暑い…。じっとしているだけなのに、汗が服の乾燥領域へと、どんどん侵食してくる。コレを書いている今、梅雨も明けていないのに、この真夏日和はなんたるコトか!? しかも、今夏は猛暑になるとのウワサが囁かれているではないか。想像しただけでも、うな垂れてしまう。これは、もう、逃げてしまいたい! さわやかな風が吹き、天然クーラー部屋状態の礼文島へ!
日本最北端の宗谷岬に対して「最北限」と呼ばれる礼文島。本州よりも緯度が高いため、集落から数分歩いた丘のような場所でも、珍しい高山植物に、いとも簡単に出会うコトができる。そのため、花好きさんには、言わずと知れた憧れの島のひとつでもある。私は高山植物はほとんど知らない。それでも、この島へ来たかった。理由は単純明快。日本最北限の宿に泊まってみたかったから! ただ、それだけの目的のために、東京からほぼ1日かけてやって来た。羽田空港から稚内空港まで飛行機で2時間弱(1日2本運行)。稚内から礼文島までフェリーで2時間弱(1日2~4便)。早朝に自宅を出て、宿に着く頃にはすでに夕方近くになっている。けっこう、いや、かなり遠い。しかし、北限の地なのだから仕方ない。と、言うか、それぐらいかからないと、逆に日本の端っこに来たありがたみに欠ける。稚内空港からも稚内港からも、おとなりロシアはサハリン行きの便が出ているほどの国境の場所なのだから。
最北限の島のさらに最北にあるスコトン岬。先の方に見えるのは、トド島。冬にトドがどっと押し寄せるといわれる無人島。晴れていれば、その先にサハリンが見えるそう。
この時期は、昆布漁もまっさかり! スコトン岬では、ひとつひとつ手作業で採る漁師さんの姿を見かける。贔屓目も入っているかもしれないが、礼文島の昆布は、どこの昆布よりも美味な出汁が取れる上に、出汁を取った後の昆布までもうまいっ!
スコトン岬から徒歩10分ほど南下したトコロ、集落の終わりあたりに草原がぶわっと広がる。ナウシカごっこができてしまうかもしれない、そんな場所。その中にポツンとたたずむ一軒屋。まるで『大草原の小さな家』!? (←すみません。映画見たコトないです。原作も未読…汗)ココこそ、最北限の宿「FEELD INN 星観荘」。オーナーの彦さん夫妻が営む小さく、月並みだがアットホームな宿。冬は一面、深い深い銀世界になってしまう礼文島。そのため、星観荘の営業期間は4月下旬から10月いっぱいまでの約半年限り! 行くなら、まさに「今」なのだ!