
渓流釣りと山スキーを愛するライター、森山伸也氏が、鬼怒川温泉の秘湯をレポート!
奥鬼怒温泉で体感温度差55度の旅へ!
目的地|奥鬼怒温泉 裏カッタテノ湯&八丁の湯(栃木県・日光市)
◦コースタイム 女夫渕バス停(15分)奥鬼怒仮歩道入口(15分)―裏カッタテノ湯(60分)―八丁の湯
◦アクセス 女夫渕バス停までは東武鉄道鬼怒川線の鬼怒川温泉駅から日光市営バスで1時間35分。
幻の野湯を目指して

鬼怒川上流部の標高1,156m地点にある裏カッタテノ湯。カッタテノ滝のすぐ上流(裏)にあることからこう呼ばれる。氷点下11度Cから湯温44度Cへ!
「うおーー、最高だ〜」
野湯ハントの必携ギア
深い新雪にはワカンやスノーシュー、凍った登山道にはチェーンスパイクと足元の準備は万全に。銀マットの切れ端や雪をかくスコップ、温かい飲み物があると全裸になるにも心強い。
09:40 START
湯へ続く道は、〝湯歩道〟である
予約していた送迎バスで奥鬼怒スーパー林道を上り、遊歩道入口で下車。案内板に従って鬼怒川源流へ。
鬼怒川と岩と冷気が作り出す自然美にうっとりしながら歩を進める。谷底は終日日陰なので氷がよく育つ。
10:30
核心は極寒ではなく、川の渡渉
絶妙な湯加減の裏カッタテノ湯に入湯! 湯船に浸かっていれば対岸の歩道から見えない、まさに秘湯。
11:00
ピンクテープを目印に川沿いを遡る

氷点下だけど体はポカポカ
雪が降ったら登山道は埋もれ、不明瞭に。木々に巻かれたピンクテープを頼りに歩こう。橋を渡ったりしながら鬼怒川を上る。
まっすぐはキツネ!
11:30
自然の造形美
氷瀑が足を止める
歩道を歩いていると右手(左岸)からいくつもの氷瀑が姿を現わす。どれも迫力があって圧巻だ。気温が高いときは近づかないように。
12:00
土砂に埋もれた
女夫渕奥鬼怒1号
歩道のすぐ下に湧く野湯「女夫渕奥鬼怒1号」も楽しみにしていたが、少々ぬるく、浅く狭いため断念。
あちこちに飾られた氷の芸術。冬の渓谷ハイクは、旅人を飽きさせない。頰張りながら火照った体を冷ます。
飛ぶようにくるくる回るカエデの種。雪の世界なら発見も容易だ。
八丁の湯は奥鬼怒四湯で唯一の「日本秘湯を守る会」の会員宿である。
13:30
ワンウェイハイクで楽しもう!いいとこどりな秘湯ハシゴ歩き旅

雪が降ってきた! これぞ最高の雪見
奥鬼怒温泉「八丁の湯」
8つの源泉を使用する奥鬼怒四湯のひとつ。「氷瀑ツアー」や「スノートレッキング」に参加すれば、道具なしで雪見散策を楽しめる。今回は日帰りの休憩パックを利用。
料金:大人4,000円/子供3,000円。
料金に含まれているサービスは、送迎バス/入浴料/昼食(八丁の湯オリジナルカレー・左写真/煮込みうどん/ピザ各種)/バスタオル/フェイスタオル。
住所:栃木県日光市川俣876
電話:0288(96)0306
混浴の露天風呂は2つ
風呂はすべて露天で計3つ。「滝見の湯」(上)と「雪見の湯」(右)が混浴。女性専用滝見露天風呂も。
GOAL

帰りは送迎バス!
休憩パックや宿泊費に含まれる送迎サービスで女夫渕へ。乗車時間は約30分。
雪見野湯の楽しみ方
❶混浴なので声を出して存在を知らせる
❷乾きにくい髪は濡らさぬよう
❸万が一に備え、着替えは必携!
※構成/森山伸也 撮影/矢島慎一
(BE-PAL 2024年3月号より)