思わず憧れてしまう素敵な家を訪ねてみました。今回は自転車が大好きという会社員の佐々木創介さんがDIYで作り上げた、居心地重視の趣味部屋をご紹介します。
自転車いじりの時間を快適に楽しむためにDIYリノベ!
会社員 佐々木創介さん
自転車とDIYと家族を愛する2児のパパ。家族と過ごす時間を大切にしながら、合間に趣味を楽しむのが円満のコツという。自転車は整備士の資格を持つ本格派。
お金をかけずに自分らしく!
大学時代にスポーツ自転車に魅了され、その後は大手自転車販売店勤務、自転車通販サイトのスタートアップ、スポーツ自転車輸入代理店勤務と、自転車業界を渡り歩いた佐々木さん。現在は、自転車とは関係のない一般企業に転職。自転車が仕事から趣味にカムバックした。
「子供のころからモノ作りが大好きで、自転車はパーツを買い集めて、自分だけの1台を組み立てることが多いですね。この部屋は、大好きな自転車いじりの時間を快適に楽しむために、DIYでリノベしました」
名古屋市内の戸建てに家族4人で暮らす佐々木さん。2階にある9.5畳の洋室が佐々木さんの秘密基地だ。中に入ると、そこはまるで小さなサイクルショップのメンテルームのよう。
ディスプレイウォールは、2×4材を6本使って、アジャスターで天井と床に仮固定。そこに野地板という下地用の板をボルトで打ち付けている。野地板は、バーナーで表面を焼き、焦げた風合いを出してから水洗いして仕上げた。2×4材は、同じような色に塗装し、部屋の雰囲気に統一感を出した。
「野地板は、表面が反っていたり、木目が美しくない材料ですが、とにかく安いんです。自分で使う部屋ですから、多少の凸凹は気にしません。なにより安く上がったことが満足です」
この部屋のリノベに投じた金額は、木材、塗料、金具などで、約10万円。ホームセンターや100均のものを上手に利用して、時間をかけて作り上げたという。
ディスプレイウォールの下にある箪笥は、祖父から受け継いだ大正時代のもの。自分でアイアンの脚を取り付け、今風なビジュアルに変身させた。高さを上げることで、物が取り出しやすくなり、下には収納スペースもできた。隅から隅まで、自分が使いやすいような工夫が凝らされた素敵な趣味部屋だ。
「木材は加工がしやすく修理や改造も簡単です。長く使える材料なので、大切にもっと使いやすい部屋にしていきたいです」
HEALING
端材で作った植物の飾り棚
最近、ハマっているという塊根植物用の飾り棚。壁を作ったときに出た端材を利用して自作。段差を作り、見た目の楽しさを演出。
プチアクアリウムで癒やしの空間
淡水魚、海水魚で水槽を分けてメダカやエビなどを飼育。ほかの部屋には両生類も。
こちらの部屋には、計3個の水槽を置いて、無機質になりがちな空間に癒やしを投入。
DISPLAY
はずして組み替え可能なディスプレイウォール
大好きな自転車を愛でるためにDIYで完成させたスペース。部屋の壁にネジなどを打っていないため、賃貸住宅でも真似できる。
2×4材の上下にアジャスターを取り付け、突っ張らせてベースに。
野地板を張って壁を作り、さらに自転車を載せるための2×4材を横方向に取り付けている。
野地板にフックをねじ込み、ストラップでフレーム中央を吊って自転車を飾っている。
必要な工具をサッと手に取れ、見た目も美しい工具棚は、有孔ボードと市販のフックで。
入り口横の壁の前には、市販の自立式サイクルラックを配置。上下に2台の自転車を置けるので省スペースに貢献。
STORAGE
アイアンの脚をプラス
年代物の箪笥は当初状態が悪かった。金具をすべて取りはずし、表面をサンダーで整え、塗装をし直して再び金具を付け蘇らせた。アイアンの脚をつけて使いやすさもアップ。
MAINTENANCE
作業効率と収納性抜群のメンテスペース
作業台の左下に置かれた収納棚は、スチールシェルフの表に板を張り、部屋の雰囲気に調和させている。
↓
シェルフを連結してメンテナンス台に
スチールシェルフの上部には、厚めの板が張ってある。2台のシェルフを並べると自転車のメンテナンス台になる仕掛け。お見事!
佐々木さんの おウチPOINT
1 加工と修理が簡単な木材をメインに使う
2 細かいことは気にしない
3 お値打ちの材料で気軽に楽しむ
※構成/山本修二 撮影/岩波純一
(BE-PAL 2024年3月号より)