ワッチは3つの時間帯によってグループに分かれていて、10時~14時(22時―2時)、14時~18時(2時―6時)、18時~22時(6時―2時)です。私は全て経験したことがあります。好きなのは朝日と夕日時に見張りができるワッチです。どの時間にもそれぞれ見えるものが違ったりしますが、夜が朝へ、朝が夜へ変わっていく瞬間が見られる時間が一番好きです。ナビゲーターにとって特にこの時間帯は、太陽が水平線に近づくので、いちばん正確な方向が分かる時間です。この時間に、カヌーが正しい方向に進んでいるのか、そして風やうねりはどの方向からきているのかなど、自然からたくさんの情報を得て、確認していきます。
カヌーで旅をしていると、日々ある当たり前のことが幸せや喜びになります。明日、いえ、1時間後には何が起きるかわからない海上では、ただ単に”いいお天気”なだけで、私たちはなんて恵まれているんだろうと思います。天気がいいだけで、最高な日になります。
カヌーのクルーには、どんなクレアナ(役割)があるかとういうと、キャプテン(船長)、ナビゲーター(航海術師)から、ウォッチキャプテン(班長)、航海術訓練生、ドクター(医者)、コミュニケーションオフィサー(無線係)、セイフティオフィサー(安全係)、メンテナンスオフィサー(点検係)、大工、電気工事係、コック(司厨長)、フィッシャーマン(漁師)、レスキュースイマー(救命係)、クオーターマスター(積み荷の管理)、サイエンティスト(科学者)などなど。キャプテンによっては、クルーの様子を見て、クレアナを変えたり作ったりする人もいます。
私は1年目の5レグの間、ナビゲーター訓練生、クオーターマスター、セイフティオフィサー、ウォッチキャプテン、フィッシャーマンの手伝いを任されました。