バイクをそのままテントの中に!ライダー特化型キャンプ場が兵庫県の丹波篠山に誕生
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    2024.01.04

    バイクをそのままテントの中に!ライダー特化型キャンプ場が兵庫県の丹波篠山に誕生

    CLUB SASAYAMA

    休日には大型バイクに乗ったライダー達が集うキャンプ場「CLUB SASAYAMA」。(写真提供/クラブ篠山)

    神戸市中心部から北へ車、いやバイクでおよそ一時間。丹波篠山市は大阪や京都からのアクセスもよく、古くから交通の要所として知られる場所だ。市街地から一歩外れると昔ながらの里山の風景が広がり、のんびりとドライブやツーリングを楽しむにはもってこいの環境が整う。

    周辺にはキャンプ場も数多く点在しているなか、2023年6月、この地にプレオープンした「CLUB SASAYAMA」は、バイク乗りをメインターゲットにしたキャンプ場。2024年春のグランドオープンを目指し整備が進む、同キャンプ場を訪ねてみた。

    大好きなバイクを眺めながら一夜過ごす…これまでにないキャンプスタイル

    国道372号線沿いにあるサイト

    国道372号線沿いにあるサイトはすぐそこに森が迫り、アクセスの良さと自然が調和する環境。

    テントサイトにクルマを横付けできるオートキャンプ場は数あれど、「テントの中にバイクを乗り入れることができるキャンプ場は、おそらく全国でもここだけでしょう」と胸を張るのは、CLUB SASAYAMAのオーナー横尾仁哉さん。敷地の広さは約1万1600㎡(およそ野球グランド一面分)。耕作放棄地で荒れ放題だった場所を自らの手でサイトへと整地した。

    そこに現在(2023年12月現在)、常設のテント2基、バイク乗り入れ可能なガレージテント5基、オートサイト数区画が並ぶ。もちろんグランドオープン時にはオートサイトが30区画となり、様々なスタイルのキャンプが楽しめる予定だ。そしてこのキャンプ場の象徴となるのが何と言ってもガレージテントだろう。

    オーナーの横尾さん

    オーナーの横尾さんはもともと自動車ディーラーからIT企業に転身し、コロナ禍を機に退職し「キャンプ場ビルダー」として、自らキャンプ場の整備を行うようになった。

    騒がしさを逆手に取って、ライダー達が気兼ねなく過ごせる空間を

    キャンプ場があるのは国道372号線沿いの旧耕作放棄地。国道は終日クルマやバイクの往来があり、決して静かな環境とはいいづらい。「通常のキャンプ場なら、夜もふけると周囲に気を使って静かに過ごすのがマナー。それが逆に息が詰まることも事実。少々騒がしいここなら、多少の音楽を流しても気にならない。あくまで良識の範囲内で音を立てても気にせず過ごせます」と横尾さんはこの地のメリットを語る。

    定員2名のガレージテント

    手前にバイクをそのまま乗り入れるスペースを設けた定員2名のガレージテント。コットなどを利用すれば3〜4名でも利用できそうだ。広さは18㎡、およそタタミ10畳分。

    たしかに大型バイクのエンジン音は迫力があり、住宅街や静かな森の中ではエンジンをかけるのも気が引ける。しかしここに集うのは大半がバイク好き。そんな音が心地の良いBGMにもなりえる。夜露が防げるテント内でバイクのちょっとした整備を行うにも便利だ。

    冬季はリビングスペースにコタツも完備

    冬季はリビングスペースにコタツも完備。電源もあるので電化製品も利用可能だ。ソファーは広げるとベッドにも変身する。

    ガレージテントは十分な高さを確保しているので、身をかがめる必要もなく、まさにガレージにいるかのごとく過ごすことができる。ドラム缶チェア2脚、焚き火台、ランタン、 石油ストーブ、大型BBQコンロが常備されているので、積載量が限られるバイク旅でもほぼ手ぶらで利用可能なのがうれしい。

    またテントをフルオープンにすれば空気の流れも確保され、テント内でBBQなども楽しめる。ただしあくまでガレージ用のテントゆえ、密閉性は保たれていない。夏の虫対策などは各自で行う必要があるだろう。同テントの利用料金は2名まで6000円。利用時間は11:00〜翌11:00までと、通常のキャンプ場より余裕ある設定だ。

    月極利用はカスタマイズもOKで、別荘やツーリングのベース基地として活用できる

    「CLUB NISHINOMIYA」の月極利用のガレージテントカスタマイズ例

    西宮市にあり、横尾さんが同じくオーナーのキャンプ場「CLUB NISHINOMIYA」の月極利用のガレージテントカスタマイズ例。まさに憧れのガレージハウスだ。(写真提供/CLUB SASAYAMA)

    ガレージテントの利用方法でもう一つ特徴的なのが、毎月14000円で使い放題の月極利用。この場合、内部を自分の思い描くままにカスタマイズすることができる。ソファを持ち込んだりウッドデッキを拡張したりと、工夫次第で居住性を高めて長期滞在でも快適に過ごすことが可能になる。

    テント内にバイクを置くスペースがなくなったとしても、管理棟に隣接する常設ガレージがあるので、その点も心配なさそうだ。またグランドオープンまでには、キャンプ場敷地内にシャワーブースや水洗トイレも設置される。

    バイクでのキャンプや長期滞在でネックとなるのが食事。積載量の限られるバイクでは、大量の食材を運ぶことは難しい。しかもキャンプ場周辺は、コンビニがあるものの大型スーパーマーケットがない。そこで活用したいのがキャンプ場に隣接するレストラン「丹波篠山モグ☆モグベース」。地元・丹波篠山の食材をふんだんに使ったメニューを味わうことができる。

    キャンプ場に隣接するレストラン「CLUB SASAYAMA」

    キャンプ場に隣接するレストラン「CLUB SASAYAMA」。7:30からモーニングセット(750円)も提供している。

    バイク乗り以外も楽しめるオートサイトも整備中!

    常設サイトはオートキャンプが可能

    電源、BBQコンロが常備された常設サイトはオートキャンプが可能。(写真提供/CLUB SASAYAMA)

    常設サイト

    常設サイトは2名まで8000円、一人追加2000円。「鉄のスペシャリスト」として知られる「ウィンナーウェル」の薪ストーブを常設したテントもある。

    ガレージテントが設置された同じスペースにある常設テント(2基)は、定員4名で車を横付けするオートキャンプが可能。それぞれしっかり距離が保たれているので、プライバシーも確保しながらファミリーキャンプが楽しめそうだ。さらにその背後に広がる斜面には、現在オートサイトも整備中。

    手前が芝生サイト、奥が森林サイト

    手前が芝生サイト、奥が森林サイト(4名まで一人2000円、一人追加1000円)。いずれもバイクや車の乗り入れができる。

    将来的には現地受付は、週末や休日以外は無人対応で行う予定。電話やネットで予約して、支払いは管理棟の集金ボックスに入金するシステム。基本的なレンタル機材や木炭などの消耗品も扱っており、すべて支払いは同じ集金ボックスにて行う。またBBQの食材も提供するプランも構想中とのこと。

    「大阪、京都、神戸のライダーが、ここを目的に集合してツーリングを楽しむには最適なロケーションです。周囲に気を使わず音も出せる環境ですので、いつか音楽イベントなんかもやってみたいですね」と抱負を語る横尾さん。2024年春のグランドオープン後は、キャンプ好きのライダー達の新たな拠点として、ますます注目を集めそうだ。

    CLUB SASAYAMA

    住所/兵庫県丹波篠山市小野奥谷302 TEL/090-8482-3386
    受付時間/10:00〜17:00
    URL https://clubsasayama-campfield.com/

    私が書きました!
    ライター/カメラマン/編集者
    藤川満
    大雪山山中での勤務、札幌の情報誌編集長などを経てフリー。現在は神戸を拠点にして、六甲山の茶屋の酒を目当てに登り、時に仁淀川や四万十川まで足をのばしカヌーで川を下る。全国各地の低山にも出没し、下山後の地酒に目がない日本酒党。「にっぽん百低山 吉田類の愛した低山30」(NHK出版)の執筆・写真・編集担当。

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