トレッキングポール講習に密着してきました
最近、山に行くとポールを持った人が目に見えて増えました。低山か高山かにかかわらず、稜線沿いでもどこでも見かけるポール使いのハイカー。たしかにアレがあったら山歩きはもっと楽にできるかもしれない。でもちゃんと使えるかな?というわけで、景信山で開催されたトレッキングポールの1日講習に密着してきました。
この日のポイントは、ポールの持ち方・ポールの長さ調整のしかた。ポールを持って歩くコツを平坦な道で練習し、その後トレイル(山道)で実践する内容です。普段山登りに行ってわざわざ平地でポールの練習をする時間はとれないので、いい機会ですね。
トレッキングポールのメリットとデメリット
ポールを持つことには、足の負担を減らすというとても大きなメリットがあります。足に続く3本目、4本目の支えになってくれる心強いツール。誰かが「4本足の動物になった気がする」とも言っていたような。特に長距離ハイクの時は、疲労がたまった帰りの足に不安がある場合大変力強い味方になってくれます。
しかし、デメリットもあります。岩稜帯など、両手を使って登る場所ではいったんポールをしまう必要があるので、出し入れが面倒。そして、軽量化の観点では荷物が増え、重くなります。最新式のポールだと1本につき200gを切るものも出てきていますが、このメリットとデメリットをよく理解したうえで使うといいですね。
トレッキングポールの長さ調節
ポールの長さは、平坦な道でまっすぐ立ったときにひじを90度に曲げた状態で手に添えるようなイメージです。
ポールについているストラップは、下から手を入れて持ちます。ただし登り下りが繰り返し出てくる道では、手を入れずにそのまま持って、握る高さを柔軟に変える(登りのときは短く持って、下りの時は長い所を持つ)方法もあります。
トレッキングポールを使って歩く時の注意点
- ポールに頼り過ぎない
- 先端についているゴムキャップを外して使う。ただし山域によっては、植生への配慮などからキャップ着用を義務付けている所もあるので確認を
- 人や岩にぶつからないようお互い注意して使う
さっそく実践!まずは、平坦な道を、何も持たないで両手をカラにしてスタスタ歩いてみます。その後、ポールを両手に、地面と水平に持って同じく歩くと、あらら?ただ手に持っただけなのに、体に力が入り、なぜか緊張してこわばってしまう人が続出。その次に、手にただぶら下げて、ズルズル引きずりながら歩いてみると、もはやポールに全神経がいってしまい、右手と右足が一緒に出てしまう人も。
実はポールを使うときは、手をカラにして歩いている状態の手にポールがくっついているようなイメージが一番理想的です。ポールをぐっと持って前に出したり、後ろについたりする必要はなく、いつも歩くときと同じように歩けるのが、長く疲れずに歩くコツ。これは慣れてこないとなかなか身に付きません。というわけで早速、トレイルに入って練習です!
まずは平地で試してみよう
1日かけて、ゆるやかなトレイルや急峻な坂、木道、階段、そして体力を消耗する急で長~い下り坂、小さな渡渉で小川を渡るなど、いろいろな場所をポールとともに歩きました。
ポールを使い、さらに両手がふさがっていることにも不慣れなため、飲み物や行動食をとる時にも一旦隅に置くなどのひと手間が生じます。ポールに限ったことではありませんが、山登りの「道具を増やす」ことに対応するための経験がいろいろできた1日となりました。
使い始めはどうしても、手にグっと力をこめて握ってしまうので手が痛くなったり、神経を使って疲労がいつもより増したりする人が多いです。
もし次の山行でポールを導入してみようと思ったら、平地でもいいのでポールを持ってぐるぐる歩いたりして、快適な長さや使いごこちを試してから本番を迎えると、イキナリ山で使うよりもきっとラクに登れますよ!
この日お世話になったのは・・・
アドベンチャーディバズ
https://www.adventure-divas.com/
トレッキングポール提供:グリップウェル
http://gripwell.jp/
◎イラスト・写真・文/コタロー
旅行・冒険が好きなイラストレーター。長野県出身。ブログhttp://blog.livedoor.jp/kota1022/