大陸別・名門ブランド&名品ギアの誕生モノ語り~ヨーロッパ編3~
ノローナ 1929年〜 NORWAY
先進技術を取り入れたモノ作り
ノルウェーの過酷なフィールドで機能する最高品質の製品を作るために、アウトドア愛好家のヨルゲン・ヨルゲンセンが創設したアパレルブランド。以来、首都オスロ近郊を拠点とし、4世代にわたって受け継がれているファミリーカンパニーだ。昨年リニューアルされた本国のヘッドオフィスには、クライミングジムや直営店、スカンジナビア料理を楽しめるレストランなどが併設され、クライマーたちの情報交換の場として活用されている。
問い合わせ先:フルマークス cs@full-marks.com
senja flex1 5" Shorts
¥14,300
脚上げ動作がスムーズにできるようにデザインされた、動きやすいトレイルランニング用ショーツ。
ノルテント 2019年〜 NORWAY
過酷な環境に強いテントメーカー
19歳で軍隊に入ったケティル・クヌッセンは、サバイバル術の指揮官を任命され、過酷な環境下でのテント生活を経験。数学教師でもあった彼は、自然界の多くの要素が幾何学的に構築されていることに気付く。その閃きと、伝統的かつ機能的な北欧のサーミ族の住居をヒントにテントを作り、ブランドを創設した。これまで大型テントが多かったが、今後はライトハイキングや登山向けの1 〜2人用テントにも力を入れていくという。
問い合わせ先:アブレイズ TEL:045(810)1815
Vern 1 PC
¥73,700
4シーズンに対応するソロ用シングルウォールテント。幕体は通気性に優れたポリコットン地で、耐風性も抜群。
オピネル 1890年〜 France
ピカソも使っていた機能美ナイフ
刃物職人の父を持つジョセフ・オピネルは、家業を助けるために回転式ブレードの折りたたみ式ナイフを開発してブランドを創設。1897年には、さまざまな作業や手のサイズに対応するため12種類ものサイズを展開。ブランドロゴに付された「Crowned Hand」は、かつて公国として栄えた地元のサン・ジャン・ド・モーリエンヌの紋章に由来し、すべてのオピネル製品に刻印されている。
問い合わせ先:OPINEL JAPAN https://opinel.jp/
スリムナイフ
¥3,080〜3,960
魚をさばくのに適した、薄くて柔軟なステンレススチールのブレードを持つフィレナイフ。魚のサイズに合わせて4種のサイズをラインアップ。
オピネルナイフを紹介した1936年当時のカタログ。’55年からは安全性を高めるロック機構が導入された。
オプティマス 1899年〜 Sweden
加圧式ストーブの老舗ブランド
1880年に発明家、カール・ナイバーグが、液体燃料を加圧して気化させる方式の燃焼器具を開発。この画期的発明を機に、加圧式燃焼器具メーカーが続々と登場した。そのひとつがオプティマスだ。とくに、「123Rスベアストーブ」はKing of Stoveとして有名。
問い合わせ先:スター商事 TEL:03(3805)2651
1908年、広大な敷地に建設された工場の様子。
123R スベアストーブ
¥21,780
1800年代後半に開発されて以来作り継がれている、ホワイトガソリン専用ストーブ。
オルトリーブ 1982年〜 Germany
ドイツ国内生産にこだわる"完全防水"バッグメーカー
自転車が好きなハートムート・オルトリーブが、トラックの防水布を使った手作りのバッグを作ったのがはじまり。’84年からは高周波溶着を取り入れ、完全防水化に成功。本国にある社屋への導入路の名が「Rainstraße(雨通り)」というのがシャレている。
問い合わせ先:ピーアールインターナショナル TEL:052(774)8756
ソウロ
¥36,300
雨が降っても安心な完全防水のデイパック。雨蓋はマグネット式で素早く開閉でき、アウトポケット付き。
ペトロマックス 1910年〜 Germany
圧力式灯油ランタンの先駆モデルを開発!
照明器具の製造会社を経営していた父親から家業を継いだ、アドルフとマックス・グレーツ兄弟が創設。灯油を燃料とし、灰化した袋状の布地(マントル)に気化させた燃料を送り込むことで明るく光る、圧力式灯油ランタンを開発したことで有名だ。
問い合わせ先:スター商事 TEL:03(3805)2651
HK500
¥41,800
ブランド創設以来、いま現在もドイツ国内で作り継がれている、世界的なロングセラーモデル。
世界初の灯油を燃料として使った圧力式ランタンを開発した、マックス・グレーツ。
プリムス 1892年〜 Sweden
数々の冒険を支えてきたスカンジナビアの古豪
1880年代後半、発明家のフラン・ヴィルヘルム・リンドクヴィストが、実業家のヨハン・ビクター・スヴェンソンと共同で、画期的なパラフィン(灯油の一種)ストーブを開発。それは、パラフィンを気化させることで無煤煙(煤や煙が出にくい)を実現した世界初のストーブで、ラテン語で「一番」を意味する"PRIMUS"と名付けられ、その後プリムス社を創業した。1930年以降はLPG(液化石油ガス)を使ったストーブやランタンの開発をスタート。さらに2016年からはテーブルやファイヤーピットなどキャンピング用品の開発も強化している。
問い合わせ先:イワタニ・プリムス TEL:03(6667)0680
153 ウルトラバーナー
¥11,000
4.2kW(3,600㎈/h、Tガス使用時)ものハイパワーとコンパクト性、軽量性を併せ持つ定番モデル。
アムンゼンの南極探検(1911年)、ヒラリーのエベレスト初登頂(1953年)にも使われた灯油燃料のプリムス・ストーブ。
ペツル 1975年〜 France
クライミングギアのトップブランド
834時間も連続で洞窟の中で過ごすなど、数々の記録を持つ洞窟探検家、フェルナンド・ペツルが、自分のために用具を製作したのがはじまり。2000年には超軽量コンパクトな世界初のLEDヘッドランプを開発し、現在は高所作業やレスキュー用具など幅広い製品開発を行なっている。
問い合わせ先:アルテリア https://www.alteria.co.jp
ボレオ
¥11,000
保護性能を強化しリニューアルされた、耐久性が高く多用途な定番モデル。
自作した道具を駆使して、洞窟内を通過しようと試みる創設者のフェルナンド・ペツル(右)。
(BE-PAL 2024年2月号より)