日本が誇るダウンメーカー、NANGA(ナンガ)。高品質なシュラフや、今や定番となったダウンジャケットなどが人気だ。NANGAの原点でもあるシュラフの種類豊富なシリーズから、おすすめのモデルを紹介する。ますます躍進するNANGAの歴史と、こだわりの繊細なもの作りにも注目。
CONTENTS
NANGA(ナンガ)の魅力
高品質なシュラフやダウンジャケットなどに定評があるアウトドアブランド、NANGA(ナンガ)。直営店のオープンが続き、定番ダウンジャケットの新モデルも好評を博すなど、破竹の成長を見せている。
NANGAの歴史
ナンガ社の前身となる横田縫製は、地場産業である近江真綿を使った布団縫製の下請け工場として創業。その品質が認められ、後に寝袋作りを開始。これが現在のNANGAの原点となった。
’95年には社名をナンガに変更。大手アウトドアブランドなどからのOEM(委託者製造)が殺到し、PB(プライベートブランド)で寝袋の製造も始めた。
そんなナンガの強みは、長年にわたるOEM生産で培った“企画力”。これが、同社が持つ既存の縫製技術や素材知識と相まって、優れた品質のダウン製品を生み出し、ブランド力を高めていったのだ。
象徴的なのが、防水透湿性を持つ独自の表地素材「オーロラテックス」の採用。’99年、湿気を帯びると保温性が低下するダウンを濡れから守ることができる、当時としては画期的な寝袋を開発した。
寝袋の生産に加え、2003年には、いまやブランドのアイコン的アイテムとなった「オーロラダウンジャケット」の販売を開始。自社ブランド初のダウンジャケットの登場で、同社は急成長を遂げることとなる。
17年には海外のアウトドアショーに出展するなど視野を世界に広げていった。また’21年には自社研究機関を立ち上げて最高峰のダウンギア開発をスタートさせた。
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高品質なダウン製品
羽毛製品の高いクオリティーを誇るNANGAが創業以来培ってきた、繊細なもの作り。高品質のカギは一貫した「自社完結型」の生産体制にある。
従業員は約130人。ナンガは、伊吹山を望む滋賀県米原市内郊外に本社を置く。現在の社屋は2012年に建てられた。1941年に横田縫製として創業した場所からわずかに移転したが、地域密着にこだわり今も米原で生産を続けている。
2階建ての社屋の1階では、事務や生産管理のスタッフ、ECや修理に対応するオペレーターが働く。1、2階にある生産部門では、東京事業所で企画、デザインされた製品の試作のほか、年間約1万3000点の生産を担っている。
縫製、ダウンの吹き込みなど、主要生産ラインは、2階フロアに集約されている。
高性能な機械により量産される製品が主流の今も、NANGAは長年培ってきた、職人の手仕事と熱意でもの作りを続けている。
▼参考記事
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NANGAのシュラフは種類豊富
NANGAのシュラフは種類豊富で、それぞれ特徴を持ったシリーズごとに、用途に応じてモデルを選ぶことができる。人気シリーズの一部を紹介しよう。
AURORA LIGHT SERIES(オーロラライトシリーズ)
「AURORA LIGHT(オーロラライト)」の素材はオーロラライトダウンジャケットで採用されている防水透湿素材「オーロラライト」。
ダウンをつぶさないボックスキルト構造に加え、ダウン量600g以上のモデルにはチタンスパッタリング材を採用。チタンの蓄熱・保温効果で今までにない暖かさを実現している。
UDD BAG SERIES(UDDバッグシリーズ)
「UDD BAG(UDDバッグ)」は高品質なスペイン産ダックダウン90-10%に超撥水加工を施した「UDD DX」を採用。
ダウン最大の弱点である水濡れ対策を徹底したことにより、強い反発力を保持して膨らむ時間を短縮。寒さから素早く身を守ることを可能にした。
「LEVEL 8 SERIES(レベル8シリーズ)」
断熱というキーワードにとことんこだわったNANGAの最高峰シリーズ。
「LEVEL 8 -23 AURORA LIGHT」モデルは、その名の通り、マイナス23度にも耐えられるテクノロジーが凝縮されている。「LEVEL 8 -20 UDD BAG」は、軽量化を追求し、マイナス20度に対応。軽量化を実現しつつも、寝袋内の熱を効率よく保持する設計によって快適性も確保されている。
▼参考記事
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NANGAの人気オーロラシリーズ!おすすめシュラフ
NANGA(ナンガ)
オーロラライト900DX
ボックス構造に、蓄熱・保温効果の高いチタンを特殊加工した素材を使用。厳冬期の高所登山にも対応するモデル。(FP値 760FP、適応温度 -19度C)
●適応身長、または寝袋サイズ:身長178cmまで
●収納サイズ:21×41cm
●本体重量/中綿量:1,400g/900g
●適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-10度C
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NANGA(ナンガ)
オーロラライト600DX
ナンガ独自の防水透湿素材オーロラライトを採用した、4シーズン使用可能なスリーピングバッグ。内部にチタンスパッタリング材を採用しており、輻射による蓄熱・保温効果を高め、重量約1kgと軽量ながら快適温度-4度C、下限温度-11度Cを実現。ショルダーウォーマー、ドラフトチューブ付きで、冷気の侵入を防ぎ、暖かさをキープ。ファスナーは開閉しやすい顔近くに装備されており、操作性も◎。
寒さを感じやすい足元には羽毛が多めに封入されている。
生地の嚙み込みを軽減させるため、YKKの特殊パーツをファスナースライダーに実装。
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NANGA (ナンガ) / オーロラライト600 DX
NANGA(ナンガ)
オーロラスクエアフット600STD
ナンガの「オーロラ」シリーズのスペックのまま、足元をスクエア型にアップデート。防水仕様モデルをベースに、さらなる快適性を追求した。表地は40Dオーロラテックス(R)、裏地は40Dナイロンタフタ、ダウンは650FP(フィルパワー)のダウンを採用。
●適応身長/~178㎝
●収納サイズ/直径18×32㎝
●重量/約1,366g
●快適使用温度:1℃
●下限温度:-4℃
ダウンの弱点を補う防水透湿生地
多孔質ポリウレタン防水コーティング加工を施したナイロン地で水を弾く!
こだわりの製造
熟練した職人の手によってすべて縫製されているので細部まで丁寧な仕上げ。
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NANGA (ナンガ) / オーロラスクエアフット600STD
NANGA(ナンガ)
オーロラライト450DX
独自開発した防水透湿素材「オーロラライト」をシェル地に使用。快適使用温度0度C、下限温度-5度C。
オーロラライト450DXのおすすめポイント
ナンガのシュラフには450DXよりハイスペックの商品もあるが、450DXは次のようなときにおすすめだ。
・真冬に登山やキャンプをしない
・あまり寝袋に予算をかけられない
・軽くて温かいシュラフがほしい
真冬にキャンプする人はダウンの量が多いモデルを選んだ方がいいかもしれないが、春・夏・秋に使用するなら、450DXで十分といえる。
品質のいい羽毛を使っているため、軽くて温かい
保温性や断熱性に優れている羽毛を使っているため、シュラフへ入った瞬間に暖かいと感じられる。室内でシュラフに入っていると、徐々に暑くなってくるほどの暖かさ。
またオーロラライト450DXの重量は865グラムと非常に軽量。収納袋に入れると形状もコンパクトになり、持ち運びが楽だ。
防水性と透湿性に優れた生地なので寝袋内が蒸れない
オーロラライト450DXの生地に使われている素材「AURORA-TEX」は、外からの水を防ぎ、中の蒸れた空気を放出してくれる。
シュラフによっては、汗をかくとジメジメして寝苦しさを感じることがあるが、オーロラライト450DXの中は蒸れにくく適度な湿度になるので、快適に眠ることができる。
特殊な形状のファスナーの生地をかみ込みを防ぐ
スライダーが特殊な構造になっており、生地をかまない作りになっている。急いでファスナーを閉めても生地を破る心配がない。
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NANGA (ナンガ)
オーロラライト350DX
ナンガ独自の防水透湿素材オーロラライトを使った快適な寝袋。収納サイズは13×25㎝、内部はシングルキルト構造となっており、重量は730gと軽量かつコンパクト。防水透湿素材のシェルに、760FPのスパニッシュダックダウンを封入。快適温度5度C、下限温度が0度Cの主に夏の登山などにおすすめの3シーズンモデル。
寒い夜は、首元のドローコードを絞って冷気の侵入を防ぐ。
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NANGA (ナンガ) / オーロラライト350 DX
NANGA(ナンガ)
オーロラレクタンギュラーダウンバッグ800
防水透湿生地のオーロラテックスのシェルに、ダウンを800g封入した封筒型。足の先まで開閉できるL字ファスナーを装備しているので、広げると掛け布団にもなる。また、マミー型寝袋をインすることで、幅広い季節に対応可能。
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NANGA(ナンガ)
ラバイマバッグS600
フードまで含めて完全に長方形と、ダウン製には意外と少ないタイプのスリーピングバッグ。本体上面は、ダウンの保温性を生かすボックスキルト構造、体重によって潰れてしまう下面には化繊中綿(シングルキルト構造)と合理的な構造になっている。
生地には引き裂けに強いリップストップ生地を使用。薄手で軽量ながら、撥水・耐久・保温性に優れている。
●使用サイズ:約215×80㎝
●収納サイズ:直径約26×50㎝
●重量:1.6kg
足元のゆったり感はもちろん、頭部にも余裕があるのでゆったりと眠ることができる。アウトドアだけでなく、家や車中泊での使用もおすすめ。
両サイドにジッパーが付き、大きく開閉。温度調節がしやすい。
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NANGA (ナンガ) / ラバイマバッグS600
NANGA(ナンガ)
UDDバッグ630DX
ダウンに超撥水加工が施され、結露などによる水濡れに強いのが特徴。広げると素早く膨らみ、寝床の準備もアッという間。(FP値 770FP、適応温度 -10度C)
●適応身長、または寝袋サイズ:身長178cmまで
●収納サイズ:17×31cm
●本体重量/中綿量:1,045g/630g
●適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-5度C
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暖かぁ~いスリーピングバッグ<ダウン> 16選!
NANGA(ナンガ)
エコバッグ350
回収して再洗浄したリサイクルダウンを使用した環境配慮型モデル。上面と下面で異なったボックス構造にすることで、体のパーツごとに最適な量が当たるように設計した。下面頭側のみ中綿に化学繊維のプリマロフトエコが使用されており、濡れても影響が出にくい。
●使用サイズ:約80×190cm
●収納サイズ:約13×25cm
●重量:約350g
●適応身長:~178cm
●素材:ダウン
ナンガの考える「ダウンのエコ」を体現!リサイクル素材のシュラフ
生地・背中の化繊ワタ・中の羽毛、すべてがリサイクル素材。不要になった羽毛布団などを回収し、国内で洗浄・選別して再利用するため、リサイクルとはいえ、むしろ手間もコストもかかっている。保管などに使えるメッシュバックも付属。
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「冷凍フィッティング」でNANGAのシュラフを体験
アウトドアショップが集う街、東京・原宿。そこに堂々オープンしたNANGAのフラッグシップストアには、冷凍庫内でショップにあるダウン製品を試せるほか、寝て試せるベッド什器も完備している。
NANGA SHOP HARAJUKUでお宝探し
店に入ってすぐ左側には、トレーラーに載った小部屋が鎮座。マイナス5度Cまで温度を下げられる冷凍フィッティングで、ダウンウェアの暖かさを実際に体験することができる。
ショップの内部は滋賀県米原市にある自社工場をイメージしたインテリアで統一。ファクトリー感満点な剥き出し天井が印象的だ。
山専寝袋に始まったNANGAだが、原点である寝袋はもちろんのこと、街でも着こなせるハイセンスで機能的なアパレル製品も数多くラインアップされている。ユニークさ満点のNANGA SHOP HARAJUKUで、NANGAの品質を実感しよう。