ぷかぷかと海の上で漂う斑模様の物体。え? 何? 岩? ゴミ? いえいえ、正体はアザラシの大群! コレが、日常風景ですか!?
人ではなくアザラシがひしめき合うトコロ、礼文島。世界から見たら、小指の爪程度にもならないほど、小さな島国・日本だけれど、それでもやっぱり、広いな~と思わずにはいられない。(と、同時に、もしや、コイツらも貴重な礼文のウニを食べてるんじゃ…!? 私にもわけてっ!と、悶々してしまうアタクシ…)
礼文島では「8時間コース」というトレッキングコースが有名だ。スコトン岬から礼文林道までの南北約30Kmを8時間かけて歩く。だが、私は南側の「桃岩展望台コース」も、ぜひ、めぐってみてと言いたい! 星観荘で出会ったゲストさんの案内で向かったのが、そのコース。2時間30分~3時間ほどでめぐれるお手軽コースだが、その短い間で、様々な花に出会え、景色の変化にも富んでいて、まったく飽きない。それどころか、しばらくその場にたたずんでいたいと思ってしまう場所なのだ。
ひとつひとつの花は小さくて控えめだけど、まぶしい緑の中に、ほんわか光がさしたかのように現れる。その姿は、そこに妖精でも住んでいるのかと本気で思ってしまうほどの可憐さと、鮮やかな色合い。
そして、なんと言っても、隣の島・利尻島の利尻富士が雄大に洋上に浮かんでいる姿を拝めるコト。これが、なんとも言えない。利尻富士は、なかなか全体を現してくれず、じらされまくる。凛々しいのに、乙女のような恥らいっぷり。そんな姿を愛でながら、カメラ片手にその瞬間を待っている時間も、また、心地いいのだ。頬にあたる風は湿気のないさわやかさ。霧であたりがかすんでくると、それは、天然ミスト。年中こんな環境で暮らせたらいいのに。