
CONTENTS
ペトロマックスの歴史
液体燃料ランタンに欠かせないマントルが発明され、19世紀末までには、このマントルを利用した液体燃料(灯油やアルコール)の白熱灯が続々と開発されるようになった。その中でも、世界的に有名なのが「ペトロマックス」だ。
世界初の加圧式灯油ランタン
1887年、グレーツ兄弟は、父が経営していた照明器具等の製造会社を引き継いだ。10年前までわずか100人だった従業員は、’89年までに1000人も雇用するほどの成長を遂げる。
そんな成功の原動力となったのが、発明家でもあった弟マックスの存在だ。1908年には、「ESSO」というブランドで電球を発売。その翌年には、マントルを使ったランプ「グレーツライト」を発明した。

1909年に開発された石炭ガスを燃料とする「グレーツライト」はベルリンなどの街灯として活躍。
そして’10年、世界初の灯油を燃料とした加圧式ランタンの開発に成功する。それは、適量の空気とともにマントルに送られる気化した燃料が、マントルを白熱点まで加熱させて継続的に明るい光を発した。また、それまでにあった加圧式に大きく差を付けたのが、強力な予熱バーナー(気化器)だった。点火するとゴォーという音を発して勢いよく噴射する炎が、素早い予熱を実現したのだ。
そんなランタンを発明したマックスは、友人から「ペトロール・マックス」というあだ名で呼ばれていたことから「ペトロマックス」と名付けられ、’21年には気化器を搭載したこのランタンに関する特許を申請。こうして、世界的ベストセラーとなったペトロマックス・ランタン「HK500」が誕生した。
その後、’50年代以降は何度かオーナーが代わったものの、品質、性能はもちろん維持され、ドイツ国内の工場で一台一台手作業で組み立てられている。
▼参考記事
ペトロマックスのランタンといえばこれ!「HK500」
世界的ベストセラーのペトロマックス「HK500」
白熱球の約400W相当という頼もしい限りの大光量を発揮する。ほかの液体燃料ランタン同様、マントルの空焼き、予熱、ポンピングというひと手間は必要だが、道具を使いこなす楽しみを味わえる道具だ。ボディーのカラーは、写真のニッケルのほか、ブラスもある。
余熱バーナーのレバーを引いて着火すると勢いよく炎が噴き出すから、マントルの空焼きも、その後の点灯作業も素早くできる。
タンクの内圧を示す圧力ゲージ付き。針が赤い目盛りに達するまで加圧すればOKで、ポンピングの目安になる。
燃料:灯油、スターケロシン
サイズ:直径17×高さ40cm
タンク容量:1L
燃焼時間:約8時間
重量:2.4kg
Petromax(ペトロマックス) HK500
加圧式灯油ランタンを生んだドイツの古豪「ペトロマックス」の名品ランタン。200 以上の細かなパーツから構成された美しい姿がファンの心を掴む。サイトを明るく照らし出す頼もしいまでの明るさ!ゆったりとした夜の時間が過ごせるはず。
▼関連記事
▼参考記事
ペトロマックス「HK500」の使い方
「HK500」の使い方
STEP1.給油
圧力計付き注油口キャップを反時計まわりに回して外し、付属のじょうごを使ってタンクの7分目を超えない程度に燃料を入れ、注油口キャップをしっかりと閉める。
STEP2.マントルの取り付け
ヘッドカバーとインナーチムニーを外し、ガスチャンバー、ノズルが閉まっていることを確認し、付属のスパナでニップルを固く締め付け、専用マントルをノズルに取り付ける。
STEP3.ポンピング
加圧式の灯油ランタンは、タンク内の燃料に空気で圧をかけるポンピングを行う。まずは予熱バーナーを使用して、灯油を気化させるためにジェネレーターを暖めるプレヒートという作業をしよう。
そしてグリップホイールの矢印が上向きになるように回し、予熱バーナーのレバーが閉じていることを確認。圧力調整スクリューを時計まわりに回して締め、圧力計の針が2の位置にくるまでポンピングする。
STEP4.マントルの空焼き
予熱バーナーのレバーを開けると霧状の燃料が噴射するので、フレームチューブの着火口からライター等で点火。マントルが黒く焦げながら白い灰状に変化したら空焼き終了。
STEP5.点火
この時点で圧力が下がっていたら再びポンピングし、予熱バーナーのレバーを下げて点火する。予熱は90秒以上行い、その間も圧力が下がらないよう適宜ポンピングをしよう。マントルに点火したら、予熱バーナーのレバーを元の位置に戻す。
STEP6.消火
圧力調整スクリューを反時計まわりに回すと、タンクの内圧が下がり消火する。グリップホイールを閉めて消火しないようにしよう。本体が完全に冷めたら、圧力調整スクリューを時計まわりに回して閉める。
灯油ランタンを使うときの注意点
灯油のうち精製度が高いものは白灯油と表記され、日本のガソリンスタンドで手に入るものは白灯油。この白灯油とホワイトガソリンとは別物であることを覚えておこう。灯油ランタンにホワイトガソリンを入れてしまうと、点火時に2m以上の火柱が上がることがあり危険だ。
▼参考記事
便利なLEDタイプのペトロマックスランタンも
Petromax (ペトロマックス) エレクトロ
ペトロマックスの灯油ランタンの形でそのまま電気ランタンにしたLEDタイプ。
インテリアとしても最適!
サイズ:直径17×高さ40cm
重量:2.4kg
明るさ:約60W
▼関連記事
ランタンだけじゃない!ペトロマックスのおすすめギア7選
灯油ランタンで有名なペトロマックスだが、ストーブや料理器具などのギアも数多く手がけている。その一部を紹介しよう。
ブランド・商品 | 画像 | 販売サイト | 詳細情報 |
---|---|---|---|
価格 | |||
Petromax(ペトロマックス) ホーボーストーブ | ![]() | ¥8,360 | |
Petromax(ペトロマックス) アタゴ | ![]() | ¥42,900 | |
Petromax(ペトロマックス) ファイヤーブリッジ | ![]() | ¥34,100 | |
Petromax(ペトロマックス) ファイヤープランジャー | ![]() | ¥3,850 | |
Petromax(ペトロマックス) ダッチオーブンft0.5-t | ![]() | ¥4,620~29,700 | |
Petromax(ペトロマックス) クーラーバッグ | ![]() | ¥21,780~27,280 | |
Petromax(ペトロマックス) ファイヤーケトルステンレススチール | ![]() | ¥14,080 | |
組み立て式でコンパクト「ホーボーストーブ」
Petromax (ペトロマックス) ホーボーストーブ
5枚のステンレス製パネルと2枚のプレートを使用したシンプルな設計で、ソロキャンプなどに最適な組み立て式のストーブ。重量は590gと軽量。
4枚の側板、火床に空気を取り入れる穴が開いており、煙突効果によって下部から流入する空気が効率良く燃焼炉内に供給されるように設計されている。
2枚のプレートはゴトクとして機能。小型のダッチオーブンを置いても安定感がある。
すべてのパーツは付属の専用ポーチに収納可能。20×16×2.5cmまでコンパクトになるので、バックパックでの携行にも便利だ。
使用サイズ:13.8×12.5×12.5cm
収納サイズ:20×16×2.5cm
重量:590g
▼関連記事
1台で4つの調理法「アタゴ」
PETROMAX(ペトロマックス) アタゴ
ドイツ生まれの灯油ランタンブランドがリリースしたモデル。独自の3層構造によって効率の良い二次燃焼をうながすため、煙が少ないのが特徴。網焼きグリルはもちろん、上部に12インチのダッチオーブンがスッポリ収まり熱効果をUP。収納時は外側の枠に全部収まり、取っ手を掴んで持ち上げるだけでセットできる。
1台で4つの調理法が可能になった新しいクッキングツール。側面・下部にあるレバーをスライドさせることで換気口が開閉し、火力を調整することができる。焚き火台としてはもちろん、様々な用途・シチュエーションでの使用を可能に。
スタイリッシュなデザインなのでテーブルに置いても映える。
使用サイズ:直径40×28cm
収納サイズ:直径40×14cm
重量:約6.1kg
▼関連記事
ワイルド感満点!「ファイヤーブリッジ」
PETROMAX(ペトロマックス) ファイヤーブリッジ
焚き火を利用して手軽に豪快な料理が楽しめる、ワイルドな焚き火アイテム。全部分解でき、センターバーのフック部にスタンドポール先端の輪を通すだけと、工具など使わず簡単に組み立てられるのも魅力。ダッチオーブンや網をハンギングするスタイルで、下に焚き火台を2台置けば、一度に何品も作れる。総耐荷重70kg。
グリルの上ではスキレットや網焼き、フックにはダッチオーブンやケトルを下げて焚き火料理が楽しめる。直火禁止のキャンプ場なら下に焚き火台を置けばOK。
リッジポールのフック部にスタンドポール先端の輪を通し、リッジポール下のフック部にスタンドポールを留めるだけ。直感的に組み立てられる簡単さも魅力のひとつ。
使用サイズ:全長110×センターバー長さ115×足の長さ113cm
重量:15.8kg
▼関連記事
▼参考記事
新しい着火アイテム「ファイヤープランジャー」
Petromax(ペトロマックス) ファイヤープランジャー
便利と不便の間を行く新しい着火アイテム。手のひらに収まる小さなサイズで、チャークロス(綿布を炭化させた火口の一種)を使ってブッシュクラフト感覚で着火させる。
「ファイヤープランジャー」の使い方

ゴムパッキンに潤滑油をつけるのは、黒プランジャーを押し下げやすいようにするため
銀プランジャーと呼ばれるシルバー部品の先端に付属の潤滑油を付けておき、チャークロスを入れ、黒プランジャーというブラック部品の中に入れる。

押し下げるときは、木や石の上といった安定した場所でやるのがおすすめ。
セットしたら銀プランジャーを下にして安定な場所に置き、黒プランジャーを垂直方向に勢いをつけて上から押し下げる。それによって中のチャークロスに火種がつくので、枯れ草や麻の紐などに移して着火させて完了。

チャークロスの火種は素早く熱しやすい素材に移す。
ライターやトーチのようにガスやガソリンを使わず、チャークロスで着火させる原始的な方法ではあるが、この方法ならファイヤースターターより高い確率でクロスに火種がつくように設計されているので効率がいい。

ブランジャーとファイヤースターターの2WAYも便利。
とは言っても、チャークロスがなくなる事態を想定し、銀プランジャーの尾部にはファイヤースチールが入っているので、ファイヤースターターとして使うことも可能。これ1本で2つの着火装置が付いていることになる。火種を育てる不便な方法を楽しんでみよう。
サイズ:約19×10×4.3cm
重量:約82g
▼参考記事
ソロキャンプにもぴったりなサイズ感「ダッチオーブンft0.5-t」
Petromax(ペトロマックス) ダッチオーブンft0.5-t
高品質の鋳鉄に熱をじっくり伝え、食材の本来の旨みを最大限引き出すダッチオーブン。流行に左右されない質実剛健のドイツらしいデザイン。
小ぶりサイズでソロキャンにぴったり。IHに対応しているので、家庭用としても使える。
▼参考記事
オシャレも機能も叶える「クーラーバッグ」
Petromax(ペトロマックス) クーラーバッグ
持ち運びに便利な軽量ソフトクーラーバッグ。4面全部に分厚い断熱材が入っているので、保冷剤を使用すれば4~6日の保冷が可能だ。汚れにくくて、耐久性も高い。
外見だけではなく機能性にも優れている。保冷力も抜群で4~6日間の冷却ができるので、長期の旅行時でも安心だ。防災用として利用するのもおすすめ。サイズは、8Lと22Lの2サイズ。
食べ物や飲み物の鮮度を数日間キープできる

汚れにくい表面加工が施されているので、安心してヘビーユースできる。
アイスキューブやアイスパックを使用することで、4~6日間の冷却が可能。撥水加工を施したナイロン生地と防水ジップを使用しているので水漏れも心配なし。耐久性にも優れているので、アウトドアでタフに使える。
ポケットや栓抜きなどが付いて便利!
バッグの外側に4つのポケットが付いていて小物の収納にも便利。ちょっとしたビニール袋、箸やスプーン類をしまっておくにも便利。
パッド入りのショルダーストラップが付いているから重い荷物でも肩にかけやすい。ボートや車で固定しやすいカラビナ用のデイジーチェーンや栓抜きも付属している。
8L
サイズ:(内寸)幅28×奥行16.5×高さ18cm、(外寸)幅32.5×奥行24.5×高さ26.5cm
重量:1.3kg
容量:角氷4kg、ペットボトル本数 0.5L×6本
22L
サイズ:(内寸)幅35.5×奥行24×高さ24cm、(外寸)幅43×奥行34.5×高さ34.5cm
重量:2.5kg
容量:角氷 10kg、ペットボトル本数 1.5L×4本
▼関連記事
▼参考記事
リニューアルで耐久性がUP!「ファイヤーケトルステンレススチール」
Petromax(ペトロマックス) ファイヤーケトルステンレススチール le75
枯れ枝などを燃料にして湯沸かしができるケトル。アルミからステンレスに替わり耐久性UP。付属のトランスポートキャップを使えば、水を入れたまま持ち運ぶこともできる。
サイズ:直径13.3×高さ39.1cm
本体重量:930g
タンク容量:750ml
▼関連記事
▼参考記事