シェルパ斉藤、野田知佑さんの愛犬マルのホームステイを家族と仲間で盛り上げる!
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    2024.02.08

    シェルパ斉藤、野田知佑さんの愛犬マルのホームステイを家族と仲間で盛り上げる!

    シェルパ斉藤、野田知佑さんの愛犬マルのホームステイを家族と仲間で盛り上げる!
    野田知佑さんの愛犬、ボーダーコリーのマルを10日間ほど預かった。その経緯と顛末はBE-PAL3月号の『シェルパ斉藤の旅の自由型』を読んでもらうとして、BE-PAL.NETでは本誌で掲載しきれなかったエピソードや写真を紹介しようと思う。

    10歳になっても元気な愛犬センポ

    まずはマルのよきパートナーとなったセンポを紹介しておきたい。

    東京を歩く旅や家島の旅でも同行したように、センポは生後3ヶ月から僕とともに日本全国を旅している。(関連記事「黒ラブと東京の山を歩く!新宿、青山、浅草の低山を犬連れでハイキングしてきた」「シェルパ斉藤、愛するラブラドールと瀬戸内海の家島諸島を旅する!」)

    10歳になる高齢犬になってしまったが(人にたとえれば還暦くらいかな)、うちの庭や近所の公園でボールを追いかけて全力疾走しているので、体力と脚力は衰え知らずだ。ウエストがくびれて体が引き締まっているから、ラブラドール・レトリーバーとしては小柄で、ボーダーコリーのマルとほぼ同じ体格に見える。従順で賢くて、環境の変化に適応する能力にも優れ(親バカですみません)、歩く旅のパートナーとして申し分ないんだけど、難点がひとつだけある。

    それは体毛が黒いこと。艶のある美しい黒毛なんだけど、写真を撮ると露出の関係で、黒い影になってしまうのだ。誌面では表情がわかりづらいので、センポの顔を紹介しておきたい。10歳なのにこんなあどけない顔をしているセンポを、僕は美魔女だと思っている(またも親バカですみません)。

    野田知佑さんの愛犬、ボーダーコリーのマル

    この写真を撮影したのは、次男の南歩。家族を見つめるとき、犬はこんな表情になる。

    羽田空港でマルを預かった僕とセンポは、八ヶ岳山麓の自宅に直帰せず、東京郊外のキャンプ場に1泊した。

    ペットと車両の乗り入れが可能な条件で検索して見つけたキャンプ場だが、そこはサバイバルゲーム、略してサバゲーのフィールドでもあった。午前8時半から午後5時まではサバゲーのフィールドとして営業し、午後5時以降は駐車場をキャンプ場に活用している。そのため、受付開始が午後5時以降で、翌朝8時半までには退出する決まりになっている。

    バリケードなどがあるサバゲーのフィールドは、単菅で組まれたフレームをネットで覆っている。事務所はプレハブの建物で味気ないし、駐車場も砂利が敷かれていて、工事現場にテントを張っている気分である。なぜか放し飼いのヤギもいて、牧羊犬であるボーダーコリーのマルが興奮するかもと思ったが、マルがヤギに反応することはなかった。似ているように思うけど、羊とヤギはまったく違うことをマルが教えてくれた。

    N-VANの荷室におとなしく乗車するマルとセンポ

    N-VANの荷室におとなしく乗車するマルとセンポ。どちらもクルマに乗りなれているから、移動が楽だった。

    サバゲーキャンプ場

    一般的なキャンプ場に比べたら、風景も設備もかなり異なる。どこにテントを張るんだ? と到着直後は思った。

    放し飼いのヤギ

    スタッフが放し飼いのヤギを小屋に入れてくれた。利用者が僕らだけだったので、その後は犬もノーリードで歩き回れた。

    工事現場のようで写真映えしないキャンプ場であったが、日が暮れると一変する。サバゲーのフィールドが闇に溶けて見えなくなり、街の夜景が眼下に望めるのだ。

    さらにここは薪が使い放題になっている。形や大きさはバラバラだけど、薪としては良質なクヌギやヤマザクラが棚に積まれていて、キャンパーは好きなだけ燃やせる。

    きらめく夜景と揺らめく焚き火の炎、犬たちの温もりも感じられる贅沢なキャンプとなった。

    砂利が敷かれた駐車場がテントサイト

    砂利が敷かれた駐車場がテントサイト。「どこでも好きな場所にどうぞ」といわれたので、眺めのいい場所にテントを張った。犬が車中泊で、僕はテントに泊まった。

    広葉樹の薪

    不揃いで見栄えはよくないけど、火もちがいい広葉樹の薪が棚に用意されていた。好きなだけ使えるのがありがたい。

    あきる野市の夜景

    あきる野市の夜景を眺めて、犬とともに焚き火を楽しむ。このキャンプならではの醍醐味。昼間のロケーションの悪さを補って余りあるキャンプ場だ。

     友達になれる存在がいるという幸せ

    短期間だったけど、2頭の犬と暮らす八ヶ岳の生活は満ち足りていた。

    これまで僕はゴールデン・レトリーバーのニホにはじまり、黒ラブのサンポ、サンポの娘のトッポ、柴犬のカイくん、そしてセンポというように5頭の犬とつきあってきた。ニホが3歳の年にサンポが加わって以降、多頭飼いの時期が長く続いた。3年前にカイくんが亡くなってからはセンポのみの生活になったが、それまでの約25年間は常に複数の犬が家にいた。

    犬は祖先であるオオカミがそうであるように、群れで暮らす動物だ。僕たち人間は犬にとって良き主人にはなれるけど、友達にはなれない。それができるのは犬だけだ。仲睦まじいセンポとマルの様子を見て、多頭飼いが犬にとっての理想の環境であることを再認識した。

    全力で戯れるマルとセンポ

    全力で戯れるマルとセンポ。体格がほぼ同じだから対等にぶつかり合える。こういう遊びを日常にしていると、犬はストレスがたまらない。

    2階のウッドデッキ

    2階のウッドデッキをマルとセンポの生活スペースにした。休むときも昼寝をするときも寄り添うマルとセンポ。心和む光景である。

    近くの公園へ散歩に

    毎朝、近くの公園へ散歩に出かける。南アルプスが望める絶景の広場を僕らはフィリピン公園と呼んでいる。利用者は僕らだけだから、犬とボール遊びに興じる。

    広場を自由に駆け巡った

    毎日ボール遊びをしているセンポはボールを投げてもらわないと落ち着かない。マルはそれほどでもなく、広場を自由に駆け巡った。

    おすわりの図

    おやつのビスケットを与えようとすると、マルもセンポもおすわりをしてじっと待つ。

    おすわりをして指示に従う

    もちろん僕に対しても、マルはおすわりをして指示に従う。僕の犬といいたくなるくらい従順だった。

    息子の同僚7人も加わり八ヶ岳で遊び尽くす

    マルがうちに来た翌日、大阪で暮らす長男の一歩が会社の同僚7人を連れて帰省した。祝日と週末と有給を組み合わせて4連休をとり、一歩を含めて8人の若者がわが家に滞在して、マルとセンポのよき遊び相手になった。

    若者たちは僕の日課に合わせて630分にラジオ体操をして、公園まで散歩。昨日は僕と妻だけのキャッチボールだったが、プラス8人もいるから、センポとマルも大喜びでボールを追いかけまわした。

    キャッチボールのあとは、5人ずつにチーム分けして草野球だ。ビニール製の柔らかいボールを使うから、グローブはいらない。守備で大活躍するのはセンポだ。水鳥を回収(レトリーブ)するレトリーバーだから、打球に向かって全速で駆けていき、すぐにボールを回収する。ボーダーコリーのマルはセンポほどボール遊びに固執しない。最初はセンポとともにボールを追いかけていたが、やがて飽きて公園から脱走しそうになって、「マルーッ!」と僕らに呼び止められることもしばしば起きた。

    翌日は僕の友人たちも加わって、草野球は一段とヒートアップした。たくさんの人々が遊んでくれるものだから、マルがホームシックにかかるはずもなく、よく遊び、よく食べて、よく眠る、充実した毎日を過ごした。

    デッキでラジオ体操

    毎朝6時30分に僕はデッキでラジオ体操をしている。若者たちも庭でラジオ体操。体操の先生気分を味わった。

    ャッチボール

    みんなでフィリピン公園に出かけて、まずはキャッチボール。センポは落球しそうな人のそばへ駆けていく。

    極端な前進守備

    「八ヶ岳の源田」とも呼ばれるセンポの守備能力の高さは半端ない。極端な前進守備でゴロを処理してしまう。

    凡打になる女子

    センポの前進守備にプレッシャーを感じて凡打になる女子が続出した。

    整列してあいさつ

    試合終了のあとは整列してあいさつ。フィリピン公園は僕らにとってのフィールド・オブ・ドリームスだ。

    公園で遊んだあと

    公園で遊んだあとは、おいしい朝食が待っている。犬も人間も健康的な生活を送った。

    【訂正のお知らせ】

    BE-PAL3月号『サラリーマン転覆隊』の連載に、わが『チームシェルパ』の旅人小屋の話がでてきますが、誤った情報を載せてしまいました。
    P.57の下段に『宿泊費は車で来たら2400円、バイクで来たら100cc100円、自転車で来たら300円、歩いて来たらタダなのだ』と書いてありますが、正しくは『宿泊費は車で来たら2500円プラス駐車場代1000円、バイクで来たら1cc10円、自転車で来たら300円、歩いて来たらタダなのだ』となります。つまり50ccだと500円。車よりもバイク、バイクよりも自転車、自転車よりも歩きを優遇したシステムです。

     

    シェルパ斉藤
    私が書きました!
    紀行作家・バックパッカー
    シェルパ斉藤
    1961年生まれ。揚子江の川旅を掲載してもらおうと編集長へ送った手紙がきっかけで『BE-PAL』誌上でデビュー。その後、1990年に東海自然歩道を踏破する紀行文を連載して人気作家に。1995年に八ヶ岳の麓に移住 し、自らの手で家を作り、火を中心とした自己完結型の田舎暮らしを楽しむ。『BE-PAL』で「シェルパ斉藤の旅の自由型」を連載中。『シェルパ斉藤の行きあたりばっ旅』ほか著書多数。歩く旅を1冊にまとめた『シェルパ斉藤の遊歩見聞録』(小学館)には、山、島、村、東海自然歩道などの旅や、犬と歩いたロングトレイルの旅を収録。

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