ダッチオーブンがあれば、キャンプでおいしい石焼き芋を作るのは難しくありません。しかし、うまく作るには、火加減や石の選び方などのコツを押さえておく必要があります。おすすめの道具や、おいしい石焼き芋を作るポイントをチェックしましょう。
キャンプで石焼き芋を作る際に使うものは?
石焼き芋は、加熱した石を使って、サツマ芋に火を通した料理です。キャンプでおいしい石焼き芋を作るには、あらかじめ道具を準備しておく必要があります。
キャンプで石焼き芋を作るのに、必要なものをそろえるのはそれほど難しくはありません。何を準備しておけばよいのか、見ていきましょう。
サツマ芋・ダッチオーブン・石を準備しよう
ダッチオーブンで石焼き芋を作るときに必要な道具は、サツマ芋・ダッチオーブン・石の三つです。
石焼きにするとじっくりと火を通せるので、サツマ芋が甘く焼き上がります。高火力で一気に焼き上げるのではなく、60~70℃程度の温度でじわじわと焼き、甘みを堪能しましょう。
おすすめな芋の種類は、ホクホク系が好きなら『紅あずま』『紅はるか』、しっとり系が好きなら、甘みが強く水分が多い『安納芋』などです。
ねっとり系が好きな人は、滑らかな舌触りを楽しめる『シルクスイート』がおすすめです。さまざまなサツマ芋を使って、品種による味の違いを確かめてみてはいかがでしょうか。
石焼き芋におすすめなダッチオーブン3選
ダッチオーブンは、多くのアウトドアメーカーから販売されています。煮たり焼いたりと幅広い調理法に対応しているので、一つあると重宝するでしょう。
種類が多くさまざまなサイズがあるため、どのようなものを選べばよいのか悩みがちです。石焼き芋におすすめのダッチオーブンを紹介します。
Coleman「ダッチオーブン10インチ」
シーズニング(慣らし処理)がされていて、すぐに使えるダッチオーブンです。高温のふたを持ち上げるときや、炭をかくときなどに使えるリッドリフターが付属しています。
脚がなく、家庭用としても兼用しやすいタイプです。大きさは約23.5×11cm、満水時の容量は約4.2Lと、大きめのサツマ芋も入れやすくなっています。家族みんなで石焼き芋を楽しみたい人におすすめです。
- 商品名:Coleman「ダッチオーブン10インチ」
- 公式サイト:商品はこちら
コールマン
ダッチオーブン10インチ
●商品サイズ:約Φ25×13.5(h)cm
●本体サイズ:約φ23.5×11(h)cm(底の厚さ4.0mm)
●重量:約5.7kg
●材質:本体/鋳鉄、ハンドル・プレート/ステンレス
●満水容量:4.2L
●表面加工:内側・外面/植物性オイルコーティング
●付属品:リッドリフター、ボトムプレート、収納ケース
●付属品サイズ:プレート約Φ20.5×1.6cm/重量約160g
LODGE「キャンプオーヴン 10インチ DEEP」
炭・薪を下に入れられる、脚付きタイプです。炭などを乗せて上火調理ができるように、ふたに縁が設けられています。シーズニング(慣らし処理)済みです。
全体的に約5mmの厚みがあり、蓄熱性に優れています。サイズは約25×11cmです。石焼き芋だけでなく、キャンプ料理全般に適しています。
LODGEの定番商品『キャンプオーヴン 10インチ』よりも約2.5cm深いので、石焼き芋用の石を入れやすいでしょう。
- 商品名:LODGE「キャンプオーヴン 10インチ DEEP」
- 公式サイト:商品はこちら
Snow Peak「コロダッチカプセル」
サツマ芋を切らずにそのまま入れられる、細長い形状をしたダッチオーブンです。おいしそうな焼き目を付けられるように、ふたの表面にはリブ加工がされています。
石焼き芋以外にも、ソーセージ・サンマ・トウモロコシといった横長の食材におすすめです。食材が丸ごと入るので、調理のしやすさだけでなく見た目のインパクトも抜群です。
サイズは約28.2×9×6.8cmと、器として食卓に置けるサイズ感なので使い勝手がよいでしょう。気軽に使える、小さめのダッチオーブンが欲しい人にもぴったりです。
- 商品名:Snow Peak「コロダッチカプセル」
- 公式サイト:商品はこちら
スノーピーク
コロダッチカプセル
サイズ:W282×D90×H74mm(リッド:W282×D90×H31mm、ポット:W282×D90×H48mm) 満水容量:リッド/320ml、本体/550ml 重量:1.9kg
石焼き芋に使う石の入手方法
石焼き芋に使用する石は特殊なものでなくて構いませんが、その辺で適当に拾ったものを使うと問題が起こる場合があります。
石であれば、何でも石焼き芋に向いているわけではありません。どのような石を使えばよいのか、チェックしましょう。
園芸用の石を使う
石焼き芋に使う石は、園芸用の玉砂利や、自宅で敷石などに使っているものでも構いません。ホームセンターなどで売られているので、簡単に入手できます。
できるだけ角がなく、割れにくいものを使いましょう。サツマ芋がしっかり石に埋もれるように、小ぶりなサイズを選ぶのがポイントです。石の大きさが5cm以上だと大きすぎて安定せず、うまく焼けない心配があります。
ガーデニング資材として販売されているこちらの黒玉砂利は、約1.2~1.6cmの小ぶりなサイズで、角がなく石焼き芋向きです。よく洗い、乾かしてから使用しましょう。
- 商品名:「黒光石」
- 公式サイト:商品はこちら
石焼き芋専用の石を購入する
石焼き芋専用の石も市販されています。アウトドアショップ・ホームセンターなどで、入手可能です。専用の石は、使いやすい粒がそろっているので、適度な大きさのものを選ぶ手間がかかりません。
CAPTAIN STAGの『石焼きいも用石〈3kg〉』は、遠赤外線効果でふっくらと焼き上がる効果が期待できます。サツマ芋だけでなく、トウモロコシや栗などの石焼きにもおすすめです。
- 商品名:CAPTAIN STAG「石焼きいも用石〈3kg〉」
- 公式サイト:商品はこちら
キャンプ場周辺で拾うのはおすすめできない
キャンプ場・河原などにも石は落ちていますが、自然の中にある石は、どのような経緯でそこにあるのか分かりません。よく洗浄したとしても、衛生面が不安です。
そもそも、河原・海岸などは石の採取が禁じられている場所も多く、事前に確認し許可を得るといったことが必要なケースもあります。また、水分が染み込んだ石は完全に乾燥させないと、破裂したり割れたりする恐れもあります。
下準備に時間がかかる点や、ちょうどよい大きさのものを拾い集めなければならない点などもデメリットです。手軽に手に入る、園芸用の石・石焼き芋専用の石などを用意しましょう。
ダッチオーブンを使った石焼き芋の作り方
ダッチオーブンで石焼き芋を作るには、いくつかのポイントがあります。作り方をチェックして、おいしい石焼き芋を作りましょう。
1.火をおこして「熾火」を作る
石焼き芋を上手に作るには、弱火でじっくり焼けるように、火加減に注意することが大切です。炭が炎を上げている状態で調理を始めるのではなく、中心部が真っ赤に燃えた『熾火』の状態を作りましょう。
炭火をおこして熾火になるまでには時間がかかるので、調理開始時間の30分前には火おこしを始めます。
石焼き芋は、弱火で長時間かけて焼いていくと、おいしく仕上がります。長時間焼けるように、多めの薪を使用して熾火を作っておきましょう。
2.鍋に石を入れ、芋を並べる
サツマ芋はよく洗って、下準備をしておきましょう。土・泥などをなかなか落とせない場合、10分程度水に浸しておきます。それでも落ちない汚れは、丸めたアルミホイルやスポンジでこすり落としましょう。
次に、ダッチオーブンの底が隠れるまで、石を敷き詰めます。水気を切ったサツマ芋を石の上に並べ、さらにその上から残りの石をかぶせて埋もれさせましょう。
ダッチオーブンをきれいに使用したい人は、アルミホイルを敷いてからその上に石を置くと安心です。
3.1時間程度焼く
弱火で40分~1時間程度、じっくりと時間をかけて焼き上げましょう。鍋の下だけでなく、ふたの上にも炭を置いて上からも加熱します。
ダッチオーブンは密閉性が高いので、ふたを完全に閉めないようにしましょう。ふたを少々ずらした状態にしておくのがコツです。
密閉すると内部の温度が上がりすぎてしまい、石焼き芋にとって理想的な温度を維持できません。また、ある程度蒸気が出ていった方がホクホクに焼き上がります。
皮の表面にシワが寄り、竹串を刺したときにスッと通れば、中まで火が通っています。
まとめ
石焼き芋が上手にできると、甘みとホクホクがたまらない仕上がりになります。うまく仕上げるためには、弱火でじっくりと焼くことが重要です。
ダッチオーブンの温度が上がりすぎると甘い石焼き芋が作れないので、内部に蒸気がたまらないように、ふたを少々ずらした状態で加熱しましょう。
石焼き芋を調理しやすい熾火を作るのに30分程度、焼き上がるまでには40分~1時間程度の時間がかかります。石焼き芋を食べたい時間から逆算し、余裕を持って火をおこし始めましょう。