どこまでも続く山の景色。自然が生み出す舞台。
神奈川県が全国の登山者に誇る山、丹沢大山国定公園に属する塔ノ岳。
関東屈指の人気で知られるこの山は、豊かな自然と壮大な景色で多くの登山者を魅了してきました。
今回はそんな塔ノ岳を、絶景を見ることができるおすすめコースと一緒に紹介します。
塔ノ岳の基本情報
丹沢山を主峰とした神奈川県の山岳地帯である丹沢大山国定公園で、最も人気のある山がこの塔ノ岳。標高は1,491mです。
日本百名山のひとつでもある丹沢山まで登るには、少なくとも1泊する必要があるため、経由地点である塔ノ岳まで来て下山する日帰り登山者が多いです。
ちなみに塔ノ岳は日帰りできる、といっても往復にはかなり時間を要します。
しっかりとした計画を立てなければならない、中級者向けの山といえるでしょう。
壮大な山頂の景色を御覧あれ!
塔ノ岳を訪れる場合、主峰の丹沢山まで行かず満足できるのかと、心配になるかもしれません。しかし塔ノ岳は息を呑むほど美しい、素晴らしい山頂景色を持つことでも有名です。
晴れた日には、富士山を正面にして広がる山岳地帯を見渡すことができます。
日本が山岳の国だとわかる壮大な風景に、心打たれること間違いなし。人生に一度は見るべき絶景です!
まるで映画のような風景が、あなたの心を包み込んでくれるでしょう。
絶景を見ながら進む!おすすめの表尾根コース
塔ノ岳に登るには様々なコースがありますが、筆者がおすすめしたいのは表尾根コースです。
ヤビツ峠バス停から始まるこのコース最大の特徴は、複数の頂上を経由する縦走コースだという点。
縦走を行なうことからアップダウンも激しく、神奈川県秦野市観光協会によるマップでは往復で8時間程度とされており、相応の体力が必要です。
ただ、そんな険しい道のりなのですが、挑むだけの見返りがこのコースには存在するのです。
塔ノ岳表尾根コースの魅力と特徴
低山でも美しい稜線
都内から日帰りで登ることができ、かつ美しい稜線を見ることができる山は多くないです。
塔ノ岳の表尾根コースはそれを実現している、数少ないコースです。
二ノ塔・三ノ塔・烏尾山・行者岳・政次郎ノ頭・新大日・木ノ大日・塔ノ岳と複数のピークを越え、ところどころで美しい稜線を横目に、絶景を堪能しながら登ることができます。
きついアップダウンの道のりと対照的に、目の前には癒される絶景が広がる、登山の醍醐味を凝縮した魅力あるコースです!
整備された登山道
毎年多くの登山者が訪れることから、登山道はかなり整備の行き届いた状態です。
ところどころで現われる木道は足の負担をやわらげ、安心感を与えてくれます。
木道は被写体としても大活躍!塔ノ岳の絶景と木道のセットアップは映えること間違いないです。
風化による崩落跡
塔ノ岳や丹沢山をはじめとする周辺の山塊は、人間が生まれるはるか昔に日本列島に誕生しています。
神奈川県自然環境保全センターによれば、一帯は1700万年前に海底火山として生まれ、プレートの移動に伴って伊豆半島と衝突し隆起していってつくられたそうです。
丹沢の各所でオウムガイやサンゴの化石が発見されているのが、その証拠。
そのため、途方もない年月での風化は激しく、所々で崩落の現場を見ることもできます。
これもまた塔ノ岳の魅力として紹介したい要素の一つです。
集中が必要な鎖場
表尾根コースには鎖場と呼ばれる、鎖を用いて厳しい傾斜を登る箇所が存在します。
登るには体力と集中力が必要です。滑らないよう、手袋を事前に準備しておきましょう。
塔ノ岳登山に必要な準備
丹沢はツキノワグマの生息域
丹沢はツキノワグマの生息域として有名な土地であり、彼らに鉢合わせないようにする準備が必要です。
神奈川県のホームページでは遭遇を避けるため、熊鈴やラジオの装備を推奨しています。
またツキノワグマの出没情報を収集し、目撃情報などがある地域には近寄らない判断や、ツキノワグマの行動が活発になる朝夕や霧が出ている時の登山を避ける判断も必要です。
一般的に憶病な性格で、自ら人を襲いに来ることは考えにくいツキノワグマ。
出合わないための工夫や準備をして、鉢合わせてしまう状況を作らないことが大切です。
有料のトイレあり!
表尾根コース上にはいくつかのトイレが存在するため、おなかの緩い筆者も安心して登っています。
水洗ではなく微生物の力を借りて分解していくタイプのトイレなので、ペーパーは便器に捨てられません。
また、これらのトイレは全て有料で100円かかります。
絶対にペーパーとそれを入れるためのビニール袋、小銭を忘れないようにしましょう!
さいごに
いかがでしたか?
長い道のりでアップダウンも激しい塔ノ岳までの道のりですが、壮大な絶景や豊かな自然の面白みを感じることができます。
山頂での山岳風景は、あなたの心を癒してくれるはずです。
さぁ事前準備を万全に、ぜひとも神奈川県が誇る塔ノ岳にトライしてみましょう!
幼少期から亡き祖父と登山をはじめ、低山高山問わず全国様々な山に登る。現在も祖父の意志を継ぎ、強い情熱で日本の自然や山の魅力を発信している。