ようやく町に到着!10日ぶりにシャワーを満喫…【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.12】
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    2024.02.09

    ようやく町に到着!10日ぶりにシャワーを満喫…【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.12】

    デッキからの眺め。

    ニューヨークやボストンからも近い、アメリカ東海岸にある「ニューイングランドトレイル」。2023年10月、世界各国のロングトレイルを次々と踏破している日本で唯一のプロハイカー・斉藤正史さんが、そのニューイングランドトレイルに挑みました。日本ではあまり知られていないニューイングランドトレイルの実態、アメリカ東海岸のトレイル事情などについて、斉藤さんによる実感たっぷりの最新リポートをお届けします。

    10日ぶりにモーテルで宿泊

    朝、目覚めると、眼下には雲海が広がっていました。デッキの高台から見ると、僕が今まで歩いてきた北のエリアにはガスが掛かっていましたが、これから歩く南方向には雲は掛かっていません。もしかしたら、この先は露に悩まされることは無いのかな?と少し安堵しました。

    清掃の人が来る8時にあわせて準備をして待っていると、8時30分ころドアが開きました。水を補給し歩き始めます。1.3マイル(約2km)歩くと、トレイルヘッドに到着します。やはり、疲れていたのか、体は重かったのですが、とりあえず自主隔離期間は終わりました。今日から5日間は、人の集まる場所ではマスクをする期間になります。

    念のため出来るだけ人と接触しないように、トレイルヘッドから予約したモーテルまでの約10マイルも歩く事にしました。

    コネチカット川にかかる車以外が通行する橋。

    トレイルヘッドを出発して地図を見ると、半日は潰れそうな距離でした。コロナ隔離期間があけたとはいえ、やはりヒッチハイクするのは気が引けるので、ハイウエイの脇をとぼとぼと歩いていきます。

    きっとアメリカの西側ならヒッチハイクしなくても声をかけてくれるよな。と思いつつ、下を向いて歩いていくと、お昼を過ぎるころには目的地のモーテルまで2マイルほどの位置まで歩いていました。するとポートレイトから連絡があり、合流してモーテルまで車に乗せてもらいました。

    ニューイングランドトレイルになる前のトレイルの名前。

    シャワーと洗濯とテレビを満喫

    翌日もポートレイトが迎えに来てくれることになり、ここからは自由行動。まずはシャワーを浴びることにしました。

    夜行バスで出発して、それから今までコロナで入れなかったので、実に10日振りのシャワーです(過去には3週間入れなかった事もあります)。それくらいシャワーを浴びないと、尋常じゃないほどの垢が落ちます。まるでアカスリしているようでした。

    もちろんランドリーもアメリカに来て初めて使います。最寄りのコインランドリーでは、洗いと乾燥で4ドルほどでした。場所も違いますが、思ったほど物価は高くないような気がしていました。

    モーテルの部屋。

    Mt. ホリオーク・トレイルヘッド(トレイルの入り口)。

    スーパーマーケットで、食料の補給をしたのですが、聞いていたほど物価は高くない感じでした。確かに少し高くなっている気はしましたが、1.2倍程度でしょうか。2ドルのチップスが2.5ドルくらいです。ただ、2ドルでも300円です。たしか、僕が前回アメリカを訪れた時が110円程度だったと思うので、2ドルで80円も違います。

    アメリカの物価が高く感じられるのは、単純に円安が影響しているからだと思います。そんなこともあり、食事は節約のためスーパーでお惣菜を買うことにしました。

    日が暮れてもあれこれと作業してしまいます。町に来るとハイカーは洗濯したり、食料補給したり、連絡とったりとやることがたくさんあります。でも、電気があるとダラダラ過ごしてしまいますね。今回もFOODチャンネルで料理バトルを見たり、車のチャンネルで古い車をリペアする番組を見たりと、無駄に遅くまで起きていました。

    結局、トレイルで過ごす方が、ゆっくり寝れたりしますね。

    New England Trail公式サイト

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。また、BE-PAL.netにて「TOKYO山頂ガイド」を連載中。

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