うどんに使われる小麦粉の種類
うどんは小麦粉から作られます。小麦粉を常備している家庭は多いですが、その小麦粉がうどんに適しているとは限りません。まずは、うどんに使われる小麦粉の種類について見ていきましょう。
うどんに使われるのは中力粉
小麦粉には、強力粉・中力粉・薄力粉の3種類があり、含まれるたんぱく質の分量により、以下のような基準で分類されています。
- 強力粉:11.5~12.5%
- 準強力粉:9~11.5%
- 中力粉:8~9%
- 薄力粉:6.5~8%
このうち、うどん作りに最も向いているのは中力粉です。強力粉はパン作りに、薄力粉はお菓子作りに適しています。
小麦粉のたんぱく質は、うどんのコシに関わる『グルテン』の量と考えて差し支えありません。硬すぎず柔らかすぎない、ちょうどよいコシを持たせるのが中力粉なのです。
なるべく新鮮なものを選ぼう
うどんのコシに影響するグルテンは、鮮度によってその性質が変化するといわれています。例えば、パンを作るなら熟成期間を置いた小麦粉がよいとされますが、うどんの場合は新鮮であることが重要です。
小麦粉のグルテンは新鮮であるほど伸びがよく、熟成するほどよく膨らみます。つまり、生地を引っ張りながら作るうどんには、できるだけ鮮度のよい小麦粉が適しているのです。
なお、小麦粉に使用される中力粉は、新しいほど黄色みを帯びていて、時間がたち酸化すると白っぽくなっていきます。ほんの1~2カ月で差が出てくるため、小麦粉はなるべく新鮮なものを選びましょう。
初心者でも使いやすい小麦粉2選
「うどんを打ってみたいけど、どの小麦粉を選べばよいのか分からない」という人は多いかもしれません。まずは、有名どころの小麦粉で手打ちうどんに挑戦してみるとよいでしょう。
ビオ・マルシェ「国産有機全粒粉」
有機野菜を宅配する『ビオ・マルシェ』の小麦粉です。表皮や胚芽もまとめて製粉した全粒粉なので、精製する小麦粉よりも栄養価が高くなっています。
一般的なうどんのイメージよりも濃い色に仕上がり、小麦本来の風味を強く感じられるのが特徴です。パン作り・お菓子作りにも活用できるので、手料理好きな人は一度試してみてはいかがでしょうか。
なお、宅配を依頼するには会員登録が必要ですが、お試しで利用したい場合は会員登録せずネットショップで購入が可能です。
- 商品名:ビオ・マルシェ「国産有機全粒粉」
- 公式サイト:商品はこちら
日清「手打ちうどんの小麦粉」
カップ麺や袋麺で人気の、『日清』が販売するうどん粉です。得意の製麺技術で、初心者でも失敗しにくく、色白のおいしいうどんが作れます。
大手製粉会社の小麦粉なだけあって、ざるうどん・うどんの詳しいレシピを紹介しているサイトがあるのもおすすめのポイントです。
袋の口はチャック付きになっているため、別途クリップを用意しなくても空気を抜いて保存できます。
- 商品名:日清「手打ちうどんの小麦粉」
- 公式サイト:商品はこちら
ご当地名産の国産小麦粉4選
うどんを手打ちする人の中には、思い描く理想のうどんがあることも多いでしょう。こだわりのうどんを打つのにぴったりな全国各地の国産小麦粉を、4点厳選して紹介します。
木下製粉株式会社「讃岐すずらん」
うどんと聞いて、香川県の讃岐うどんが頭に浮かぶ人は多いのではないでしょうか。『讃岐すずらん』は、手打ちの讃岐うどんの専門店で使われている小麦粉です。
うどんは、ゆでたそばからコシが衰えるため、日本一うどんを消費する香川県の名店では、ゆで上がってから2時間以上たったうどんは売りものにしないというこだわりもあるそうです。
讃岐すずらんで手打ちうどんを極めれば、ゆでたての本場讃岐うどんを自宅で再現できるかもしれません。
- 商品名:木下製粉株式会社「讃岐すずらん」
- 公式サイト:商品はこちら
沼田製粉株式会社「とやま県産小麦粉 ゆきちから」
富山県といえば、餅のようなコシの強さが特徴の『氷見うどん』が有名です。そんな力強い氷見うどんを目指すなら、たんぱく値が高い『ゆきちから』を使うとよいでしょう。
平たくて細い氷見うどんは、生地をもんで伸ばしてから切る『手打ち』と、練った生地を寝かせてから伸ばして切る『手延べ』の両方の製法があり、こだわり派の探究心をくすぐられてなりません。
なお、ゆきちからには、ストレート粉・一等粉・二等粉・全粒粉の4種類がありますが、うどんに適しているのはストレート粉です。
沼田製粉では、挽き方に工夫を凝らすことで、ゆきちからを生うどんや中華麺用にも使えるようにしています。地粉の豊かな風味ともちもちとした食感を楽しめます。
- 商品名:沼田製粉株式会社「とやま県産小麦粉 ゆきちから」
- 公式サイト:商品はこちら
モリカ米店「奈良県産小麦粉 中力粉 ふくはるか」
江戸中期に創業し、300年以上の歴史を持つモリカ米店では、国産の雑穀や古代米も販売しています。『ふくはるか』は、その国内屈指の老舗である、モリカ米店が販売する小麦粉です。
小麦の産地も製粉地も県内となる、生粋の奈良県産の小麦粉で、適度な弾力があります。ふんわりとした食感で、うどん以外にもお好み焼きや和菓子にも幅広く活用できます。
店内には、雑穀や古代米を使用した和風スイーツを提供するカフェも併設されているので、近県に住んでいるなら足を運んでみてはいかがでしょうか。
- 商品名:モリカ米店「奈良県産小麦粉 中力粉 ふくはるか」
- 公式サイト:商品はこちら
星野物産「風味豊かな上州地粉」
『上州』とは古くは上毛野国(かみつけのくに)と呼ばれていた群馬県、そして『地粉』とは日本産の小麦粉のことであり、『上州地粉』とは群馬県産の小麦粉ということです。
地粉らしくもっちりとした食感が特徴の小麦粉で、まんじゅうやお焼きにも使用されます。すいとんなら初心者でもおいしく作れますが、うどん粉として使うには若干の慣れが必要となるでしょう。
だからこそ、うどん打ちの上級者におすすめできる小麦粉です。腕に自信がついてきた頃に挑戦してみると、それまでとは違った出来栄えのうどんを味わえるかもしれません。
- 商品名:星野物産「風味豊かな上州地粉」
- 公式サイト:商品はこちら
まとめ
うどんは、材料が少ないために簡単だと思われるかもしれませんが、そのシンプルさゆえに繊細な感覚が必要とされます。そして、その違いから生み出される食感の差が、食通の好奇心を刺激するのです。
うどん粉におすすめなのは、『中力粉』に分類される小麦粉です。うどんに適した粘りがあり、ほどよいかみ応えのあるコシを得られます。
まずは、初心者でも挑戦しやすいうどん粉からスタートし、慣れてきたら全国各地の地粉にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。