冬のキャンプで大切なのがシュラフ選び。「寒くて眠れなかった…」なんて経験はないだろうか? 『BE-PAL』編集部員や、アウトドアショップの名物スタッフ、アウトドアライターが最強の冬用シュラフを厳選。
CONTENTS
最強の冬用シュラフの選び方
冬キャンプに対応できるシュラフのポイント
秋田県南部の里山に生まれ、自然が身近に溢れる環境で育つ。釣り歴22年・キャンプ歴15年の生粋のアウトドア好き。過去には、アウトドア系の大手ECショップでバイヤーとして従事し、ルアー約10万点の販売管理を担当。現在はフリーのアウトドアライターとして活動。地元にキャンプ場と管理釣り場を作るために奮闘中。
寝袋を選ぶ際は、温度域に注目しましょう。たいていの寝袋には、快適使用温度・使用可能温度・限界温度の3つが書かれています。
それぞれの温度域の詳細は、以下の通りです。
快適使用温度:一般的な成人女性が、寒さを感じず快適に寝られる温度域
使用可能温度:一般的な成人男性が、寝袋の中で丸くなって8時間寝られる温度域
限界温度:一般的な成人女性が、寝袋の中で膝を抱えて丸くなった状態で6時間耐えられる温度域。低体温症の危険あり。
※上記の定義はEU諸国の統一規格で、ナンガやモンベルなどの大手メーカーが採用しています。
▼参考記事
キャンプ初心者は知っておくべき「寝袋」を選ぶ際に大切な3つのポイント
ダウンと化学繊維の特徴
1977年4月5日生まれ。株式会社ビーコン代表取締役。家族がいるのにもかかわらず、ソロキャンプ、ソロ登山、ソロ旅などなど、お一人様遊びをこよなく愛する風来坊。仕事の範囲は広く、アウトドアに関するプロジェクトの企画・コーディネート・運営の他、研修講師、ネイチャーインタープリター、場作りの仕掛け人も務める。著書『ネイチャーエデュケーション』(ミクニ出版)、『ブッシュクラフト読本 自然を愉しむ基本スキルとノウハウ』(メイツ出版)など多数。その他雑誌連載、テレビやラジオなど、アウトドア、幼児教育を主として多数のメディアにて活躍中。
寝袋は中身についても知っておきたい。なぜならば、化繊とダウンで特徴が大きく変わるからだ。それぞれの特徴を紹介するので参考にしてみよう。
ダウン
ダウンの良さは、なんといっても暖かいのに軽く、コンパクトに畳めること。天然素材のこの素晴らしい特性は、いまだ化学繊維で実現できていない。ただしダウンは濡れてしまうと一気にその素晴らしい機能を失い、寝袋としての仕事をしてくれなくなってしまう。もちろんそれを補う防水透湿などの付加価値を付けた寝袋の理想型ともいうべきものもあるが、値段がかなりしてしまう…。
化学繊維
ダウンのデメリットである「濡れに弱い」を大幅に改善した化学繊維でつくられた寝袋。素材によっては、中綿の化学繊維が濡れてしまっても寝袋としての機能を保ち、かつ乾きが早い特徴を持つものがある。そして価格もダウン製品と比べて安いというのがありがたい。ただし、この素晴らしい機能を持つ一方ダウンよりも重く、収納サイズが大きくなってしまう。昨今は、値は張るもののコンパクト性と軽さを求めた製品も出始め、今後の製品に期待をしたいジャンルでもある。
▼参考記事
ソロキャンプの夜を快適に過ごせる寝袋を選ぼう!
暖かいダウン素材の冬用シュラフおすすめ10選
適応温度-20度C~1度Cの冬用モデルをピックアップ
まずは登山、キャンプ、車中泊など、用途をある程度絞り込む。あとは、少々高価でも軽くて収納性に優れたダウンか、リーズナブルで濡れても保温性が低下しない化繊綿かの、どちらかを選ぶ。以下、2,000m程度までの高所からキャンプ場でのテント泊を想定し、適応温度が-20度C~1度Cのモデルをピックアップした。
※記事中の「FP(フィルパワー)」とは、ダウンの品質基準の一種で、数値が大きいほど良質であることを示す。
※適応温度について──「ヨーロピアン・ノーム」という温度規格を採用したモデルについては同規格の「LIMIT(下限温度)」を適応温度として表示した。
サーマレスト
ポーラーレンジャー -30℃
適応身長、または寝袋サイズ:身長183cmまで
収納サイズ:28×51cm
本体重量/中綿量:1,474g/970g
適応温度以外の公表温度域データ:限界温度/-30度C
極地探検家のために開発された撥水ダウン採用モデル。本当に無茶苦茶暖かい!足もとを素早く温めるフットボックスを内蔵。(FP値 800FP、適応温度 -20度C)
両サイドの開口部は温度調節だけでなく、寝袋に入ったまま両手での作業を可能に。
潜望鏡のような開口部は呼気による凍結を防ぐデザインで、ここにだけ化繊綿を採用。
背面には、マットからの〝転落事故〟を防ぐ、マット固定用伸縮ストラップ付き。
ナンガ
オーロラライト900DX(レギュラー)
適応身長、または寝袋サイズ:身長178cmまで
収納サイズ:21×41cm
本体重量/中綿量:1,400g/900g
適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-10度C
ボックス構造に、蓄熱・保温効果の高いチタンを特殊加工した素材を使用。厳冬期の高所登山にも対応するモデル。(FP値 760FP、適応温度 -19度C)
シー トゥ サミット
アセントAcⅢ
適応身長、または寝袋サイズ:身長183cmまで
収納サイズ:約20×43cm(実測)
本体重量/中綿量:1,325g/750g
適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-11度C、限界温度/-39度C
ダウンが偏りやすい上体部分を縦型バッフルにした機能的な構造。撥水性に優れた「ドライダウン」が封入され、左側を開くとキルトとしても。(FP値 750+FP、適応温度-18度C)
右側にあるハーフジップを開けると楽に体を起こせ、温度調節も自在にできる。
ナンガ
UDD バッグ 630DX(レギュラー)
適応身長、または寝袋サイズ:身長178cmまで
収納サイズ:17×31cm
本体重量/中綿量:1,045g/630g
適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-5度C
ダウンに超撥水加工が施され、結露などによる水濡れに強いのが特徴。広げると素早く膨らみ、寝床の準備もアッという間。(FP値 770FP、適応温度 -10度C)
マウンテンハードウェア
ファントム -9℃
適応身長、または寝袋サイズ:身長183cmまで
収納サイズ:18×38cm
本体重量/中綿量:964g/572g
適応温度以外の公表温度域データ:参考使用温度/-9度C
スリムなシェイプに加え、中綿が偏りにくい縦型バッフルのおかげで保温性バツグン。極薄シェルの採用で軽量性にも優れている(FP値 850FP、適応温度 -9度C)
ニーモ
リフ15
適応身長、または寝袋サイズ:身長183cmまで
収納サイズ:19×30cm
本体重量/中綿量:1,080g/540g
肘と腰周りがゆったりとし独自開発のデザイン。テントの結露などで湿気に触れやすい足もととフード部には防水透湿加工生地が使われている。(FP値 800FP、適応温度 -9度C)
上体部2か所のジッパーを開けることで、冷気を直接入れることなく温度調節が可能。
フード内側のポケットに着替えやピローを挿入。ズレることなく、朝まで快適に眠れる。
ジッパースライダーは生地の噛み込み防止パーツ付き。スムーズに開閉できる。
モンベル
シームレス ダウンハガー900 #1
適応身長、または寝袋サイズ:身長183cmまで
収納サイズ:直径16×32cm
本体重量/中綿量:782g/非公開
適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-2度C、限界温度/-27度C
「スパイダーヤーン」という特殊な糸を張りめぐらすことでダウンの偏りを防ぐ革新的な構造を採用。ストレッチ性もあり寝心地は良好。(FP値 900FP、適応温度 -8度C)
スノーピーク
バクー 550
適応身長、または寝袋サイズ:身長180cm程度まで
収納サイズ:21×34cm
本体重量/中綿量:1,120g/550g
適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-1度C、限界温度/-25度C
テントの結露に触れやすい外周部分に透湿防水素材が使われ、ダウンを水濡れから守る構造。内側には小物を入れておけるポケットが付く。(FP値 800FP、適応温度 -7度C)
イスカ
エアドライト480
適応身長、または寝袋サイズ:身長182cmまで
収納サイズ:16×32cm
本体重量/中綿量:870g/480g
適応温度以外の公表温度域データ:最低使用温度/-6度C
春から秋の低山での使用を想定したモデル。手持ちの寝袋と2枚重ねにするなど、工夫次第で冬でも平地でのキャンプ場泊に対応可能。
750フィルパワーの撥水ダウンを480g封入。首から胸にかけて縦に配置したセパレートボックスにより保温性を高めている。首回りにはU字型のショルダーウォーマーを配し冷気をしっかり遮断、保温効果を高めている。(FP値 750FP、適応温度 -6度C)
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ISUKA (イスカ) / エアドライト480
ウエスタンマウンテニアリング
フライライト
適応身長、または寝袋サイズ:56(身長165cm以下)、60(身長180cm以下)、66(身長200cm以下)
収納サイズ:15×25cm
本体重量/中綿量:365g/195g(以上サイズ60の数値)
適応温度以外の公表温度域データ:使用温度域/1度C
ボックス構造の寝袋で世界最軽量のモデル。単独では春~秋のテント泊に、冬は手持ちの3シーズン用と重ね使いするなど使い回しがきく。(FP値 850+FP、適応温度 1度C)
▼参考記事
暖かぁ~いスリーピングバッグ<ダウン> 16選!
コスパの高い化繊素材の冬用シュラフおすすめ3選
シンセティック(化学繊維)は、ダウンよりかさばるが、濡れても保温性が低下することなく、圧倒的にリーズナブルなのが特徴。家族分を揃えたり、荷物量を気にせず運べるオートキャンプ派にお薦めだ。
※適応温度について──「ヨーロピアン・ノーム」という温度規格を採用したモデルについては同規格の「LIMIT(下限温度)」を適応温度として表示した。
スナグパック
ソフティーエリート5 レフトジップ
適応身長、または寝袋サイズ:身長205cmまで
収納サイズ:26×32cm
本体重量/中綿量:2,400g
縮毛加工した超極細ポリエステル繊維を使い、ダウンに限りなく近い保温性を実現した独自開発の中綿「ソフティー」を採用したモデル。(適応温度 -15度C)
シー トゥ サミット
トレイルヘッドThⅢ
適応身長、または寝袋サイズ:身長183cmまで
収納サイズ:21×40cm
本体重量/中綿量:1,370g/非公開
適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-1度C、限界温度/-24度C
ウェーブ状中綿を2層に重ね、その間に暖気を保持する独自の「ウェーブロフト」構造を採用。ジッパーを全開すればブランケットにも。(適応温度 -7度C)
ニーモ
テンポ35
適応身長、または寝袋サイズ:身長183cmまで
収納サイズ:20×30cm
本体重量/中綿量:1,320g/740g
「スプーンシェイプ」の中で最もリラックス度の高いモデル。リーズナブルな価格も魅力で、家族分を揃えたいキャンプ初心者にもお薦め。(適応温度 -1度C)
▼参考記事
暖かぁ~いスリーピングバッグ<シンセティック> 4選!
アウトドアショップの名物スタッフが選ぶ!快適温度1度C以下のおすすめ冬用シュラフ4選
ヨシキ&P2 スタッフ
吉野時男さん
登山とスキー用品をメインに扱うアウトドアショップの名物スタッフ、吉野さんが選んだシュラフの中から、快適温度1度C以下のモデルを紹介。
イスカ
エアドライト670
使用サイズ:約80×213cm
収納サイズ:約20×34cm
重量:約1070g
適応身長:~182cm
素材:ダウン
下限温度:-15度C
750フィルパワーの撥水ダウンをたっぷり封入した秋冬モデル。従来の強度を保ちつつ、ダウンが見えるほど薄い生地の開発に成功。定番の台形ボックス形状で保温性も申し分なし。
内側にU字型のショルダーウォーマーを配し、冷気をしっかり遮断。
サーマレスト
ハイペリオン -6℃
収納サイズ:約15×20cm
重量:約577
適応身長:~183cm
素材:ダウン
快適温度:0度C
撥水加工を施した900フィルパワーのダウンを封入し、吸水しても乾燥が早い。裏側にはマットレスをくっつけられるループを設け、動いてもズレにくい。
ナンガ
エコバッグ350
使用サイズ:約80×190cm
収納サイズ:約13×25cm
重量:約350g
適応身長:~178cm
素材:ダウン
回収して再洗浄したリサイクルダウンを使用した環境配慮型モデル。上面と下面で異なったボックス構造にすることで、体のパーツごとに最適な量が当たるように設計した。
「下面にプリマロフトエコがある」と吉野さん。濡れても影響が出にくい。
スナグパック
ソフティーエリート4
使用サイズ:約150×220cm
収納サイズ:約24×28cm
重量:約1950g
素材:ポリエステル
快適温度:-10度C
英国軍御用達のブランドから、厳冬期でも使える本格モデルが発売。保温性の高い中空の化繊を採用し、下限外気温度は-15度C。購入しやすい価格も魅力のひとつだ。
2列のファスナーを採用し、ぴったりにもゆったりにもできる。タイトめに締めると、寝袋内のコールドスポットが減り、保温性が向上。ゆったりめに締めると、身幅が広くなって寝返りが打ちやすくなる。
長さも調整可能。裾を折り返してフックを固定すればショートスタイルに変えることができる。身長の低い人が使うときにも、足先に余る空間(コールドスポット)を減らすことで、足からの冷えを防ぐ。
中綿は体熱を反射し高い保温効果を発揮。
▼関連記事
Snugpak (スナグパック) / ソフティーエリート4 レフトジップ
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定番vs激安キャンプギア スリーピングバッグ13選
『BE-PAL』編集部員がおすすめ!ぽかぽか冬用シュラフ
軽トラに荷物をたっぷり詰めてフィールドに向かうビーパル編集者。たいていテント泊(たまに荷台泊)です。なお、真夏は化繊のシュラフ、もしくはトラベルシーツを使います。
朝までポカポカ!イスカ「ダウンプラス ポカラ X」
仕事にプライベートに、一年通じてテントで寝てばかりいる編集部早坂の愛用シュラフ、それがイスカ「ダウンプラス ポカラ X」。収納サイズはφ17×34cm ほど。重さ約1060gなので、バックパックに入れて持ち運べる。大きさは肩幅78cm、全長208cm。広々使え、窮屈さを感じることはない。
羽毛量は500gの700フィルパワー。メーカー公表値としてマイナス6度までの使用が可能。このダウンプラス ポカラ X、軽さや羽毛量以外にも特筆すべき機能がいくつかある。
上部にゆとりを持たせた3D構造
ダウンプラス ポカラ Xは上部にゆとりをもたせた立体的なつくり。ダウンの量をパーツごとに最適化することで、保温性と軽量性を両立させている。まるでふわっと包み込まれるような使い心地は、化繊にはない感覚。
首周りはドローコード付きなので、ぎゅっと閉めれば冷気が入ることも中の暖気が逃げることもない。秋冬は顔だけちょこんと出して寝ている。
マフラーのような「ショルダーウォーマー」機能
ダウンプラス ポカラ Xの首周りはチューブ状の「ショルダーウォーマー」になっており、首にほどよくフィットする。首元に段差があることで寝心地の良さと適度な温もりを得ることが可能。安いシュラフだとこのような付加機能はまずなく、使い勝手の良さに差がつくポイント。
ジッパーの動きがスムーズ!
寝袋に入ってさてお休み……というときに、線ファスナー(ジッパー)が噛んでしまってやり直し。結構、気持ちのダメージが大きいもの。もし壊れたら……冷気が入り込んでツラい。それゆえ線ファスナーはしっかりとしたものを選びたい。ダウンプラス ポカラ Xでは生地の噛み込みをしないよう、線ファスナーに工夫が施されている。また、上まで締めたらフラップを重ねることが可能。
なお、線ファスナーは反対側から開けることもできる。「ちょっと暑いかな」と思ったら線ファスナーを少し開けて、ベンチレーションのようにして空気を取り込む(暖気を逃がす)ことが可能だ。
イスカ
ダウンプラス ポカラ X
ダウンプラス ポカラ Xはダウンの量を足元に多くし、保温性を向上している。カタチはゆとりを持たせた逆台形形状で、ゆとりある仕様。随所に機能的なポイントがあるのがダウンプラス ポカラ Xの魅力。
▼参考記事
秋冬キャンプならダウンがオススメ!BE-PAL編集部員愛用のイスカ「ダウンプラス ポカラ X」
高コスパなハイランダー「ダウンシュラフ 800」
ダウンが気になるけど高価過ぎて買えない、という人におすすめなのがハイランダーの「ダウンシュラフ 800」。ハイランダーはアウトドアECショップの最大手、ナチュラムが手掛けるプライベートブランドで、高スペックな製品が良心価格で販売されているのが魅力。
編集部早坂も実際に冬キャンプで利用したダウンシュラフ 800。羽毛量は800gで、80%グレーダックダウン、20%グレーダックフェザーの650フィルパワー性能を持つ。
トランジション温度(リミット温度)はマイナス5度Cとなっているが、体感ではもうちょっといけるかなと思うレベル。ダウンなので保温性が高く、快適に過ごすことができる。
ゆったりとした足元。暑さを感じたら足元のファスナーを開けて調整可能
足元はボックス形状で、窮屈さを感じることはない。足元にもまんべんなくダウンが注入されているので素足でもポカポカ。「ちょっと暑いかな」と思ったときはダブルファスナーを開けて調整することもできる。
冬用シュラフに欠かせないドラフトチューブとショルダーウォーマーも、もちろん装備
ファスナーの内側に冷気をシャットアウトするドラフトチューブ付き。また、首元の空間を埋めるショルダーウォーマーもあるなど、性能面に抜かりなし。ドローコードをぎゅっと締めて使用する。
ハイランダー
ダウンシュラフ 800
使用サイズは約210×87cmで、身長185cmまで対応。収納時は約36×20cmに収まる。重さは約1.22kg。ザックに入れて、バックパック旅にも持ち運べる大きさ。ダウンをスタッフバックに入れるときはきれいに畳んで入れずに、押し込むようにして収納するのがポイント。また、使用前には十分時間をもって取り出しておき、ふわふわにさせてから使う。
▼参考記事
約2万円の高コスパ!ハイランダー冬用ダウンシュラフが再入荷
アウトドアライターがおすすめする冬用シュラフ
独自の3D構造イスカ「エアプラス630」
登山歴10年、東京都出身のアウトドアライター。山や自然が大好きで、アウトドア好きが高じて登山用品店に5年間勤務。キャンプも登山も気ままなソロが好き。
今回は冬キャンプに最適な、イスカのエア630EX(旧モデルです。現在のエアプラス630に該当します。)を紹介したいと思います。 イスカは、高品質なダウン製品を生産している国内メーカーです。特にシュラフはイスカを代表する製品で、愛用者も多いです。
エア630EXは、キャンプや登山に定番のエアシリーズの冬用モデルです。使用温度の目安が-15度Cなので、雪上キャンプでも安心の暖かさです。
無駄なく保温する3D構造
エアシリーズのシュラフには、3D構造という独自のシルエットが採用されています。シュラフの上部に余裕をもたせた、かまぼこのような形のシルエットです。
この形状は身体にフィットしやすいため、冷えの原因になる余計なすき間が生まれにくくなります。フードの部分もしっかりと立体裁断されており、圧迫感なく頭を保温してくれます。
エア630EXには、800フィルパワーの高品質ダウンがたっぷりと630g使用されています。また、3D構造に合わせて、封入するダウンの量も最適化されています。シュラフの上部はかさ高く、底部は低めにすることで、無駄なく保温性を高めています。また、冷えやすい足元にも多めにダウンを入れることで、末端からの冷えも防ぎます。
ショルダーウォーマーで熱を逃がさない
暖かい空気は上昇するため、首元に隙間があると熱が逃げてしまいます。しかし、ショルダーウォーマーがあると、首元を包み込んで隙間を無くしてくれるため、シュラフ内部の暖かい空気が出ていくのを防いでくれます。 マフラーのように肩周りを保温してくれるだけでなく、身体全体の冷えも防いでくれます。
超撥水性能
エア630EXのアウターシェルは非常に撥水性が高く、多少の水ははじいて通しません。そのため、結露で濡れることによって、保温性が下がってしまう心配がありません。
イスカ
エアプラス630(現行モデル)
重量:1,030g
羽毛量:630g(800FP)
最大長:80(肩幅)×213(全長)cm
収納サイズ:φ20×34cm
▼参考記事
冬用シュラフでキャンプは変わる!イスカのシェラフがおすすめな理由をとにかく挙げてみた
シュラフと組み合わせて暖かい、おすすめの防寒アイテム
インナーシュラフで保温効果をプラス
「良いモノを長く」をモットーに、キャンプギアの選定をしています。また、ギアができた背景や、作り手の思いがあるモノに惹かれます。キャンプを通じて、さまざまなカルチャーとふれあい、発信していきたいと思っている。
寒い時期のキャンプは気持ちがいいものの、気をつけなければいけないのが“冷え”です。特に寝る際の冷えは、要注意。体が冷えてしまうと寝付くのに時間がかかりますし、結果疲労がとれなかったということにもつながります。
そして、寝る際に使うシュラフだけでは保温力に限界がありますので、シュラフに入っても体がなかなか温まらない、という事態も起こり得ます。そのような状況を改善するアイテムのひとつに、「インナーシュラフ」というものがあります。
保温効果をプラスできる
インナーシュラフにはさまざまな種類があり、季節や状況に応じた使い分けをすることができます。
たとえば冬の時期であれば、温かなフリース素材のインナーシュラフを使うのがおすすめ。シュラフに入った瞬間から気持ち良く、冬キャンプでの睡眠を強力にバックアップしてくれます。
シュラフ自体、良いものはかなりの値段になります。そこでシュラフは手の届く程度の価格帯のものをチョイスし、インナーシュラフを導入して気温に対応する、というのもひとつの手段です。
インナーシュラフは洗濯可能で清潔
インナーシュラフを使用すれば、シュラフには肌が直接触れづらくなりますので、シュラフ単体での使用に比べてシュラフの内側が汚れにくくなります。インナーシュラフは洗濯可能であることが多く、安心して使用できます。
ただし、素材によっては洗濯方法の指定もあるようなので、洗濯方法については事前に確認しておくことをおすすめします。
シー トゥ サミット
サーモライトリアクター フリースライナー
筆者愛用。最大の特徴は、18度Cの向上温度。使用環境によって左右されますが、それでも十分に温かさがプラスされているといつも実感できます。また、夏であればこのインナーシュラフ単体でも使用可能。フード部分にはドローコード付き。
重量:420g
使用サイズ:縦200cm×幅92cm
収納時サイズ:径13cm×長さ22cm
▼参考記事
「インナーシュラフを使ってない人は損」と言える5つの理由とは?愛用中のアイテムも紹介
寝るときに体を暖めるコツ
行く先のあてもないバックパッキング、ソロキャンプ、登山が大好物です。とはいえフラフラは出来ず、最近は子どもとのキャンプと自宅に並べたギアを眺めての想像の旅に夢中です。千葉の最南端在住。田舎暮らし満喫中。
冬キャンプにストーブを持ち込めば、暖かく快適な空間で、キャンプを楽しむことができます。ですが、就寝時にストーブを点けっぱなしにした場合、一酸化炭素中毒になるリスクがあります。危険なので断固としておすすめしません。
12月以降の冬キャンプの早朝、ストーブを消したテントの中は氷点下まで気温が下がることもあります。せっかくのキャンプで体調を崩さないように、就寝時には、しっかりとした防寒対策が必要です!
銀マットのアルミ面を上にして敷く
冬キャンプでの一番の大敵は、地面から伝わる冷気です。冬キャンプでは、普段使っているマットの下に、もう1枚マットを敷きましょう。
追加するマットは、銀マットをおすすめします。
銀マットとは、クッション性のある発砲素材にアルミのシートを貼りつけたマットです。銀マットのアルミ面を上にして敷けば、体から出る熱を反射させ、体温の低下を防ぐことができます。
コットを使用する
コットを使用すれば、体と地面との間に空間ができるので、地面からの冷気が伝わりにくくなります。
コットを使う場合も、銀マットをあわせて使用するのがおすすめです。銀マットのアルミ面を上にして、地面に敷き、その上にコットを置き、コットの上にマットを敷いてくださいね。
ブランケットやインナーシーツを寝袋の中に入れる
寝袋の中にブランケットを入れれば、寝袋の保温性を上げることができます。また、肌触りがいいので、寝袋の中で快適に過ごすことができます。
ただ、使用する寝袋が体にぴったりのサイズの場合、内側にブランケットを入れると、窮屈に感じてしまうでしょう。そんな場合はインナーシーツの使用をおすすめします。各社から、保温性の高い素材を使ったインナーシーツが販売されています。
湯たんぽを寝袋の中に入れる
私はナルゲンボトルを湯たんぽとして使用しています。熱湯を入れてから6時間ほど、暖かさが続きます。気密性も高いので、熱湯が漏れることもなく、安心して使用できます。
湯たんぽはお湯を沸かして入れるだけですぐに温まるので、冬キャンプにはかかせません。就寝する少し前に、寝袋の中に入れておけば、就寝時には寝袋の中がホカホカになっているので体をすぐに暖めることができます。湯たんぽを入れる位置は、体のなかでも冷えやすい足元がおすすめです。
お湯を入れたばかりの湯たんぽは、表面の温度が高く、素手で触るとやけどをする恐れがあります。必ず手袋をはめて持つようにしましょう。
湯たんぽを使用するときにも、使い方を誤ると低温やけどをする恐れがあります。湯たんぽを専用の袋に入れるか、タオルやブランケットなどで、くるんでから使用してくださいね。
ホッカイロで温まる
冬キャンプの就寝時には、貼るホッカイロの使用もおすすめです。
特におすすめの場所は、仙骨の上の部分です。仙骨の上の部分には、内臓に働く神経が集まっています。温めることで、内臓の働きが活発になります。その結果、全身の血管が広がるので、体全体が暖まります。
貼るホッカイロを使用する場合は、低温やけどをする恐れがあるので、直接、体には貼らないようにしてください。必ず衣類の上から貼って使用してくださいね。