翌日、デリーの中心部から少し北に離れた場所にある、マジュヌカティラという場所を訪れました。メトロ(地下鉄)のイエローライン、Vidhan Sabha駅から、オートリクシャーで10分ほど(乗り合いで10ルピー、普通に乗ると40ルピー)。ここはチベット本土から亡命したチベット人やその子孫が多く集まって暮らしている地区です。
マジュヌカティラもまた、大勢の旅行者が集まるエリアです。手頃な料金の宿のほか、レストランやカフェも揃っていて、パハールガンジではなく、ここを定宿にしている外国人旅行者もたくさんいます。
チベット仏教のタンカ(仏画)を扱っているお店。職人さんが真剣な目つきで作業に取り組んでいました。
マジュヌカティラはけっして広いエリアではありませんが、通り沿いにはこんな風に露店が軒を連ねていて、のどかな中にもにぎわいを見せています。
ふらりと入ったチベットレストランで、おひるごはん。トゥクパ(チベット風煮込み料理の総称で、通常は主に麺料理を指します)をいただきました。具は野菜のみで、あっさりスープのやさしい味でした。
パハールガンジとマジュヌカティラ。デリーの安宿街の中でも対照的なエリアを訪ねてみましたが、混沌と喧噪のパハールガンジでさまよってみるのも面白いですし、穏やかな雰囲気のマジュヌカティラでほっとひと息つくのもいい選択肢だと思います。デリーに宿泊する予定のある方で、予算的に高級ホテルにはちょっと泊まれない……という場合は、これらのエリアも検討してみるといいのではと思います。
◎文/写真=山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(雷鳥社)ほか多数。
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