パルパーク・プロジェクトin北九州市での講座実施レポート
アウトドアプロデューサー・長谷部雅一さんが指南!
「今年は新しいことにチャレンジしましょう!」
山田緑地に焚き火場ができて5回目の冬、毎年「森の焚き人養成講座」の講師を務めてきた長谷部さんが、ダッチオーブンを携えて森の焚き人の前に現われた。
森の焚き人とは、山田緑地の焚き火イベントで子どもたちに焚き火のやり方や楽しさを伝えるサポートスタッフのこと。これまで5年間、毎年メンバーを増やしながらパルパークプロジェクトの運営を支えてきたパル(仲間)である。その仲間たちに、焚き火を利用するダッチオーブン料理を伝授し、活動の幅を広げてもらおうというわけだ。
作る料理は、丸ごとローストチキンと豚バラ肉のトマト煮込み。肉の下ごしらえに始まり、調理に適した熾火のおこし方、さらにダッチオーブンの手入れ法まで、ダッチオーブンに初めて触れた森の焚き人たちに長谷部さんが次々にレクチャーしていった。
翌日。20人の親子をゲストに迎えて、アウトドア・クッキングを楽しむ体験イベントが開かれた。この日の先生は、長谷部さんからコツや注意点を伝授された森の焚き人だ。
「チキンが鍋にくっつかないように置いてね。くっつくと焦げちゃうから、間に野菜をかませるといいよ」
「火傷にはじゅうぶん気を付けてね」
そして……完成! 焚き火場においしい湯気が広がり、子どもたちの声が響き渡った。
「やば! うま! おかわり!」
夕方。ゲストが帰った後、後片付けをしながら森の焚き人のひとりがつぶやいた。
「次は焚き火でコーヒーを焙煎するなんてどうかな?」
すると堰を切ったように皆の口からアイデアがあふれ始めた。焚き火サウナ、バームクーヘン作り、野草料理……。
山田緑地×パルパークをもっと楽しみ、もっと好きになる――可能性が広がり始めた。
パルパークをもっと楽しむために
焚き火を使ってダッチオーブン料理に挑戦
1日目
ダッチオーブンのスキルを学ぶ
ダッチオーブン料理の定番、ローストチキン。野菜は皮をむかずに鍋に入れる。
ローストチキンが焼きあがる。ダッチオーブンはその名のとおりオーブンとして使える。
使用後のダッチオーブンの手入れ。本体だけでなく蓋にもオリーブオイルを丁寧に塗る。
豚バラ肉のトマト煮込み。焦げ目をつけたバラに野菜を投入して豪快に煮込む。簡単!
めっちゃ映える!
熾火の上にダッチオーブンを置いて40分。蓋を開けると、ゲストから「おお!」と歓声。
焚き火で炙ったバゲットも添え「パルパーク・プレート」完成! 満点の出来!
2日目
子どもたちと料理を楽しむ
丸ごと1羽いきます
丸鶏を初めて見る子どもも。水洗いし、キッチンペーパーで水気を拭き取って調理開始。
「ザクッといけー!」。軽く焼いた豚バラ肉の塊を豪快に切り分ける。
ぜんぶ入れちゃえ!
カットした豚バラの上に野菜を投入。大雑把でもおいしくできるのがダッチオーブン。
おいしいし楽しい!
焚き火を体験し、最後に自分たちで作った料理をお腹いっぱい食べて、ゲストは大満足。
「焚き火バンザイ! 焚き火料理最高!」。パルパークの可能性が広がった2日間だった。
※構成・文/鍋田吉郎 撮影/江藤大作
(BE-PAL 2024年2月号より)