【漕いで、釣って、食べて】カヤックフィッシング奮闘記Vol.39
カヤックフィッシングをはじめてから驚いたことのひとつに、イワシの数がある。春頃から、あちこちでイワシの大群に遭遇するのだ。はじめて見たときは『感動すら覚えた』が、それからも頻繁に出会うので、海ではそれほど珍しいことではない、というかわりと普通のことらしい。
ただ、イワシが何万、何十万という群れをなして自分のすぐ下を泳いで行くようすは、日常生活ではなかなか見る機会はないと思う。それを伝えるべく、これまでも何度か撮影を試みたのだが、どうしてもイワシが写真に写らない。
この日もすぐ出航して間もなく、すぐ目の前にナブラ(イワシの群れが海面付近で飛び跳ねるようす)を発見したが、写真だとこうなる。海面に少しざわついている部分があるのがおわかりいただけるだろうか。この、海面を波立たせている犯人がイワシなのだ。ちなみに、これはまだまだ小さい方。
恐らく、ワカシやサバなどの捕食者が下の層にいて、イワシは怯えて海面付近に逃げて固まっている状態なのだろう。ときには、それを鳥が狙う。たとえばこんな感じ。低空飛行した鳥が、弱ったイワシを上手にくわえたりしている。この下は、たぶん全体的にイワシの群れがいる。これも写真では雰囲気が伝わりにくいので残念なのだが、実際にはおびただしい数の鳥が周囲を飛んでいる。
岸釣りでも鳥山は稀に見ることが出来るが、沖の方が遥かに出現率が高く、すぐ目の前で起こる。ときには釣りをしないで、そういう光景を眺めたり出来るのも(釣り的にはチャンスタイムなのだが実際にはそんなに都合よく釣れない)、カヤックフィッシングの楽しみのひとつかもしれない。