キナウル・スピティの旅4
早朝、手配した車に乗せてもらって、ヒマーチャル・プラデーシュ州の州都、シムラーを出発。北東に車で約10時間ほどの場所にある、キナウル地方の中心地、レコン・ピオに向かいます。
緑豊かな山合いに点在する村々。この一帯はリンゴの名産地だそうで、車の中からもたくさんのリンゴの果樹園を目にしました。
夏、この地域はモンスーンの影響で雨が非常に多く、それによる土砂崩れも日常茶飯事です。どこからともなく現れた重機が土砂をよけてくれるまで、しばしの間、待ちます。
キナウルの道路は、「世界でもっとも危険な道路の一つ」として海外で記事に取り上げられたこともあります。この光景を目にすれば、そう形容されるのも納得ですね。高低差100メートル以上の垂直の断崖に穿たれた道路を、車がゆらゆらと行き来しています。高所恐怖症の方にはあまりおすすめできない旅です。
シムラーからレコン・ピオに向かう途中、ちょっと寄り道して、サラハンという村に立ち寄りました。ここにはヒンドゥー教のビーマカーリー寺院という有名な寺院があります。あいにくの空模様で、雨と霧の中の寺院という写真になってしまいましたが、こんな天気でも、寺院には参拝客たちが途切れずに訪れていました。
夕刻、車はようやくレコン・ピオの街に到着しました。人口2400人ほどの街です。この街には、ここから先、チベット(中国)との国境近くの道路を通過するために外国人旅行者に必要な許可証を申請するため、2泊することになりました。
ほんのわずかな長さの目抜き通りに、商店や八百屋が並んでいます。行き交う人もあまり多くはなく、とてもこぢんまりとした街という印象です。