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大人気アウトブランド「SOTO」とは
SOTOってどんな会社?
1978年設立のSOTOこと新富士バーナーは、工業用バーナーの専門メーカー。あまりの人気で生産が追いつかなかった「ST-310」や、世界で初めてマイクロレギュレーターを搭載した「ウインドマスター」など、数々の傑作ストーブを生み出してきた。東京2020オリンピックの聖火リレートーチの燃焼部も担当。
創業以来のモノ作りのノウハウが込められた本社工場
業界きってのギアオタクで、製造現場や工場見学が大好き。SOTOブランドが創設された’92年以降の全製品を持つSOTOマニアでもある。
元々が工業用トーチや野焼き用のバーナー製造を稼業としているメーカーなので、油にまみれた町工場的な現場を想像していたのだが、空調の効いたピカピカの工場内では、最新のマシニングセンターが低い唸りを上げて真鍮部品を削り出していた。
できたての部品を見せてもらうと、箸先ほどの細いスピンドルに緻密なネジが切ってある。まるで時計の部品のようだ。
「じつはこのマシンは日本の時計メーカーが開発したもので1000分の1mmという精度で精密機械加工ができるんですよ」と生産部部長の冨永さんが教えてくれた。3年前に工場を新設するに当たって各種の最新マシンを導入し、動線を研究しつくしてレイアウトを組んだそうだ。
「創業以来積み重ねてきたモノ作りのノウハウをすべてこの新工場に込めました。ゴトクなどのプレス部品は外部の協力工場さんに生産委託していますが、流路(ガスや灯油など燃料の通る場所)はすべてこの工場で内製しています」とのことだ。
現在は24時間フルオートメーション化されていて、マンパワーは溶接作業や組み立てなど専門技術を必要とする部門に振り分けられている。
その組み立て工程では、多くの若いスタッフがグループごとに分かれて作業をしていた。各スタッフは組み立て、点火試験、梱包など多岐にわたる作業工程のすべてに対応できるよう、訓練されているそうだ。
1階はパーティションを設けず、工程全貌を見渡せるようになっており、マシニングセンターやNC旋盤などが40年間の製造ノウハウに従って配置されている。
▼参考記事
大人気ブランド「SOTO」の工場見学!アウトドアギアの傑作はここから生まれていた
ガストーチの基礎知識
ガストーチとは
ガストーチとは、アウトドアでの火おこしや調理器具などに幅広く利用されるアイテム。可燃性ガスを使用して、800~2000度Cの炎を噴出させることができる。
ガストーチ、ガスバーナーあるいはトーチバーナーなどさまざまな呼ばれ方があり、厳密な区別はないが、一般的にガストーチは充填式のライタータイプで、ガスバーナーはCB(カセットガス)缶やOD(アウトドアガス)缶を取り付けて使用するものを指す。
ガストーチはアウトドアで幅広く活躍するアイテム
ガストーチ(ガスバーナー)は、キャンプなどで活用できる便利なアイテム。火おこしはもちろん料理にも使えるため、一つは持っておきたいところ。具体的にどういったことに使えるのか、アウトドアシーンでの使い方について紹介しよう。
火おこし
アウトドアを始めたばかりで、火おこしが苦手または時間がかかるという人もいるだろう。そんなとき、ガストーチ(ガスバーナー)を使えば、簡単かつスピーディーに火をおこすことができる。火おこしが苦手な場合は、まずガストーチ(ガスバーナー)を使ってみるのがおすすめ。
料理
アウトドアで炙り料理にチャレンジしたいときにもガストーチ(ガスバーナー)が役立つ。魚や肉はもちろん、チーズやカラメルなどにも手軽に焦げ目を付けることができる。手軽に本格的な炙り料理が楽しめ、キャンプ料理のバリエーションが広がる。
スモークウッドやキャンドルへの火つけ
ガストーチ/ガスバーナーがあれば、スモークウッドやキャンドルへの火つけも簡単だ。他にも花火や焚き火など、一つあるとさまざまな着火に便利。キャンプ初心者で焚き火などの火つけに慣れていない人には、とても重宝するアイテムだ。
ガストーチの種類とメリット・デメリット
ガストーチ(ガスバーナー)には、さまざまな種類がある。それぞれの違いやメリット・デメリットを紹介しよう。
充填式
充填式は、本体に燃料を充填して使うライタータイプのガストーチ。ライターより燃焼温度が高いため、焚き火などの火おこしに役立つ。ズボンのポケットに入れられるくらい小型でコンパクトなものが多く、収納しやすい点が特徴。荷物を少なく抑えたい人におすすめだ。ただし充填式は、入れられる燃料が少ない分、連続使用時間が短いのがデメリット。たくさん使う予定がある場合には注意が必要。
ライター装着式
ライター装着式は、市販の使い捨てライターに装着して使用する。使い捨てライターを高温度のバーナーに変えられる手軽さが魅力。ターボライターのように使うことができ、風に強いのが特徴だ。
カセットタイプ(CB缶)
カセットタイプ(CB缶)のガストーチ(ガスバーナー)は、家庭用カセットボンベで使用できるのがメリット。コンビニやスーパーなどどこでも燃料確保ができるため、利便性に長け、ランニングコストも抑えられる。少人数での焚き火やバーベキューコンロの火おこしならこちらで十分こと足りるだろう。
アウトドア缶(OD缶)
アウトドア缶(OD缶)タイプは、ハイパワーで天候に左右されにくいのが特徴。大人数での焚き火やバーベキューのほか、冬場のキャンプや登山でも安心して使用できるが、専用のOD缶が必要だ。OD缶は、CB缶と比較すると高価でアウトドア専門店やホームセンターなど購入場所が限られるので要注意。
ねじ込み式
ねじ込み式は、火力が2000~3000度Cと強力。着火時間も長く、キャンプファイヤーなどで重宝する。ただし、アウトドア専門店やホームセンターなど、購入場所が限定される点がデメリット。
▼参考記事
ガストーチ/ガスバーナーのおすすめは?キャンプでの活用法も紹介
キャンプにはガストーチがおすすめ!メリットと注意点
北陸在住。北陸の海、山、食材をこよなく愛するアウトドアライター。週末に外でのむ酒、外で食べるキャンプ飯、そして焚き火。それだけを楽しみに毎日を生きています。好きなキャンプ飯は、自分で刺した「せせり串」です。北陸ならではのキャンプの魅力を伝えていけたらと思っています。
キャンプは、「火起こしができなければ何もはじまらない」と言っても過言ではない。BBQコンロでキャンプ飯を作るときも、焚き火台で焚き火をするときも、当然、火が必要になる。
しかし、炭や薪は簡単に火がつくものではない。炭や薪の着火には、着火剤を使うのが一般的だが、キャンプを始めたばかりの初心者は火起こしに苦労する場合が多い。そんなときは、ガストーチを使って簡単に火をつけることができる。
キャンプでガストーチを使うメリットについて解説していこう。
素早い着火が可能
着火剤を使って火を起こすときは、着火剤にライターやマッチなどで火をつけ、その上に焚き付けや炭や薪をおき、火を大きくしていく。その際、着火剤が湿っていて火がつきにくかったり、焚き付けや炭や薪に火がつく前に着火剤がなくなってしまったりして、火起こしに失敗してしまうこともよくある。
しかし、ガストーチを使えば、トーチ先端部から出る火をしばらくのあいだ炭や薪に当てておくだけで、火を起こすことができる。炭や薪がオレンジ色になるまで火を当て、風を送り込めば着火は完了だ。
キャンプにおいて、準備をいかに早く済ませられるかは、キャンプをどれだけ満喫できるかに大きな影響を与える。その点で、キャンプで重要な火起こしをすばやくおこなうことができるガストーチは、初心者の方にとって必須アイテムといえる。
燃料はガスボンベひとつだけ
着火剤は高いものではないが、保管が少し面倒だ。着火剤を湿気の多い場所においていたために、使い物にならなくなってしまうこともある。
ガストーチなら、燃料はガスボンベひとつ。着火剤やライターやマッチを買う必要はない。点火装置付きのガストーチであれば、ダイヤルを回してガスを出し、点火ボタンを押せば、簡単に火をつけることができる。
ライターやマッチなどを使って火をつけるひと手間を省くことができるのも、ガストーチの魅力のひとつだ。
キャンプ飯の調理にも活用できる
ガストーチは、火起こしでしか力を発揮しないわけではない。キャンプ飯を作る際に活用することもできる。
操作部の栓を回してガス量を調節することで、火力調節が可能。キャンプ飯の仕上げに少しガストーチを使って炙ることで、また一味違うキャンプ飯を味わうことができる。
ガストーチを使用する上での注意点
ガストーチは非常に便利なものだが、使い方には注意が必要。
火をつけるときに、はじめはつきにくいこともあるが、その際ガスボンベを取り付けたままガストーチの先を覗くなどは絶対にしないようにしよう。
また、ガストーチはボタン一つで簡単に火がついてしまう。使用しないときは、必ずガスボンベをガストーチから外しておくようにしよう。
▼参考記事
キャンプにはガストーチを持っていくのがおすすめ!メリットと注意点を解説
SOTOの大人気アイテム「スライドガストーチ ST-480C」
SOTO(ソト)
スライドガストーチ ST-480C
●サイズ:幅38mm×奥行18mm×高さ115~185mm
●重量:52g
●火口径直径:14mm
●炎温度:1,300度C
●連続使用時間:30秒以内
「良いモノを長く」をモットーに、キャンプギアの選定をしています。また、ギアができた背景や、作り手の思いがあるモノに惹かれます。キャンプを通じて、さまざまなカルチャーとふれあい、発信していきたいと思っている。
アウトドアシーンで出番の多い、ライターやマッチなどの着火アイテム。手軽に使用できて便利だが、風に弱かったり、手と火口の距離が近く危なかったりと使いづらさは否めない。
そんなときにおすすめしたいのが、SOTOの「スライドガストーチ ST-480C」。このアイテムは、ライターやマッチに特有の弱点を感じさせず、アウトドアライフを強力にバックアップしてくれる。
筆者もキャンプで使用しているが、もはや”手放せない存在“と言っても過言ではない。そんな「スライドガストーチ ST-480C」について、愛用者目線で魅力をお伝えする。
SOTO「スライドガストーチ ST-480C」の4つの魅力
ノズルが伸縮する
1つめの魅力は、火口のあるノズルが伸縮する点。
伸縮幅は、最大で75mm。これだけ伸縮すれば、手と火口の距離を十分に保てる。ライター使用時に気になっていた手と火の距離や火口の角度はもう気にする必要はない。
安全に着火できる点は、使用時のストレス軽減にもなる。花火の導火線への着火なども安心。この機能のおかげで、使用の幅が間違いなく広がる。
安全装置装備
2つめの魅力は、誤作動や安全に配慮した装備がある点。
点火は点火ボタンを押して行うが、誤作動防止のためのセーフティロックスイッチ機能がある。使用しないときに点火ボタンをスライドしてロックしておけば、誤作動による点火を防げる。
子どもがいるキャンプでは特に重宝するほか、他のギアと一緒に持ち運ぶ際も安心だ。
火口に取り付けるキャップも付属。
このキャップを装着することで、高温になった火口に触れての火傷防止や、火口へのゴミ侵入防止の効果がある。実用的でありながら、安全性の高いギアだ。
高火力で耐風性がある
3つめの魅力は、高火力で耐風性に優れている点。
「スライドガストーチ ST-480C」の炎温度は1300度Cと超強力。炎も勢いよく火口から出るため、風の影響も受けず快適に使用できる。下に向けて使用したいときでも、まっすぐに炎が出てくれるので気に入っている。
通常のライターだと風の影響を受けて火が消えてしまい着火に苦労した、なんて経験も、「スライドガストーチ ST-480C」を使用すれば解決だ。
カセットガスで充填可能
4つめの魅力は、カセットボンベのガスで燃料を充填できる点。
ライターのように専用のガスなどは必要なく、どこの家庭にもあるようなカセットボンベのガスで充填が可能だ。ガスの充填方法も簡単で、本体下部にあるガス注入口に、カセットボンベの先端を押し当てるだけのワンタッチ操作。
キャンプでもカセットボンベを使用する調理器具は多く、それらと兼用できるのはうれしいメリットといえる。なお、ライターガスも使用可能だ。
▼参考記事
愛用者が語る、SOTO 「スライドガストーチST-480C」をおすすめする理由
強力耐風バーナー!機能満載の「フィールドチャッカー ST-430」
SOTO(ソト)
フィールドチャッカー ST-430
●サイズ:長さ150mm×高さ100mm×幅25mm(ボンベ除く)
●重量:140g(本体のみ)
●火口径:直径20mm
●使用燃料:ST-720
●火炎温度:1000℃~1600℃
「良いモノを長く」をモットーに、キャンプギアの選定をしています。また、ギアができた背景や、作り手の思いがあるモノに惹かれます。キャンプを通じて、さまざまなカルチャーとふれあい、発信していきたいと思っている。
筆者が愛用しているのはSOTO「フィールドチャッカー ST-430」。強力な火力が魅力だが、使っていくなかで火おこし以外にも多用途であることがわかった。
「フィールドチャッカー ST430」の魅力や用途について紹介しよう。
SOTO「フィールドチャッカー ST-430」の4つの魅力
強力耐風バーナー
1つめの魅力は、強風にも負けない火力。
気候に左右されることの多いアウトドアだが、「フィールドチャッカーST-430」は強風下でも問題なし。ライターのように、風の影響で火が消えることがなく、ストレスフリーで作業に集中できる。
誤作動防止機能付き
2つめの魅力は、本体に誤作動防止ロックがあること。
バーナーは高火力ゆえに、誤作動は防ぎたいところ。子どもがいる際にはなおさらだ。「フィールドチャッカー ST-430」の本体下部には誤作動防止レバーがあり、使用しないときは、このレバーを押し上げることでロックをかけることができる。
持ち運び時などにも、この誤作動防止機能を活用すれば安心。不意の事故などを防止することができる。
火炎調整機能
3つめの魅力は、簡単に火力の調整ができること。
使うシーンに合わせて火力を調整できるのはメリットが多い。うまく使えば燃料の節約にもなる。火力調整のつまみを操作すれば、バーナーの炎の大きさを調整できる。また、空気調整つまみもあるため、火力のバランスを自在に操ることも可能だ。状況に合わせて調整するといいだろう。
ワンタッチ操作で使用可能
4つめの魅力は、ワンタッチ操作で使用ができること。
着火は、本体を握り点火レバーを引くだけ。簡単な操作で、勢いのある火力を得ることができる。この手軽さと高い火力の両立こそが、アウトドアにおいて信頼できる点といえる。
幅広い用途を紹介
焚き火や炭火の着火
「フィールドチャッカー ST-430」で最も期待される用途が火おこし。
すでに述べた通り、「フィールドチャッカー ST-430」は高火力のため、薪や炭の着火も容易にできる。焚き火や炭火などは最初の火おこしに苦労するため、火おこしを手早く手軽にしたい方には、特におすすめだ。
料理への焼き目つけ
意外と重宝するのが、料理への焼き目つけ。
素材の旨味を引き出したり、見映え良くするには欠かせない作業だが、そんなときにもこの「フィールドチャッカー ST-430」が大活躍する。パンやチーズ、デザートなどの焼き目つけから、刺身の炙りなどまで簡単。筆者は家でも使用するほど重宝している。
DIYの焼き作業にも
その他、DIYでも活用できる。筆者は木材の焼きに使用してみたが、簡単にできた。アクセントにもなり、DIY好きの方にもおすすめできる使い方だ。
使用上の注意点
使用後は火口が高温に
使用した後は火口が高温になり、うっかり手や腕が触れると火傷の恐れがある。使用後は触れない場所に置くなど、対策をしよう。
使用時は周囲を確認
このギア含め火器を使う際には、思わぬ事故に繋がる可能性もあるため、周囲に可燃物などがないことを確認しよう。
専用のガス缶が必要
「フィールドチャッカー ST-430」には、カセットボンベではなく専用のガス缶(ST-720)が必要となる。ホームセンターやネットなどで手軽に入手可能だが、どこでも調達できる、という訳ではないので注意しておこう。
▼参考記事
SOTO「フィールドチャッカーST-430」はマストバイ!愛用者が熱く紹介
ガス充填不要!使い捨てライターが燃料の「ポケトーチ」
SOTO(ソト)
ポケトーチ
●サイズ:長さ60×幅23×高さ110mm
●重量:50g(ライター除く)
●火口径:直径14mm
●炎温度:1300℃
●炎サイズ:直径3×12mm
●炎形状:極細集中炎
●使用燃料:市販の使い捨てライター(使用可能ライター/CR-ML-17[PSC]・CR-SPカラード[PSC])
●燃焼時間:約20分(ライター1個)
●連続使用時間:1分以内
メンテナンスいらずで気軽に使える
炎温度約800℃の使い捨てライターが1300℃の強力バーナーに変身する、優れもの。「指が熱くなるので、ライターは苦手…」という方にもおすすめ。火を最大1分間出せるため、様々な用途に使える便利なアイテムだ。
ガスの充填は必要なし!使い捨てライターが中にセットされているため、燃料がなくなったら市販のライターで簡単に交換可能だ(※サイズによって交換できない場合があるため、ポケトーチ用ライターがおすすめ)。メンテナンスも必要ないので気軽に使える。
さらに、ライターよりも火力が強いのに、使用時間は長くて経済的。重さは50g(ライター除く)で、サイズも手の中におさまるポケトーチは、軽量重視の登山にもぴったりだ。
料理に焚き火に!使い方はいろいろ
キャンプの火おこしだけでなく、ロープや細引きのホツレ止め、野外で作ったグラタンやドリアの焼き目つけなどにも使える。応用で、手作りプリンに好きな絵や文字をポケトーチで落書きも。