャンピングカーの総台数は、5364台、配車台数は118台であることがわかりました。そこに、これまでの保有台数(推定9万5100台)を足すと、日本国内におけるキャンピングカーの総保有数は、約10万400台となります。
国産車ではリーズナブルな価格帯である「バンコン」の伸び率が高い
2016年度の国産キャンピングカーの新車総出荷台数は、軽自動車キャンピングカーを含め4868台。これは2015年の4968台を100台下回る数値です。
2015年では1349台を記録していたキャブコンが今回は1173台に減少。また、バスコンも66台から56台に減少。さらに「8ナンバー以外」に区分される車両も軽自動車ベースを含めると、1830台から1745台に減少という結果に。
しかし、逆にバンコンは1682台が1810台に増加。2015年は7台でしかなかった国産キャンピングトレーラーも、今回は一気に50台まで記録を伸ばしています。
軽ベースを入れた「8ナンバー以外」の車両は、全体としての出荷台数を落としていますが、軽ベースを除いた車両(主にワンボックス系)は、ここ4年間で右肩上がり。前回の1196台を大幅に上回る1344台を記録しています。
今回キャブコンが若干台数を落としたのは、近年その一部の車両価格帯が高額域に推移してきているそうで、購入者層が限定される傾向が生まれてきた可能性があるせいとのこと。
一方では、キャブコンでも車両価格をリーズナブルな範囲に抑えているタイプも普及。今後はそのような車両を軸として台数が増加することも考えられそうです。
軽キャンピングカーを除いた「8ナンバー以外」の車両と「バンコン」が伸びてきているのは、ブームというよりすでに文化として、定着してきた車中泊人口の増加が影響しているからでしょうか。
「8ナンバー以外」の車両コンセプトは車中泊を想定したものつくりを志向していて、ベッド機能以外の装備面を簡素化する傾向があるため、結果として購入しやすい価格帯を実現しています。
バンコンの場合は、車種バリエーションが広範囲にわたっており、本格的に内装を作り込んだ高級キャンピングカーもある中、「8ナンバー以外」の車両に近いシンプル装備のキャンピングカーも増えています。そのような仕様のタイプは、「8ナンバー以外」に近い価格帯になっているのです。
バンコンと「8ナンバー以外」のふたつのジャンルが増加傾向を示したのは、これらのリーズナブルな価格帯を実現した車両が増えてきたことが背景になっていると思われます。
輸入車は大幅に台数が伸びている
2016年に海外から国内に持ち込まれた輸入キャンピングカーの総台数は、2015年の296台を大幅に更新する496台を記録。ここしばらく漸減傾向が続いた輸入状況にストップがかかっています。
輸入車は、2013年に342台の輸入台数を記録して以来、2年連続300台を割り込んでいましたが、2016年には大きく飛躍し、一気に500台に迫る数字(496台)を達成。
ジャンル別に分けてみると、クラスA(フルコン)が30台から40台に増加。クラスB(バンコン)が19台から53台に増加しています。クラスCのみ103台から73台に減少しましたが、キャンピングトレーラーは136台から327台へと躍進するなど、全体的に増加傾向にあります。
ヨーロッパと北米で比較してみると、すべてのジャンルにおいてヨーロッパ車の輸入台数が上回る結果になっています。
売り上げ金額は、業界全体で約365億を突破
過去最高を記録した2015年度を上回り、2016年度は365億4291万円を達成。その理由としては、出荷台数が下回っていますが比較的高額価格帯に収まる傾向の強い8ナンバーの新車が微減ながらも前年の約195億円に続く約194億円を維持したことが考えられます。また「8ナンバー車」の中古車も96億円台で、ほぼ2015年と同じであったことも理由のひとつです。
2015年度では、約55億を計上した「8ナンバー以外」の新車は、2016年度は約61億へ。また2015年度約11億を記録した「8ナンバー以外」の中古車は、2016年度は約14億円へとそれぞれ売り上げを伸ばし、合計売り上げ金額を底から支えています。
【キャンピングカー業界調査の概要】
調査対象:日本RV協会会員のキャンピングメーカーおよび販社103社
調査期間:2016年1月~12月
※同データにおいては協会非会員事業者による登録・販売数は含みません。