今回は、世界遺産「屋久島」で自然を大満喫できる、宮之浦岳の山行をご紹介します。
宮之浦岳登山のスケジュール
まずは、私が先日宮之浦岳へ行った際のスケジュールを紹介します。
1日目は、フェリーで鹿児島港から宮之浦港へ移動。その後バスで登山口に向かい、最寄りの山小屋に宿泊しました。
2日目には旅のハイライトである宮之浦岳へ。3日目は、縄文杉をはじめ屋久杉の景観を楽しむ、という2泊3日の山行でした。
食事や休憩の時間を除いた細かい活動内容を以下に記します。
1日目(合計1時間)
- 紀元杉~淀川小屋 1時間00分
2日目(合計8時間)
- 淀川小屋~黒味岳 1時間50分
- 黒味岳~宮之浦岳 2時間00分
- 宮之浦岳~永田岳 1時間00分
- 永田岳~平石 1時間10分
- 平石~新高塚小屋 1時間
- 新高塚小屋~高塚小屋 1時間
3日目(合計4時間)
- 高塚小屋~ウィルソン株 1時間00分
- ウィルソン株~辻峠 1時間40分
- 辻峠~白谷雲水峡 1時間20分
次の項では、1日目から山の様子を交えながら山行を紹介していきます。
1日目:山行に備えた準備
まずはバス停から淀川小屋へ
宮之浦港からバスで揺られること1時間ほど。登山口最寄りの「紀元杉」というバス停で降りました。
バス停の名前通り、紀元杉と呼ばれる推定樹齢3000年の屋久杉がお出迎えしてくれます。これを見るだけでも来る価値があると言えるほど、印象に残る屋久杉です。
バス停から1時間ほど進むと、立派な山小屋が現れました。
一緒になった人たちとしばし談笑と夕食を楽しみ、明日からの山行に備えて早めに就寝しました。
2日目:宮之浦岳から永田岳へ
標高1600mを超えて現れる湿原へ
2日目は、まだ日が昇る前に小屋を出発しました。
長い距離を歩く予定になっていたため、「今日は歩くぞ!」と気合を入れて出発しました。
ウォーミングアップも兼ねてゆっくりペースで体を慣らしているうちに、周囲が明るくなってきます。
しばらく歩いたところで、湿地帯に出ることができました。一気に視界が開ける気持ちのよい空間です。
山行中は、ガイドツアーで訪れた登山客とも多くすれ違いました。
ガイドツアーへの参加は初心者の方はもちろん、日頃から登山に親しんでいる方にとっても、屋久島に関する自然や文化について詳しく話を聞くことができる良い機会となります。
独特な岩の景観に感動しつつ、山頂へ
湿地帯を過ぎて、さらに標高を上げていくと独特な花崗岩の景観を見ることができます。
どうしてこのようになったのだろうという好奇心と、他では目にすることができない景観に心が躍ります。
その後、さらに進むと山頂へ到着です。
山頂からは海が見え、改めて島の一番高い場所に来たことを実感します。
私が訪れた日は好天に恵まれ、口永良部島と種子島、開聞岳まで見ることができました。
道中一緒に歩いた方が、事前に気象神社でお祈りをしてきたとのことで、私も恩恵に与らせていただきました。
さらに永田岳にも登る
宮之浦岳の山頂から西側には、屋久島で2番目の標高1886mを誇る永田岳を見ることができます。
荒々しい山容が格好いい山です。いつまでも見ていたいところですが、今回はさらにこの永田岳にも登るため出発します。
宮之浦岳を下山し、焼野三差路という分岐地点を経て永田岳を登ります。
岩のゴロゴロ感が一層増してきたように感じます。
永田岳に到着しました。
永田岳がその荒々しい山容が印象的であったのに対し、改めて遠目から望む宮之浦岳は、なだらかな山容で優しい印象を受け、それぞれの魅力を感じました。
永田岳登頂以降は、下り基調の道を進んで行きます。
この日の山行は、少し下った標高1330mに位置する高塚小屋で終えました。
3日目:縄文杉からゴールへ
縄文杉に旅の安全祈願をして1日がスタート
3日目、朝一番で訪れたのは、確認されている屋久杉の中で最も太いとされている縄文杉です。実は、昨日泊った高塚小屋は、縄文杉まで徒歩約5分の場所にあります。
そのため、高塚小屋に泊まったらこの縄文杉を訪れるのがおすすめです。
縄文杉にこの先の旅の安全祈願をして出発。帰りのバスの時間が決まっていたため、やや早足で進んでいきます。
この日は、昨日とは打って変わっての雨模様。
しかし、一緒に登山していた方の中に「雨の方が苔がイキイキして綺麗なんだよ」と教えてくれた方がいたため、苔に注目しながら楽しんで歩くことができました。
縄文杉から白谷雲水峡までの区間には、多くの特徴的な屋久杉を見ることができます。霧がかった景色も趣があります。
トロッコ道からゴールへ
上り基調の道を歩き終えると、トロッコ道にたどり着きました。昔は、屋久杉を切り出して運搬するためのトロッコが走っていたそうです。
映画の舞台にもなったと言われる苔むす森を経由し、最後は渓流沿いの道を進んでゴールです。
屋久島登山は、自然の魅力がいっぱい!
宮之浦岳登山は、屋久杉・湿原・独特な岩の景観など、色んな形で自然を堪能することができます。
今回写真に収めることはできませんでしたが、ヤクシカをはじめとする屋久島固有の動物にも出合えることもあります。
アウトドアにどっぷりと浸りたい方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
日本全国や世界17か国で自転車ツーリングを楽しみ、最近はもっぱら登山にはまっています。
山行中にコーヒーでほっと一息つく瞬間が幸せです。